2018, 6月

グループB(石川・土田・直井)

石川 稔大   株式会社石川興業運輸

はじめに、米国物流産業 第4次産業革命等視察研修の募集の案内をもらい研修内容(自動運転等)に非常に関心があるし、アメリカ本土に行った事が無いし、ここ7~8年位海外にも行って無いから行ってみようと思い軽い気持ちで参加しようと思い手を挙げたことが研修のはじまりでした。
米国に研修に行く前に2回トラック総合会館にてセミナーを受けましたが多少理解できる事から全くついて行けない内容もあり、セミナーの回数を重ねる度に米国に行くことが不安になって来ましたがセミナー後に参加される一部の方で食事会を開いてもらい参加される方と懇親が出来少し不安が取り除けました。
今回の視察目的ですがアメリカ合衆国の物流事情と労働者の環境及び物流の自動化、省力化、効率化等に関する視察を通じて、将来の日本の物流業界のあり方を探る。という内容なのですがどうだったかと言われると非常に難しい問題ばかりでした。
物流事情が我が国と全くと言っていいほど違うんだなと感じました、というのも国土の広さ、判ってはいたのですがいざ行くとその違いに驚かされました、もちろんその様な広大な国土面積ですから当然労働者の環境も当然違います走行距離や拘束時間等、やはり日本と訳が違う(スケールがデカい)訳ですが米国に行って驚かされたのは物流の自動化、省力化、効率化においては法規制等の絡みが我が国より進んでいる米国の方が一歩二歩先に行っていると感じました自動運転のトラック輸送等は今回残念ながら見れませんでしたが全米トラック協会に訪問してトラック自動化委員会なるものがあるとの事で将来の自動運転技術を見据えて全米の方が進んでいると感じました、その中で一つ驚いたのが昨今我が国でもドライバー不足の話題がありますが実は米国も我が国ほどでは無いようですがドライバー不足が問題視されているとの事でした、給料面で米国のドライバー賃金は我が国よりは良い賃金でしたが米国の物価は日本に比べて非常に高かったです(例ペットボトルの飲料水が約300円)。
物流業界とは違いますが今回uber(自動車配車ウェブサイトおよび配車アプリ)を使用してみました。行先までの運賃が乗車前に判り迎えに来る車の現在位置やドライバーが表示されるので非常に便利だと実感しました。現在70か国で展開しているとの事で日本も法規制等整えばタクシー業界への脅威だと感じました、また我々運送業界にも一段とドライバー不足を加速させるのかと感じました。
(写真1▼※配車アプリuberにて呼んだ車両)  (写真2▼※車内)
   
今回米国に視察に行きまして何か特別な知識等を習得したかと言われると即答出来ないですが、これからの物流の変化が少し見えた様な気がするとしか言えませんが新たな情報知識はやはり重要だと感じました。トラック総合会館の研修前セミナー等もそうですが米国に行き色々な場所を見学させてもらい色々な知識を入れて前向きに考えをもって仕事をする事を再認識、米国に行く前に日程表をもらった時は1週間長いし研修ばかりだなと思いましたがいざ現地に行くと目新しい、こと、もの、かんがえ、で、あっという間の一週間でした。
今回この様な企画をしていただいた一社埼玉県トラック協会に非常に感謝し一週間一緒に過ごした瀬山団長はじめとする視察団の皆様に感謝しています。皆様大変お世話になりました。次回もこの様な研修があれば是非参画したいと思いました、参加出来て大変良かったです。

 

 

土田 武士   関東冷凍運輸有限会社

・カーボンエクスプレス
ニュージャージー州ウォートンに本社を置く運送会社。米国およびカナダに液体バルク製品を輸送している。主な配送品目は、潤滑油や石油製品。
ニュージャージーからアラスカまでカバーする長距離も行い、長時間の拘束時間になるため、寝台の廃止やモーテルの積極使用などの乗務員確保対策を講じている。
リアルタイムでの車両位置管理や、自動配車など利便性の高いIT活用も随所に使用されている。

・米国日通ムービング
ニューヨーク州ロングアイランドシティに本社を置き、全米27支店で一貫輸送体制による引越業務を行っている。日本品質、日本的サービスレベルを基準にし他社引越会社との差別化をはかっている。
引越業務のほかに、家財お預かりサービスや書庫センターサービスなども対応しており、包括的に業務展開している。

・全米トラック協会
1933年創立、全米でもっとも影響力のある協会の一つ。
法人税減税など政治施策に対して、ホワイトハウス邸内に大型トラックを持ち込み、その成果の報告会を行うなど宣伝活動やロビー活動が盛んであり、トラック業界の主導者であり続けている。
州連合や関係する議員および個人の組織する連盟を通じて、高速道路の安全性や安定利用、環境の保護やトラック業界のさらなる発展などを促進する研究を基にした政策を策定し、提唱している。
協会の専門官は、トラック輸送が経済において果たす重要な役割について政策立案者や一般市民に周知し、道路の安全利用を促進し、業界の環境目標を向上させる責任ある政策を推進している。

・在米日本大使館
日本大使館旧公邸は、1931年10月に創立され、1978年まで大使公邸として使用されていました。旧公邸は、1941年12月、戦争勃発後米国側に接収され、米国極東委員会の使用するところになっていましたが、1952年4月末日、日米交換公文とともに我が方に返還されました。
米国経済等の概況によると、2018年1-3月期の実質GDP成長率は速報で2.2%と設備投資、消費、輸出等がプラスに寄与し、景気は着実に回復が続いている。5月の雇用者数(非農業部門)は、前月から22.3万人増加し、失業率は3.8%と2000年4月に並ぶ低水準である。
先行きについては、着実に回復が続くと見込まれる。
また、市場では6月12-13日のFOMCにおける利上げが確実視されていたが、その予想通り同時期に1.75から2に引き上げが行われている。

・CTC(伊藤忠テクノソリューションズ)
CTCでは、シリコンバレーでお客様と共にビジネスを創出、米国におけるパブリッククラウドの活動動向、AIで進化するサイバーセキュリティ、米国におけるAIの最新動向などを包括的に業務関連させています。また、近年台頭してきている評価額10億ドルを超える『ユニコーン』と呼ばれるハイテク新興企業との戦略的提携を進めています。
現在は、クラウドをはじめ、ソーシャル、モバイル、セキュリティ、ビッグデータ分析、シェアリングエコノミー、FinTech、loT、というテーマを掲げている企業の動向に着目しており、その中には『Uber』や『Airbnb』なども含まれています。

・SAP
1972年 ドイツにSystemanalyse und Programmentwicklung (システム分析とプログラム開発)を設立。1976年 社名をSAPに変更。
SAPの主な製品は、ERP(企業資源計画)に代表されるビジネスアプリケーション群であり、企業における会計システム、物流システム、販売システム、人事システムなどからなっており、それぞれがデータ的に一元化されているため、リアルタイムな分析が可能となっている。
近年では、異業種を含めた他社との協業を強化し、新たな領域での事業創出に注力している。
提携先は、apple、google、IBM、Microsoft、などのIT企業のほか、アンダーアーマー、UPSなどである。

・BOX
BOXは2005年の創業以来、セキュアな環境でのアイデアの共有、コラボレーション、業務の迅速化をより簡単に行えるようにしてきました。
現在、4100万以上のユーザー、74000以上の企業(Fortune500の59%を含む)が、クラウドでのコンテンツ・マネジメント・プラットフォームとしてBOXを選んでいます。
お客様の心に風を吹かせよう、リスクをとろう、早めに失敗しよう、10倍にしよう、オーナーになろう、ここはあなたの会社なのだから、日々、主体的に働きましょう、誠実にそして世の中をよくするよう心掛けを、お母さんを誇らしくしてあげよう(自慢の子どもになろう)。

カーボンエクスプレスは今回の研修旅行でいった唯一の実運送会社であり、実際のアメリカントラックはかなりの大きさであった。乗務員の就労状況や運送貨物法規、道路の路面状況やタイヤの摩耗率など実際の米国の貨物事情に触れられた貴重な体験であった。
近隣国ではあるが、他国間配送や同国内ではあるがアラスカまでの約6200キロもの長距離輸送などの配送内容はやはりアメリカのサイズスケールを感じさせるものであった。
また、そのなかでリアルタイムでの運行管理や自動配車の活用対応は、日本の主要企業の導入しているものに引けを取らず企業規模感的にかなり進んでいると考えられ、運賃環境などの優遇が一因と考えられる。と同時に、賃金などの面でかなり恵まれていると考えられる内容でも本格的な人員不足が始まっていることを考えると日本の物流事情もけっして他山の石ではないと考えられる。

全米トラック協会は、組織体系等詳しい内容については未確認の部分が多く、簡単に日本の同協会とは比較できないが、個々のトラック従事者やトラック企業の経済界内パワーバランスだと思われるが、組織としての結束力と強い影響力をもち、政治において大きな影響力を与えていると考えられる。また、ロビー活動なども大変盛んであり、それが今日の米国内トラック企業とトラック従事者の地位向上につながっていることは容易に想像できる。

在米日本大使館は、当然ながらこういった機会でないと裏側までお招きいただけることはないので、その貴重な体験に感謝したい。内容としてはやはりトランプ大統領を筆頭に強いアメリカを作り上げるという意気込み通りのアメリカ経済内容になっている。
国内経済では、利上げを年三回と予想したり、歴史的に低水準である失業率などかなり景況感はよくなってきているが、対外的な部分では、米中貿易摩擦が発展し、500億ドル相当の中国製品に関税を課したり鉄鋼、アルミ製品の関税を引き上げたりし結果、中国側も30憶ドル相当の米産品や豚肉、アルミ製品に対し追加関税など米中貿易戦争の様相を呈している。

CTCについては、通信インフラ系企業からクラウドサービス、ITセキュリティ、スタートアップ企業バックアップと企業内分社していったイメージで、主に説明を受けたのはスタートアップ企業バックアップである。

資金力のないスタートアップ企業にエンジェル企業との橋渡しをするだけでなく、法務、労務、経理などの専門スタッフの派遣も行っており、また戦略的提携という懐柔策兼技術転用策など今のシリコンバレーのホットワードであるコラボレーションの名のもとにかなり柔軟な企業姿勢をとっている。

SAPは、ドイツの古い体質の会社であったが、日本と似た境遇の国同士で全く違った発展を見せた企業だと感じた。正しくは、CTCなどがそうなろうという方向性なのかもしれないが、かたやシリコンバレーで就職ランキング上位企業とかたやシリコンバレーでウィンドショッパーとありがたくもない名称いただいた国の企業として現在の境遇の差には我々として考えさせられる部分は多分にある。内容にしても名だたるシリコンバレー企業とコラボレーションしているだけあって、話せる中でかなり最新のものであったと感じられた。

特にダイナミックプライシングである。例示としては、Uberは依頼者によって全く同じ運行内容であっても価格の差異が発生する、アマゾンブックスは値札のない本屋であるが購入者によって価格が前後する、アマゾンフレッシュはたとえばオレンジの価格を購入者ごとに値付けられるように分析が行われているということである。これが意味することは、価格決定権は元来購入者にあったものだが、今後その主導は提供者に移るのではないかという話なのだが、正しくはAIを駆使したプログラミングシステムにもっとも最適化された価格を人類が提示されるというと言い過ぎだろうか。
AI技術の導入により、特定サイトのクリック回数などで個別の広告表示の変化やアマゾンの購入履歴における全くの未知商品の提示などビッグデータ解析は部分的実用の段階までは進んできている。

BOX社は、自分の知らない会社で使っていないクラウドアプリケーションであったが、その企業規模はシリコンバレーでも随一で世界的にもよく知られたソフトであった。どのデバイスからでもアクセスでき時間と場所選ばず、過失訂正の表示確認も可能であり、可視非可視の設定ができ、クラウド上のセキュリティもかなり高いシステムになっており、名だたる企業や官庁、学校法人で採用されている。

今回このような貴重な機会をいただきました関係者の皆様には大変感謝しております。今後ともよろしくお願いいたします。

 

 

豊島梱包運輸株式会社 部長 直井咲子

アメリカはITの最先端
・はじめに
この度、米国物流産業・第4次産業革命等視察研修を企画して頂いた関係者みなさまと、献身的なリードで研修を成功させてくれた株式会社日通総合研究所の大島様、そして私たちをまとめてくださった瀬山団長、未来想造委員会清水委員長に心より感謝申し上げます。日本では経験できない多くの学びと、参加者みなさまとの交流も貴重な財産となりました。
・物流視察
ニュー・ジャージー洲にある液体のバルク輸送業界のリーダー的存在である『CARBON EXPRESS』へ視察に行った。ドライバー平均年齢45歳。(業界平均年齢は57歳、ちなみに弊社は42.8歳)
積載率を向上させるためにトレーラーヘッドの寝台を外した。それに伴い、ドライバーたちはモーテルで休息することになった。その結果、労働環境が良くなり、ドライバーからも高評価だそうだ。
この話を聞いて、日本にも寝台をなくした大型トラックがあることを思い出した。寝台を外すことによって10%荷物が多く積めるトラックだ。66立米積める=『ロングロクロク』と名付けられた。日本も最先端を追っている。
アメリカはコンボイが主流だ。車両を購入する際、キャブとエンジンをそれぞれオーダーするためボンネットの部分が大きく、エンジンがのせやすい形状になっているのだ。
タイヤはブリジストン、ミシュランが人気だ。アメリカは長距離輸送が主流のため、タイヤのみぞが深く、日本のタイヤの1.5倍は走るとのこと。
1) 2) 3)
・シリコンバレーのリードするイノベーション
私たち視察団は、シリコンバレーにあるドイツの老舗IT企業『SAP』へ訪問。
平均年齢は24歳だそう。
日本とドイツの共通点は多い。高齢化が進み真面目で完璧主義者が多い。『重い既存事業をどう変革していくのか』をテーマに『デザイン思考』と『両利き経営』を学んだ。
今求められているのは両利き経営だ。
『SAP』はドイツの既存事業を変革するために新規事業をシリコンバレーで始めた。社長が既存事業を担当し、会長が新規事業を担当し大成功をおさめた。新規事業を起こしながら既存事業をどうやって守るのか。それをひも解く。

シリコンバレーでは、日系企業のプライオリティは低いそう。なぜなら、視察に来て学んでも、行動を起こさないからだと述べた。
同じ方向を向いて、同じステップで、同じスピード感で仕事をしていくためのイノベーションを起こすために『SAP』がフレームワークとして取り入れたのが『デザイン思考』だ。
そのプロセスが『EMPATHIZE顧客への共感』『DEFINE問題を定義』『IDEATEアイデア創出』『PROTOTYPE試作』『TEST検証』
できるだけ多くのアイデアを出し、試作と検証を繰り返す。簡単に試作できる専用の部屋もあり充実した環境である。
さらに目についたのは、壁にポストイットがたくさん貼ってあったこと。その場で思いついたことを貼れるようになっている。いくつものアイデアをメモしておくことでアイデア同士がつながって新しいアイデアが生まれるそう。あとは情報を『結果と原因』『目的と手段』などの視点で倫理展開させる。
4) 5) 6)
運送業界に不足している人材採用・育成や、ミレニアム世代の確保、モチベーションマネジメントもひも解けるだろう。その『しくみ』をやるかやらないかは自分次第だ。

グループC(井田・塚原・井田)

北関東陸運株式会社 井田敦・井田雄

いままでアメリカには高校の修学旅行や家族旅行でラスベガス、ロサンゼルス、ハワイ、グアムなどを観光してきましたが今回は初の仕事で視察研修ということでこれまでの旅行と違うので本当に楽しみ半分、何かを必ず日本に持ち帰らないと行けない。自腹で行っているわけでもなく、会社の従業員の代表で行かせてもらっていること。という引き締めた気持ちで。そして埼玉県の運送会社の代表の方たちと管理職をされている方たちとの一周間という濃い時間を無駄にしてはいけない。情報交換そして繋がりを作り日本に帰ってもいい関係を継続していけたらと思い、出発しました。
初日のニューヨークは人生初で日本より都会をイメージしていましたが建物も古く想像していた景色とは違いました。しかし夜中になっても明るく、人が減らない眠らない町。と感じました。
ワシントンではシリコンバレーが印象的です。年収1000万以下だと生活保護を受けるということで街の景色は普通の田舎です。そこに世界で有名な大手企業がいくつも本社として構えておりBOXをはじめとするIT企業を人生で初ですが訪問して作業場まで見せていただいたことは本当に刺激的でした。
サンフランシスコに移動して一番に思ったことは「寒い!」なぜこんなに温度変化があるのかと思いましたが単純にニューヨーク=サンフランシスコまでは日本でいう北海道から=沖縄くらいに離れていることに気づき理解したのをいまでも覚えています。アスリートも含めアメリカ全土に飛び回りベストパフォーマンスをすることの難しさを元々スポーツをやっていた私は感じました。
今回は正直アメリカに行き日本に持ち帰り使えるなどと感じたシステムなど技術はなかったです。ですが運送業界はそう感じましたがやはりファッションやITなどは日本より確実に進んでいると感じました。運送業界だけではなく違う会社にも視察訪問させていただき考案していただき本当に感謝しております。日本にいては感じられないことを多く見て感じることができました。また機会がありましたら是非研修旅行に参加したいです。本当にお世話になりました。

 

塚原運送株式会社 塚原康弘

今回の米国研修においては、現地運送会社やトラック協会、大使館や世界の先端を走るシリコンバレーの企業を視察し、肌に感じる事により、自身の見聞を広めることができました。今回の研修において特に感じたのは、何か新しいモノを生みだそう、生み出してやろうというパワーです。与えられた状況の中で当たり前に過ごしすぎているのかなと自分自身を感じました。スタートアップ企業とベンチャーキャピタルのような関係の様に、今後何か自分のアイディアや考えを生み出し、それを共感してもらい、協力や支援を募り、自社を発展させていかなければと思いました。他、人材不足が叫ばれるなか、従業員の満足度を高めていかなければと感じました。
今回、多くの同業他社の方と長時間行動させていただいた事により、人間関係の構築、また、考え方や意識の高さを知ることができ、非常に勉強になりました。今回の研修旅行に快く送り出してくれた会社の為にも、この体験を無駄にせずに精進していきたいと思います。皆様、どうもありがとうございました。

グループD(野村・坂本・穐山)

野村 文昭   野村陸運株式会社

この度、6月10日から17日の8日間、埼玉県トラック協会の海外視察研修でアメリカ合衆国を訪問して参りました。我々は先ずニューヨークから入り、首都ワシントンD.Cへ陸路移動し、最後はサンフランシスコまで飛んだ計三ヶ所の都市への移動でしたが、その中で7箇所の訪問先を見聞する事が出来ました。米国は昨年大統領が代わり、その政治、経済の動向が世界中から注目されている状況であります。私としても、同じ輸送業界のメンバーと共に米国の物流の現状を見る良い機会と考え参加致しました。
トラック会社の最初の訪問先としては、ニュージャージー州に在るカーボンエクスプレス社で、65台の車両を保有している危険物を専門に運ぶ会社でした。74歳のスティーブ・ラッシュ社長は1983年にドライバーから起業した叩き上げの社長さんで、正午前の我々の訪問に対し、昼食のバーベキューを用意して下さいました。熱心に質問に応じ、日本の輸送事情にも関心を持っていたようで、生き生きとした目が印象的でした。南はテキサス、北はアラスカまで運行する場合は10日から2週間掛かり、これまで通常とされていた車中での睡眠休憩よりも安全が肝心と言う事から、これを見直し、今ではいずれの車両も宿泊施設に停車、及び宿泊させる事によりドライバーと車両の安全が保たれたようです。また、この会社に勤務しているジョンさんは、後日ワシントンで訪問した全米トラック協会の上級役員も兼務するベテランの社員さんで、2015年にはSafety Director of the Year(安全優秀指導者賞)を獲得されております。同社は2016年も州のトラックドライバー賞、及び安全技術賞、優秀雇用者賞など三つの賞を獲得しており、運行の安全、健全な経営に鋭意御努力されています。社長さんに、トラックの自動運転に関して思っている事は、と言う質問に、「そんなの俺が生てる内には絶対出来っこねえと思うよ」との返事が印象的でした。
1)     2)
米国に於いても燃料の価格は上昇傾向にあり、滞在中のスタンドの価格掲示は東海岸辺りでガソリン2.95セント/ガロン、軽油3.31/ガロンでした。(1ガロン約3.8ℓ)これが西海岸辺りへ行くとガソリン3.90、軽油4.10セント/ガロンと高くなっており、カリフォルニア州は全米で一番高いそうです。ガソリンはレギュラー、プラス、プレミアム(スプリームとも呼ぶ)の三種あり、其々が10セントずつ高くなっています。米国を大きく地域別に分割しますと、アラスカ州やハワイ州を含め、7地域になりますが、大まかに価格は西高東低と覚えておけば分かりやすいでしょう。値上がりには米国なりの原油調達コストの理由があるようで、カリフォルニア州などは他の州より自動車の数が圧倒的に多い事や、精製されたバイオ燃料も添加され始めているのも上昇理由にあるようです。一方、安い地域は産油しているテキサス州で、東より10~33セント程安く、西より80~90セント安い価格帯のようです。
いずれの視察先に於いて感じたのは、燃油の価格や、ドライバー不足は今後のアメリカの輸送業界にとっては、一番の悩み所というのが印象的でした。我々は日本大使館訪問での質疑応答の時、優秀な職員さんのお話を伺う機会を得ましたが、米国でも日本と同様に車離れが進んでいる事や、ドライバーの地位は日本とそれ程変わらない事、賃金は一見比べれば高く思えるかもしれないが、物価も日本より高いこともある為、生活するとさほど変わらない事。また、トラックの自動運転技術は公道の事故もあれば州によって法規面で異なりがあり、試験走行の一時中断もある事など、多岐にわたり米国での現在を知る事が出来ました。ここで印象的だったのは、移民でドライバー確保が補えるか?との質問に対し、「ドライバーを出来るのは移民じゃないです」と言った返答や、「日常生活をする上で、日本よりアメリカのほうが凄いと思うことは無い」と言い切った言葉が強く残りました。
3)   4)
ニューヨークからワシントンまでは陸路、バスで国道95号線を南へ5時間少々走りましたが、都市を出れば信号で停止する事など殆ど無く、緑豊かでなだらかな丘陵地帯を、休憩を挟みながら真っ直ぐ走り続けました。路面の質はともかく、道は至って単純で郊外は三車線、都市部に近づけば最大で7車線あるフリーウェイは文字通りFree(無料)で、料金所はせいぜい大きな橋を渡る時などで、あちこちに設置されている訳ではありません。東のニューヨークから西のシアトルや、サンフランシスコ又はロスアンゼルスへは、約4、700kmの距離があります。行こうと思えば、辿る道の経路は容易な事や、掛かる費用は燃料代だけで、我が国のように高速代がどこからどこまでがいくらなのか、また、渋滞になるから迂回して行こうと言った事は考えなくていい訳です。車窓から風景を眺めながら、ふと、仮に、日本の高速料金をこのアメリカの長距離走行に当てはめたとしたら、一体いくら取られるのだろうと考えました。
5)   6)
米国で「トラック」と言えば、それは大型トレーラーでありまして、日本の単車タイプの車両よりも、ボンネットタイプの運転席で、53フィートある車両の方が道路で圧倒的に多く走っています。トラクターはベッド有り、無しのタイプがあり、ベッド有りの型式などは二段ベッドで冷蔵庫やシャワー、キッチンやトイレなどがオプション装備可能となっています。従って広い大陸を走るには快適装備と言えますが、前述のカーボンエクスプレスなどは、このような仕様の車両は高価で、適切な運行と休憩を取る為の安全性に不安ありと判断した事から、ベッドレスタイプに取り替えた会社もあります。荷室は後部の開閉扉式が多く、左右からの荷を取り出す日本でよく走っているウイング式は見かける事はありません。UPS社やFedEx社の単車では左右にスライドドアを備えた車を見かけますが、車高も日本のように低床タイプのものは無く、高床の荷室を備えた車両でした。
この後部の開閉扉、所謂、観音扉式が多い事に私は、広いアメリカならではの羨ましさと合理面を感じました。それは、トラックは積み地でも降ろし地でも後の扉を開けて建物へ接続し、出し入れすればいいのですが、これは何処へ輸送しても大抵の建物が同じ様なインフラ設備になっているから成し得る訳です。振り返り我が国のドライバーの仕事振りを見ますと、(運送会社の輸送品目にもよりますが)納品先の環境を把握し、それに応じて右や左のウイングを開け、後ろの扉を開け、側を通る車両に気を付けなければならなく、その荷役作業の殆どがドライバーに依る積み降ろしとなっています。米国のドライバーは、全てではありませんが、ブースに到着したら後の扉を開け、荷の積み降ろしは建物の中の人が出し入れし、ドライバーはその間に既に荷が積まれたトレーラーを接続して、また走り出すと言った運行が多いようです。広い国土を持ち、その区間は近距離と云えども一日乗務した総距離は日本で走るトラックよりも長く、ドライバーにわざわざ荷物の取り扱いをさせている時間よりも、走行している方がより効率的と感じました。
ATA(全米トラック協会)は、トラック業界を広く社会に周知させ、業界の安全や利益の為に寄与する団体で、政府及び諸官庁に対し、トラック業界を代表して意見を述べ活動しています。日本と共通点がある問題は、1、労働者不足の問題 2、トラック業界のイメージ向上、です。幸いにも現トランプ政権はトラック業界の価値を高く評価、認知しており、「トラックが走ればアメリカは成長する」と業界を激励しております。米国にとって、隣国のカナダやメキシコに対する貿易にはトラック輸送は不可欠で、両国への45%の貨物がトラックによる輸送で支えられています。ATAは議会へ申請中の法案の一つとして、ドライバーの麻薬やアルコール依存に関する検査記録の保存の義務化を、2020年に発行すると言う事です。また、最近考案中の法案としては、18歳から21歳の州を跨ぐ車両の運転を可能とさせる案や、若年者が学校を卒業した後、トラック業界に入った場合には、商業用車両に従事しやすくする事などが挙げられます。
車両の自動化については、完全自動化を目指して開発しているようですが、現状はまだ近距離の試験段階で、当面は人の乗車を兼ねた自走の実験を繰り返している段階のようです。物流の労働人口がより減ってきている中、新型車両への自動化技術を出来る限り導入する事が予想されます。
最後の滞在地、サンフランシスコでは、シリコンバレーに在るIT関連企業への訪問でした。特にSAP社で働いている優秀な日本人の方の説明は興味深く、「破壊的イノベーション」、「人が本当に必要としているものは何か?」や、「デザイン思考」のご説明などは、創造力に欠けると言われている私達日本人には大変有意義な講義であると感じました。また、オフィスはいずれの会社も清潔で自由にデザインされ、就業形態も其々が自主的にある程度自由な時間に勤務出来、自宅での業務も認めている事など、働きやすい環境を整えながら自由度を確保している様子を見る事が出来ました。これらシリコンバレーの会社を訪問した私の印象を要約すれば、それは「必要は発明の母」である、と言った所でしょう。
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視察の中で、食事を楽しみながら交わす会話や、訪問先、或いはバスの中でメンバーの皆さんから出て来る様々な意見や感想は、同業者としての観点を一人一人が持っている為、大変参考になる有意義な時間でした。
これら視察先の皆様に対し深く感謝申し上げると共に、この度の視察を取り纏めて下さいました瀬山団長、清水委員長、日通総研の大島様、並びに埼玉県トラック協会の瀧澤様、そしてメンバーの皆様や、ご支援下さいました皆様に心より御礼申し上げ、私の報告とさせていただきます。有難う御座いました。

 

坂本 篤子   大和輸送株式会社

CARBON EXPRESS INCのPresident   Steve Rushにご説明頂いた。ドライバーの収入は、高収入者で92,000/年(一運行2週間で2〜3日休み)。運転時間は、1日14時間(8時間走行で30分休憩)。環境に影響を及ぼす物を運んでいるドライバー全員が危険物の資格を保有している。ドライバーの確保については大変で、給与をきちんと支払うことができるかどうかが鍵。台車のタンク(仕切りは縦型)は$7,000/本、耐用年数は20年〜30年、平均42フィートで40tの積載。タイヤは35,000マイル使用可能ということだが、日本のタイヤの5倍耐久性があるのだろうか。若いドライバーの教育にはOJTで6ヶ月かかる。今後の自動運転については難しいと思うとのことだった。
★Cabon Expressは、事業所内がとても綺麗にされていると感じた。特に、整備工場は工具等が整然と置かれていて、床にもオイルの跡が残っておらず、清潔を保たれていた。全ての車両から、寝室兼用運転台者を排除し、モーテルでドライバーが休息を取ることを導入された観点からも、ドライバーの労働環境にすごく配慮されていると感じた。労働時間について日本よりも規制が緩い。ドライバーを家族のように思う気持ちが伝わってきた。

Nippon Express USA, INCにご説明頂いた。ひとつは、1,438㎡書類書庫センターについてで、30社の書類(23,000ケース)を15°程度の温度管理をして保管している。もうひとつは引越輸送で3,368㎡が保税倉庫となっている。下請けは ラテン系(メキシコ・コロンビア・コスタリカ)が多く、マニュアルの作成はスペイン語で、OJTに6ヶ月かかる。引越輸送にかかる時間はNY~東京で片道2ヶ月とのこと。
★Nippon Express USA, INCは、倉庫内のロケーション管理がしっかりされているので、貨物を多く扱える体制になると感じた。書類保管については、寒冷期のために気候に合わせた対策を施されていた。

全米トラック協会(ATA)にご説明頂いた。全ての州にトラック運送協会があるとのこと。主な活動は、議会のロビー活動、行政府・諸官庁への働きかけとのこと。課題は次の通りで、・今後10年間の貨物輸送のため10万人が必要とされる・トラック運転者の平均退職年齢は58歳・人材確保のためのトラック業界のイメージを変える働きをしてきている・安全関係の技術、自動化技術が導入・ドライバー不足に対応するための法改正(現在は18−21歳のドライバーは州を超えての運転は禁止)等々。
★全米トラック協会(ATA)は、トラック協会として事業者のために組織的に政府への働きかけを行なっていると感じた。ドライバー不足の観点から平均体側年齢が58歳ということを鑑みると、実質ドライバー不足は日本より深刻のように思われる。

在米日本大使館の参事官仁林様・森様にご説明頂いた。アメリカ経済は良好で失業率は歴史的低水準。シェアリングエコノミーが急速に広がっている。アメリカはITを積極的に取り組むが上手くいかないことの方が多い。アメリアの人口は今後も増え続ける見込みとのこと。アメリカにおける物流事業者の国内における産業間の位置づけは日本と変わらない。物流事業者の給与水準は、日本よりアメリカの方が物価水準が高いので給与も高い(物価水準考慮すると日本と変わらない)。
★在米日本大使館は、300人の職員の方がおられ、アメリカの様々な情報収集に注力されていると思った。

CTC Americaの松本様にご説明頂いた。1990年から伊藤忠テクノソリューションズアメリカでビジネスを始め、現在30名のスタッフで120社以上のスタートアップの日本展開を支援している。スタートアップとは会社の誕生から成功までとし、6〜7年かかる。スタートアップを支えているのが、ベンチャーキャピタル400社あり、その7~8割がシリコンバレーにある。始めた当初はハードウェアー中心だったが、10年ほど前からはソフトウィアークラウドサービスがビジネスの中心で、現在9000社の顧客がいる。シリコンバレーの日系企業数の推移は2016年770件の過去最高の企業数になった。
Customer Experience(顧客の体験を高めるためにどうするか)→Employee Engagement(従業員の仕事のしやすさを追求)(従業員の満足度が高ければ高い程、顧客の満足度が高い)
Today is AI. Make it visiable → 可視化(ITを最大限に活用するためには、可視化することが目的を実現するために必要)
Iot(Internet of Things)→2020年までに500億のディバイスがインターネットにつながる。Iotの現状→何をするかより繋がったら何かが出来るだろうというIotの踊場にきている。今後はIotのセキュリティーにもっとお金をかけなければいけない。
続いてLocix Inc.のMatt Davidson様にご説明頂いた。Local Positioning System(LPS)ロジスティクスを利用して倉庫運営を助けたいと考えており、倉庫内を10-15㎝の範囲でロケーション管理が出来る既存のプラットホームに繋げられるとのこと。
★CTC Americaの説明で、GoogleやApple、Uberなどのビジネスの成功の要因はプラットホーム型ビジネスといわれており、利用者間のマッチングがオープン化しても安全に利用できるセキュリティーが確立されれば、更にICT(情報通信技術)の活用が進むものと感じられた。またLocix Inc.の技術は、フォークリフトの稼働時間を考えた場合、開発中のカメラを使ってフォークリフトの動きに対して、適正台数を提供してもらえることができる、フォークの使用頻度の管理をすることができる等々、このカメラにより防犯機能のみならず、荷物の入出庫管理、フォークリフトの動態管理が従来より良くなりカメラがあることによって無駄の削減及び売上に貢献することができると感じた。またカメラの脱着施工も簡略化できるのでは思う。

SAPの坪田様にご説明頂いた。坪田さんは、福井県出身でドイツの伝統的な会社でシリコンバレーに進出した企業唯一の日本人(インド30% 中国20% アメリカ20% ドイツ10%…日本人1人)、坪田さんは、シリコンバレーにて日本企業との新規事業共想を推進シリコンバレー最大のアウトサイダーとして4000名の従業員を抱えるSAP Labsの一員、伝統あるドイツの会社でありながら、それにとらわれることなく仕事を創造するオフィスで活躍されている。これから求められていくのは、デジタルエコノミーにおけるスタートアップ時代に破壊的イノベーションを起こすことである。そのためには「デザイン思考」が重要。デザイン思考とは(・人が本当に必要としているものは何か?、・普段自覚していなくても、改善することでより便利になるといった「潜在的な困りごと」を発見すること、・その上で、新しい領域を作り出す「破壊的イノベーション」に繋がる、・更に、より暮らしやすい世の中の実現を目指すということである)。
★SAPのオフィス自体が常に楽しく、チャレンジ出来る環境、会社全体がフレンドリー、社員が仕事に対して真剣に打ち込める環境にあるし、報酬としても見返りを受けられる、お客さんの要望に対して、それをミッション化して、達成することを考えているようである。自由には責任が伴う、既存事業を守りながら、新規事業を作るということを感じられた、。

BOX社のステファニー様にご説明頂いた。会社のミッションは「世界中の人を一緒に働かせるにはどうしたらいいか」を可視化すること。BOXとしては、一つのプラットホームで社内・社外において仕事ができるように、使いやすく汎用性のあるプラットホームを提供していく。今後の課題は、ITが細分化しているのでUserが使いにくくなっている他、情報セキュリティーの問題がある。今後何を重要と考えていくか(顧客に向けて)というと、問題解決に向けて方向性が間違っている場合の軌道修正をTime to value(早く実証)することであり、長期・短期の変革のお手伝いをする。
★BOXの提供するプラットホームを利用してさまざまなアプリケーションを繋げることでよりUserのニーズに沿ったコンテンツを管理できるようになるのではないかと感じた。

Nippon Express USA, INCのサンフランシスコ支店 原様にご説明頂いた。全米全体の80%がトラック輸送、そのうち90%が小規模のトラック業者。鉄道網はロサンゼルスが充実してる。最近はガスの値段の上昇のため運賃が上昇している。ドライバーの平均給与は$40,000/Y~$80,000/Y人手不足は深刻で10万人のドライバーが不足する見込み。
★現場の問題は、日本と同様であると感じた。

 

株式会社盛運 穐山千寿弥

アメリカという大きなスケールを感じることができ、陸輸送では日本とは違い長い距離を走行するためのタイヤが日本とは違い溝が深かったことが印象的でした。
監視カメラの動態管理については、トラックの駐車スペース、フォークリフトの適正台数、適正保管坪数との結びつきができると感じました。
アメリカでは上司部下の関係性というよりも、家族での父親、母親、その友人というイメージが個人的には感じ競争の中にも、とても暖かく発想豊かで挑戦を続けている会社づくりをしている印象を受けました。
今回学んだことを休憩室、食堂、会議室等様々な部分を会社に取り入れ、人と人とのコミュニケーションを図り職場環境を変化していくによって、人財不足の中、入社した社員が永く務めることに繋がり退職予防になっていくと感じました。
最後に、今回視察での仲間との繋がりができ1社単独ではなく共に生き延びていくためにも、共に策を考え、共に物流業を発展させていくことによって魅力ある業界になっていくと考えております。
今回このような機会と経験を与えて頂いた埼玉県トラック協会の皆様と今回同じ釜の飯を食べた仲間、旅の期間お世話になった瀬山団長に心より感謝申し上げレポートとさせていただきます。ありがとうございました。

グループE(添野・篠崎・添野)

東栄運輸株式会社 代表取締役 添野 和良

今回米国視察という機会に恵まれた。訪問先の状況についてはグループレポートで詳細な報告があろうから、少し視点を変えて車両という観点からレポートすることとする。

ニューヨーク到着後最初にたずねたのはカーボンエクスプレス社。タンクローリーによる輸送を行っている会社だ。まず目にした車両は、米国では標準ともいえるべきトレーラートラックだ。ヘッドは後部2軸、トレーラーは後部2軸の標準的な5軸トレーラートラックだ。この車両を前にしてカーボンエキスプレス社のスティーブ・ラッシュ社長より話を伺う(写真1)。
▼視察団より贈呈したはっぴ姿のラッシュ社長(写真1)

アメリカのトレーラートラックと言えばボンネットにスリーパー付きのトラクタを思い浮かべるが、この車両はボルボ製のボンネットトラクタではあるもののスリーパーは無い。何泊にも及ぶ仕事でドライバーの睡眠をモーテルでとらせ、充分に休養をとらせることと、限られたサイズで荷物をより多く運ぶためだとのこと。このトレーラーの連結総重量は80000ポンド(約36.3トン)。スリーパーを無くした分だけより多くの荷物を積載できるのはよくわかる。ちなみにトラクタを2台つけて運ぶと127000ポンド(57.6t)迄運べるという。こういう走り方は日本では聞いたことが無いので耳を疑ったがユーチューブで検索したら、2台どころでは無く3台で牽引と推進で運ぶ画像がいくつもあって、さすがアメリカだと思った。

続いて整備工場へ案内してもらった。工場内では後軸の車輪を外して整備中のトラクタが1台あったが、外されたタイヤを見て、皆このタイヤの太さに驚いた。幅が30cmはある(写真2)。そして車庫内に止まっていた別のトラクタを見てまた驚いた。後軸が1輪だ(写真3)。日本で見る大型トラクタの後軸は全部2輪(つまり1軸に左右でタイヤが4つ付いてるという事)だから、総重量80000ポンドのトラクタの車輪が1個しか付いてないというのは意外であった。これも、タイヤを少なくすることで摩擦や重量を減らすためらしい。そのために太いタイヤという事になった。後に調べてみたら日本でも自動車運搬車やタンクローリーの一部で採用されてるらしい。広大なアメリカでも、重量制限や寸法制限に対処するための工夫が必要であること、いかに一度に大量に物を運ぶことや燃費低減に知恵を使っているかという事がうかがい知れた訪問であった。
   
▼ 太いタイヤ(写真2)
最後軸が1輪のトラクタ(写真3)▲

 

翌日、我々はニューヨークからワシントンへ向かったが、重要幹線という事で、すれ違う大型貨物のほとんどがトレーラートラックだ。この後サンフランシスコでもそうだったが、ほとんどが5軸の大型トレーラートラックで、日本でよく見る大型トラックというのはほとんど見なかった。日本で許可なく走れる車体は、車両総重量が20t、だがアメリカでは80000ポンド(約36t)、最大長は12mだがアメリカは州による違いはあっても65フィート(19.8m)とかそれ以上。軸重は日本が1軸10t以下なのに対してアメリカは2軸で34000ポンド(15.4t)以下だから当然軸数の多いトレーラートラックで大量に物を運ぶ事になる。
▼ハイウェイのSAに並ぶトレーラートラック(写真4)   SCALE LANESの看板の手前で停車(写真5)▼

 

 

 

車両メーカーは北米という立地からか、フレートライナー製が3~4割、ケンワースとピータービルトが各2割位か、ボルボも結構見かけた。マックはあまり見かけなかった。色は圧倒的に多いのは白、半分くらいが白色であった。続いて赤や黒っぽいダーク色が1~2割というところ。やはりスリーパー付きの超大型が多かった(写真4)。
メリーランド州に入ったあたりで、ウエイトステーションというのがあって、大型車両は重量のチェックを受けることになる(写真5)。アメリカでも重量規制は厳しく、こういった重量計測所というのが各州の入り口にあるらしい。軸重制限が日本より厳しいのには驚きだ。

続いて西海岸サンフランシスコの米国日通に移る。前述のとおりアメリカの重量制限は総重量で80000ポンド(36t)である。幅は102インチ(約2.6m)以下、長さはカリフォルニア州で75フィート(22.8m)以下であるとのこと。これを超える、いわゆるオーバーサイズ、オーバーウエイトについては、数インチ程度ならいいが、それ以上のものは許可を受けることになる。各郡(州はさらに幾つもの郡に分かれる)へ許可申請することになるが、かなり大きいものは別として通常2~3日で許可になるとの事。但し黄色の回転灯をつけて誘導車を配置して夜間走行となるそうだ。これは日本と同じだが日本では許可になるのに3か月以上かかることもあり、この辺が日本とは異なる。今回の視察中に2回ほど、黄色のランプをつけて走行していた車両に遭遇した。1度目は初日、前述のニューヨーク州のカーボンエクスプレス社を訪ねた際、同社入り口のすぐ手前で追い抜いた。予期してなかった事でうまく撮影できなかったが大きなホイールショベルを積んだトレーラーが誘導車を後部につけて走っていた(写真6.7)。2度目はサンフランシスコの高速道路ですれ違ったトレーラーがやはり黄色の回転灯をつけて走行していた。
▼黄色のランプを点滅しながら走るトレーラートラック(写真6、7)※後ろからついていくのが誘導車らしきもの
   
アメリカという広大な土地柄、ごみなども大して分別してないという印象が強くあり、貨物輸送の規定ももっと緩やかだろうと思っていたが、貨物輸送を取り巻く環境は日本とあまり変わらないと感じた。

ウーバーに乗ってみた。
シリコンバレーから発信して、世界70か国にも広がったウーバーを体験してみた。先ず最初はサンフランシスコの滞在するホテルから有名なゴールデンゲートブリッジまで。サンフランシスコ在住の通訳フェイさんに聞いたところ一般的なタクシーなら20ドル位だと言われたが、スマホで検索してすぐ出てきたのは30ドル。白のゴルフGTIだ。早速これに決めると3分で来るという。そして時間どおりホテル前に来たピカピカの白いゴルフに乗車、とても丁寧な運転と陽気な会話で無事ゴールデンゲートブリッジに到着。車を降りると、スマホに「今日のドライバーの評価をしてくれ」と表示が出たので満点の星5つを送る。そして「チップを払うか?」と来たので2ドルほど払った。タクシー代も含めてこれらは全てスマホで決済、あらかじめ登録したクレジットカードから自動的に引き落とされる。どこをどう通ってきたのかも残る。そして帰り、アメリカへ入って購入したSIMの電波が弱く、別のケータイで手続きをとったりしたので、4~5回ウーバーに問い合わせ状態となったが、その間に検索するたびに違う車両が検索され、価格は18ドル~34ドルと倍も違った。結局28ドルのえんじ色のレクサスにマッチング。2分で来るという。乗車してみると、このドライバーはやけに無口、どうやら英語もあまり話せない中国人みたいだ。行きには通らなかった道を通り、中華街を抜けて無事ホテルに到着。
▼ウーバーの領収証(写真8)

3回目は夜、フィッシャーマンズワーフ近傍からホテルまで、これはヒュンダイの車でドライバーは黒人。ジャズをBGMに結構荒い運転だったが最短距離で到着。評価は標準、チップは2ドルとした(写真8)。
こうやって3回ほど乗った感想は、というと、とても便利だと思ったことだ。タクシーに乗るのに一番気になるのは「いくらかかるか?」だ。途中の道が混んでる場合、迂回すれば早く行けるかもしれないが料金が高くなってしまうのでドライバーも乗客もお互いにそのままでいる場合が多い。でもウーバーなら料金が先に決まっているからドライバーの判断で回り道しても乗客は高く払わなくていい。その結果早く着けばドライバーも乗客も助かる。また、ドライバーにとっては都心のように降りたところですぐ別の乗客をひろえるなら別だが、通常は駅待ちのタクシーなど長い時間待ってワンメーター程度の客を乗せるのは嫌だし、乗客もそんなドライバーを見て嫌な思いをするから乗りたくなくなる。でもウーバーみたいにあらかじめ料金を決めたうえで乗せるなら両者ともにニッコリだ。
目的地に対して常にどこを通っているのかがわかるのも安心。そんな訳でユーザーから見たこのシステムはとってもいいものと感じた。種々の問題やトラブルがあるだろうが、いずれ採用されるシステムだと感じた。世界中で採用されているのもうなずける。
話がそれてしまい、本来の視察目的から外れてしまったようだが、いろんな視点からの報告という事でご容赦願いたい。

 

株式会社篠崎運送倉庫   篠﨑 晃市

シリコンバレーの「SAP」社を視察して

シリコンバレーにおいて数社訪問したが、そのうちの「SAP」社について焦点をあててみたい。(※「SAP」社:本社ドイツでドイツ国内では時価総額NO.1の企業)

米国西海岸のサンフランシスコからシリコンバレーまでは、約60キロであるが、バスでの道のりは特に何もなく、緑は少なく、茶色の小高い山なみで特にこれといった印象はない。そしてシリコンバレーに近づくと日本の楽天などの企業のビル群などが見えてきた。
ご存知のとおりシリコンバレーは特定の行政区でなく、IT(情報技術)企業が集積するサンタクララバレー一帯を指す通称で、半導体の主原料のシリコンに由来している。
また、人材供給源であるスタンフォード大学を起点に南北に延びる複数の幹線道路沿いにハイテクの街が形成されている。グーグル、インテル、フェイスブックなどの世界的企業がこの地から生まれている。
ガイドの話によると現在シリコンバレーはバブル状態で物価が高騰し、ワンルームの家賃は月3,000ドル台(約30万円)がつくこともあるという。
私たちは、今回そのシリコンバレーにおける従業員規模ランキングでは第13位の「SAP」社を訪れた。「SAP」社は主にビジネスソフトウエア開発の大手ソフトウエア会社で売上では筆頭がマイクロソフトであるが「SAP」社は、世界第4位の会社である。

ちなみに従業員数ランキングは、「SAP」社の説明によると以下のとおりとのこと。
1位 グーグル・・・・・・20,000人   2位 アップル・・・・・・19,000人
3位 シスコ・・・・・・・15,800人   4位 インテル・・・・・・10,400人
5位 フェイスブック・・・ 6,800人 ~13位 「SAP」・・・・・・・4,000人
※いずれもシリコンバー内の従業員数
但し13位であるが本社はドイツで、海外勢としては、シリコンバレーではNo.1企業である。
   
早速お話しを聞くと「イノベーション」を創り上げるということである。これまでの常識が変わるほど社会を動かす技術革新や新しい概念を指すことであるが、そのことを「デザインシンキング」により達するという考えだ。「デザインシンキング」とはデザイン=設計=順序立てたプロセスにより本質の問題は何か、それをお客様と一緒に考え解決、創り上げていくということである。
   
「SAP」社では、写真にあるような部屋で技術者たちが、議論を交わしアイディアを元にいろんな模型のような試作品をつくるようだ。難しことのようであるが、誰の心にもそのアイディアあるとのことで、自分も引き出してみたいと思う。
   
結びに今回の米国視察研修に参加させていただき、埼ト協鳥居会長・瀬山団長・関係各位の皆様に深く感謝いたします。ありがとうございました。

 

東栄運輸株式会社 添野 将矢

〇問題意識と結論について
AIをはじめ情報技術の進歩は日に日に速度を増しており、これらの技術を自社でどのように活用するかは企業経営の重要な問題である。我々を取り巻く経営環境は今後も劇的な変化を続けていくだろう。このような中で、「我々は情報技術とどう向き合い、取り組むべきなのか。そして情報技術を有効に使うにあたり、考えるべき点や思考の手順などに関して、何かヒントはないだろうか。」このような問題意識を持ちながら、私は今回の研修に参加した。
先に結論を述べると、今回の研修で明らかになったことは以下の3点である。
1.基礎的な情報技術は我々の業界に大きな影響を与える。情報技術は主体的に学び、活用方法を検討すべき重要な経営課題である(情報技術とは無縁ではいられない)
2.情報技術はそれ自体には価値は無い。情報技術を活かして何を行うか、ということが大切である(アイデアが大切である)
3.アイデアは定められた手順に従うことによって誰でもある程度まで生み出せる(アイデアを生み出す手順が存在する)

上記が本論の結論である。以下、この考えに至った経緯と詳細を概説したい。

1 アメリカの伝統的な産業は新興企業の「情報技術」によって破壊されたのか?

情報技術の脅威について今日多くの話を耳にするが、本当に既存産業にとって脅威なのは情報技術なのだろうか。このことを検討するために、アメリカにおけるタクシー業界崩壊の事例を用いたい。アメリカではUBERの登場によって多くのタクシー会社が破壊された。サンフランシスコではタクシーよりUBERの台数が圧倒的に多かった(9:1でUBERの方が多いように思えた)。現地で伺った話では、「今や全米でタクシーは駆逐されている、技術を知らなければ既存の事業は食べられ(駆逐され)てしまう」と言う。また、UBERの運転手は「今やセキュリティの観点からもUBERの方が安全。TaxiはDanger(危険)だ!」と話す。私はこの事例について現地でヒアリングや実際のサービスを利用しながら、「何故タクシーは駆逐されたのか」を検討した。その結果明らかになったのは、以下の事実である。
「UBERによって編み出された、シェアリングという考え方は決して最先端技術を使ったものではなく、むしろ既存技術の価値をアイデアによって飛躍的に高めただけである」
利用して感じたことは、「別に最新技術を使っているわけではないが、タクシーに比べて非常に利便性が高く、安心感があるサービス」という事である。UBERのメイン技術であるシェアリング機能は以前から存在する事業形態である(未利用資源の有効活用「もったいない」の精神)。また、配車アプリも、GPSを使ったカーナビやGoogleMapと何ら変わらない。ただ、自分(ドライバー)が経路を設定するのではなく、他人(お客様)が外から車のカーナビに経路を送信できるというだけである(経路設定者と閲覧者の分離)。アメリカのタクシー産業は破壊されたが、得体のしれない最先端技術によるものではない。昔からある何かと何かを掛け合わせた「アイデア」に敗れたのである。
こうしたアイデアはIT企業だけのものではない、伝統的な社風を持つ大企業の例として、米国大手の配達事業者UPS(米国郵便局)が挙げられる。UPS社は米国で最も事業所を持つ配達事業者である(「あなたのそばにUPS」をテーマに多店舗展開を基本方針としていた)。しかし上述のUBERの攻勢に直面し、競争回避と成長実現を同時に実現するために、多店舗展開を活かして各店舗に3Dプリンタを設置した。そして店舗間で図面を送信し合い、受信側の店舗で図面を3Dプリントするサービスを展開している。これによりモノを運ぶより早く、目的地にモノを届けることが出来る。モノの輸送は手段であり、目的ではないことに気が付いたことで、新しい宅配サービス(3Dプリンタ事業)を思いついたのだ。UPS社は米国でも非常に伝統的で変わりにくいと言われる企業である。しかし危機に直面して同社は大きく変貌を遂げた。この事例は大変示唆に富む。

2 日本でも技術を用いてアイデアをひねり出せば企業は変われるのか?
調査を続けていくにつれ、日本におけるアイデア創出について、以下の2つの課題が見えてきた。日本企業は、自社の課題を把握しておらず、アイデアの源泉となる「技術」への意識が薄い。アイデアを思いつく、あるいは拾い上げるための社内ルール(仕組み)が不十分。

(1)第一の課題について
現地ガイドによれば、「現地を見に来る輸送・物流業界の中小企業は意外に多い」という「しかし情報技術を上手く使えている企業は多くない」と話す。その理由は、技術面の経営課題を理解していない、そして情報技術に関する知識レベルが最低水準を満たしていないことが原因であるという。
技術を学ぶために、とりあえず既存の要素を組み合わせてみて、何か発想してみるというのも必要である(現地駐員談)。しかし、その為にはその技術が、どのような仕組みで動いているのか情報を収集し、理解できなければならない。そのために何をすべきか現地でヒアリングしたところ、「情報収集源を持つことが大切である。また、AIが動く仕組みくらいは勉強して知っておいて欲しい」(現地ガイド談)と言う。訪問したbox社では、社内に情報サイトを構築し、社員が有益な情報にアクセスできる環境を整え、会社の情報感度を高めていた。

(2)第二の課題について
SAP坪田氏によれば、最先端技術というのは初めは取るに足らない技術に見える。したがって、多くの会社ではその技術を「取るに足らないもの」として見落とす。しかしそこには落とし穴が存在し、多くの大企業がそれに足をすくわれてきたと言う。そういったものを見落とさずに、拾い上げるには何かしらの「仕組み」や「共通ルール」の構築が必要であるという。SAPでは、社内の新規事業開発のプロセスに「デザイン思考」を用いていた。こうした手法を用いるメリットは、発想の手順をある程度共通化することが出来るため、思考の回り道を抑え、社内の生産性向上に寄与することが出来ることである。通常、人の頭は同時にいくつもの事柄を扱えない。デザイン思考では、考えるべきことを各ステップに細分化し、「今は発想する時間」「次は発想したアイデアを具体化する時間」のように区切り、その場にいる全員の考えるベクトルを合わせることが一つのメリットである。

3 まとめ
情報技術は手段であり、業界を変えてきたのはアイデアである。そして、新しいアイデアを思いつき事業化するのは一部の天才に与えられた能力ではなく、ある一定の点までは定められたプロセスや手順がある、ということがわかった(少なくともシリコンバレーではそう考えられている)。
シリコンバレーの企業は、自らが変わり続けることを美徳とし、変わり続けるために各社が編み出した「仕組み」を用いて組織変革を促している。SAPの坪田氏の言葉を借りれば、「これは大企業だから出来るとか、中小企業では出来ないという話ではなく、やろうと思うか否かである」。このような挑戦的な志向を、研修を通じて肌で感じることが出来、大変有意義であった。

グループF(清水・池永・柳原)

平成30年度 未来想像委員会 委員長  清水英次

ニューヨークは、道路整備がされていない。インフラが1920年代のままらしく、区画整理は整っているのに運転はしにくい感じ。二重駐車をはじめとして路上駐車が多く旅客車両や配送事業者は苦戦をしている感じ。クラクションが町中に鳴り響いている。工事もいたるところであり、道路交通機能としては最悪な感じ。東京よりも酷い。
米国人口は増加、輸送需要も増加しているのに対し、供給が不足している。
荷主に対する交渉がうまく行く環境が整っているのに対し、ドライバー不足の現象が起きている。仕組みは違うが、日本と同じ状況を感じる。ドライバーのステータスとしては、3Kに象徴されるように、労働に対しての生活や報酬のバランスの悪さが多くの人から受け入れられていない職業という認識を感じた。
日米のトラック業界は、DHL・UPS・FEDEX等の従業員満足度の高い企業から営業政策や雇用環境改善政策など、給与と労働のバランスの最適化条件を学ぶ必要がある。
労働力不足問題は、政府や荷主企業と共有しているが、最適なバランスについては、トラック事業者との3者間での真の共有が図られていないのが問題ではないかと思う。
環境問題についての認識は、制度上の目標値はあるものの、実態の実施機運は日本よりは薄いと感じる。メーカーの開発依存にしているところは、日本の行政と同じ。
物流事情の違いは、その移動距離の長さに有るといえる。また、ドライバーの雇用体系の違いもあるが、その職業を目指すものが少ないところは、日本と同じワークライフバランスの悪さが浮き出ていると思う。むしろ、アメリカの方が人口増加・移民等の労働人口では羨ましい環境下でも不足しているところを見ると、バランスの悪さはアメリカの方が深刻に見えた。
残念ながら、先進技術、先進的なインフラを導入している物流事業者の視察は適わなかったが、米国でのテクノロジーを駆使した物流効率化へのチャレンジのスピードは、日本を上回っている。
今回、ATAやシリコンバレーIT企業を視察するにあたり、米国経済での産業をまたいで共通するキーワードを感じることができた。
①シェアリング・エコノミー型サービス
②自動運転による輸送の無人化(ドローン・デリバリーロボット・トラックプラトーニング=隊列走行自動運転)
③AI・機械学習による物流の自動化と最適化
事前に講義を受けたことや、メディアに掲載されていた内容(東洋経済オンラインによると)から、日米物流企業だけでなく、世界の産業全体におけるIT化の潮流が、前述の3項目にあることが感じられた。
①については、カーゴマティック社は、荷主とドライバーをリアルタイムでマッチングするサービスを提供しているらしい。BOX社でのUPS社へのコンサルティング事例は、これにあたると思う。日本でも「求貨・求車サイト」をはじめとして、新しいサイトがアプリなどを使って、リアルタイム・モバイル化を図っている。さらに、米国ではアマゾンフレックスというウーバーのような、一般の人に配送を委託するサービスを実施しているらしい。
②においては、ドローンによる荷物の配送、アマゾンのプライムエアーなどの試験が契機となり、Google・DHL・米国セブンイレブン・楽天などの企業がトライアルをしている。日本でも離島を皮切りに、2020年代以降に都市部を含む地域での実用化を目指すロードマップがある。また、スターシップテクノロジーズ社は、オペレーターを通し、監視可能な自動配達ロボットを開発し宅配をテストしている。しかしながら、日本と米国の違いは、こういった実証実験が始まるスピードが米国の方が早く、問題点や実用化までの道のりが違い過ぎる。シリコンバレーSAP社で学んだ、解決すべき問題(超人手不足)へのプロセスにおいて、「早く・安く・たくさん試すこと」が日本には足らないのではないか。
③においては、AIによる作業を増やすために、ディープラーニングや既存データの収集、蓄積が重要であり、ビッグデータからAIが学習し、認識・予測・合理化の計画を行い、最適化を図ることまで行える。経験則に基づいた作業に依存している、倉庫や配車、時間管理など、物流企業・運送事業者には、革新的かつ、最も必要な技術ではないかと思う。自動運転などの国家規模のインフラ整備を必要とする技術革新に対して、内勤者やデスクワークでの省力化は取組み次第では早い段階での転換が予想できる。
カーボンエキスプレス社やLocix社で経験したデータの一元管理、カメラ、センサーでの作業導線のデータ化を駆使していくと、蓄積されたデータをAIに落とし込み、配車でのマッチング作業、車両・人員計画、作業のロボット化、得意先の情報システムとのAPIでの連携を図れば、物量に合わせたスケジュール管理も機械化できる可能性を秘めているように感じた。
物流業界全体での労働環境改善は、国家レベルでのインフラ投資の計画が重要で、ATAの様な政府・議会へ対してのロビー活動など全ト協などへの協力が欠かせないと思う。個別での環境改善としては、自社の作業のデータ化。蓄積を行い来るべき機械化普及の時代には即座に呼応できる準備をすべきだと思う。社会的地位向上やこの業界で働く人を増やすには、ワークライフバランスの最適化を図り、他の産業に引けを取らない環境改善とブランディングをし続けること。現場の機械化よりも、当面は内勤作業(構内作業)や、事務職(配車・請求・経理・労務管理)などの販管費削減への目標をシステムの導入など得意先企業と図り、推し進めることから準備することであると思う。その省力化し、得た利益で来る現場でのインフラのIT化、AI化への投資能力を蓄えておく必要があると思う。

 

株式会社エー・シー・トランスポート   池永 和義

今回の視察では、米国物流産業視察を通しアメリカの運送業の最新動向や、日本では見られない働く時間つくり、そしてEC物流先進国アメリカの取り組みを目の当たりにすることが出来た。また、Uberなど今まで経験したことがないものを体験出来たことは、自分にとってとても刺激的でいい経験が出来た。
   
CARBON EXPRESS社は、ニュージャージー、ワシントンに本社のある液体のバルク運輸を専門としている運送会社である。

最初に、ウエルカムボードでお出迎えしていただき、とても嬉しく感じました。Steve Rush社長から、事業内容、運送の部分についてお話しいただきました。

アメリカには車検がないと思っていたが、年に一度の車検整備、25,000マイルごとに整 備(日本の3ヶ月点検)をしているとの事で、驚きました。やはり、危険物を輸送しているので、ちょっとした車両故障が大惨事を防ぐための危機管理がしっかりしていると感じました。また、長距離のドライバーをしっかり休ませる為に、トラックの寝台で寝かせることをやめ、寝台がないトラックに入れ替え、効率の良い輸送体制に切り替え社員満足度向上にもなっている。
   
労働時間については、8時間運航して30分休み14時間まで運転でき、2週間運行したら、2~3日休んでまた運行できると聞いてビックリしました。日本では293時間から、更に働き方改革により削減されようとしている。もっと、アメリカスタイルをまねてもらいたいと思いました。ドライバーさんの年収も長距離ドライバーで92,000ドル(日本円で約1000万円)、地場輸送で60,000ドル(日本円で660万円)と現在の日本では稼げないモデルである。

離職率も、25%と高いイメージがあるが他の会社であれば100%だという。少しでも、サラリーが高い所にすぐに移ってしまうのが個人責任の強いアメリカっぽい所だと思いました。平均年齢57歳と高目に感じるがカーボン社では79歳のドライバーさんがいる。社長より3つ年上だが、安全運転で事故は無いらしい。素晴らしい!!!
  

ランチまで用意してくれてホットドック、バッファローハンバーガーを調理してくれました。みんなで一緒にランチタイム!!お土産までいただきました。


   

ビジネスモデル体験 Uber(ウーバー)

ウーバーとはアメリカの企業であるウーバー・テクノロジーズが運営する自動車配車ウェブサイトおよび配車アプリである。
特徴としては、一般的なタクシーの配車に加え、一般人が自分の空き時間と自家用車を使って他人を運ぶ仕組みを構築している点で、顧客が運転手を評価すると同時に、運転手も顧客を評価する「相互評価」を実施している。
利用者はウーバーにクレジット番号を登録し、スマホに専用アプリをダウンロードする。タクシーが必要なときはアプリを開いて地図をタップすれば、近くにいるウーバーの契約ドライバーが駆けつけてくれる。料金はアプリで自動的に決算される仕組みである。

≪特徴≫
・乗車位置、目的地を指定(タップ)するだけ
・車両の到着時間もわかる(地図上、逐一到着時間と車の位置が表示される)
・料金は一般的なタクシーよりお得で、事前登録したクレジットで決済
・言葉を話す必要がない

今回、移動の際にウーバーを利用した。
①目的地を入力         ②車種を選択          ③乗車位置を指定
      
④近くのドライバーを探す    ⑤ドライバーが確定し到着時間が表示 ⑥ドライバーの顔もわかり安心。
      
⑦車両の場所と到着時間は逐一更新  ⑧乗車すると目的地までの経路と時間が表示される
      
⑨到着後支払不要(自動決算)、ドライバーが安全運転をしたかなど★1~5で評価する

 

西武通運 柳原 絵里沙

初日に訪問したカーボンエクスプレス社は潤滑油基油や石油製品の輸送では業界のリーダー的存在である。安全が最優先事項だと考え、2009年に寝台車を廃止した。ドライバーはモーテルで休憩をとることで健康への負担を減らせ、寝台分の積載量が増えた。
人口増加している米国でもドライバーの高齢化問題は拭えない。カーボン社の平均年齢は日本(埼玉)と同じ45~46歳であるが、米国は定年制度がないため最高年齢79歳のドライバーがいる。女性ドライバーは1名である。米国の物流業界全体の平均年齢は57歳である。平均年収6~7万ドル(日本円約660~770万円)長距離ドライバー7~9万ドル(日本円約770~990万円)と日本よりも高く感じるが、物価が高いためとても高賃金とは言えない。米国は人口増加しており、雇用者数も増加しているにもかかわらず若い人材が集まらないのは日本と同じように物流業界が他業界より待遇が低いからではないかと考える。
カーボン社は片道4,000マイル(約6,400km)10日間以上かかる運行がある。2週間(1日14時間労働 8時間運転後30分休憩)出勤し3日休みとなるためドライバーの確保が難しい。しかし、大手企業に比べると離職率が低い。カーボン社の離職率が低い理由の1つにドライバーの健康が配慮されていること、家族のような温かみのある会社であることが挙げられる。敷地内には社長がトラックのホイールで手作りした暖炉がある。暖炉のまわりにはガスが通っており、時折、社員とその家族で親睦会が開かれている。

在アメリカ合衆国日本大使館の説明によると、日本と同じく若い人の車離れが顕著である。ただし、生活エリアによっては車がないと生活ができないため、都市部では車離れが、それ以外では1人に1台の社会である。日本の都市部と地方と同じ状況である。
日本よりもカーシェアリングが進んでいる。特に「Uber」が挙げられる。Uberとは登録をした自家用車でタクシー業務をすること。日本の場合、白いナンバープレートの自動車でタクシー業務をすることは法律上禁止されている。私も実際にUberを利用したが、イエロータクシーよりも料金が安く、スマートフォンのアプリから行先を入力しクレジット決済をするため言葉を交わさなくても目的地まで行くことができた。乗車前に行先と料金を決めるため不当な料金を請求される心配がなく、料金メーターの確認が不要である。利用者は乗客の口コミ、5段階評価を見ながらドライバーを選べるため安心である。逆に利用者からの評価があるため、ドライバーは車内の清掃等を怠らない。日本では自家用車での人や物の輸送を禁止しているが、自転車、もしくは125CC以下の原付バイクで配達する「Uber Eats」は都内を中心に日本でも普及している。規制が緩和されれば日本でもUberが普及するのではないか。

今回の米国研修にて、バス移動をしていると舗装されていない道路が多々見受けられた。高速道路、大通りでも道路事情が悪い。ニューヨークでは通り沿いに大きなごみ袋が山積みになり、ソファーやベッドマット等の大型家具も捨てられていた。街並みは綺麗で栄えているが、ごみ袋の山積みが景観を壊していた。ニューヨークでは粗大ごみも無料で可燃ごみと一緒に引取してくれるため、このような状況になると思われるが、イメージしていたニューヨークとは少し違い残念であった

米国日通ニューヨーク引越輸送支店の海外引越は通常期13チーム繁忙期20チーム(1チームドライバー+助手2名)稼働している。弊社(通常8チーム繁忙期15チーム)よりも多い。人手不足の中でも人が集まるのは弊社よりも研修システムが確立されているからだと考える。日本人スタッフが外国人スタッフとともに作業するにあたりユニフォームを着用する、玄関先で靴を脱ぐ、トイレを借りる等の初歩的なマナー教育から始まる。社内には梱包研修スペースがあり、OJT制度で事務、現場が協力して半年間教育する。2か国語のマニュアルがあり、指導も徹底されている。「現場は研修場ではない」という雰囲気が強く感じられた。また、自動外装ラップ巻き機がありぜひ弊社にも導入したい。

埼ト協 交通環境部 瀧澤浩幸

(一社)埼玉県トラック協会 交通環境部 瀧澤浩幸

埼玉県トラック協会は、平成8年の米国視察から22年経過した同国を訪問し、米国の運輸産業の現状と課題、取り巻く経済・労働環境、また第4次産業革命といわれるAI、IOTに関する米国の先進的な開発状況、先進事例等を視察することにより、当トラック協会における経営強化、輸送の安全そして多様な人材確保並びに育成対策としてのあり方を探るものとして、この度の視察研修に参加させていただきました。

【物流事業社関係】

カーボンエクスプレス・・・トレラータンク車(65両)
・不凍液、危険物関係、長距離、労働時間は日本より長い。
・港で荷物を降ろす資格をドライバーが保持。
・ドライバーの1名が全米ト協の教育指導にも当たっている。
・ドライバー平均賃金(7万~9万ドル)※業界は6万ドル。
・車両価格はヘッド(1600万円)・+トレラ(1000万円)
・若い労働力募集中。6か月のトレーニングあり。また若い人とは限らないと思うが、定着率はほぼ定年までとのこと。(※業界平均年齢57歳、カーボン社45歳)
感想・・・経営者はユーモアがあり、また事業者として、協会の教育の従事や給与等含めコンプライアンス及び経営上の観点から、かなり良好な会社と思われた。ただ自動運転については、「トラックは、難しいのではないか?」ということでカーボン社としてはまだ必要としてはいないという意味として感じとれた。

【団体関係】
全米トラック協会・・・約3000会員、支部は全ての州に一つあり、主な活動は、ロビー活動(自動運転、環境問題、立法上の法律の関係)が大きな部分を占める。
・当面の課題・・・ドライバーの労働力不足、向こう10年間予測される輸送量において最低あと10万人が必要。現在のドライバー平均年齢は58歳。一般業種より高齢。2020年に7万5千人必要。そのために人材確保、トラック業界のイメージをよくしたい。※10年前とはトラックの在り方が変わってきている。→政策決定者、メディア、議会関係者へプロのドライバーから話を伝えたい。
・規制等について(ドライバー不足)・・・運転免許取得年齢が現在18~21歳。州から州への運転の跨ぎができるよう法案を提出している。(車両のサイズは関係なし。)その法案提出にあたっては、見習い期間として160時間の実績、280時間の勤務実績や、筆記試験、技能試験、また過去の麻薬などの使用歴等考慮している。
・ロビー活動・・・トランプ政権の予測難しい中では自由貿易を考えている。
・安全担当より自動化について・・・自動運転のトラックは開発される予定。米国では貨物量が増加。そのため今後必須。しかし、労働組合は失業が懸念され難色を示しているが、全米の物流量は増加しており、東西のアメリカ大陸間の長距離輸送のドライバーに対して、家を離れる時間のスパンの緩和もカバーできる。短距離輸送などの宅配品は今まで通り。自動運転の最初の何年間は、補助者が同乗、同乗者はモニターするだけでなく貨物の安全確保、積み下ろしの確認もある。また、自動運転のトラックは、2両が隊列を組んで走行することにより、空気抵抗の低減が燃料費の節減となる。またブレーキの連動システムが求められる。
・環境問題について・・・燃費改善とCO2削減のために2014と2018年に二つの法律を制定。エンジンの効率高める(空気抵抗、タイヤ、オイルの関係)。
・燃料の関係について・・・特定の種類のものは奨励せず物流業者に任せ、自由な選択としている。ゴミ、バス関係はCNGを使用し始めている。今後はEV(電機)か水素の2つに絞られてくるのでは。どちらが良いかは自然に決まってくると思われる。
感想・・・ロビー活動は日本では「陳情」の意味あいが強いが、米国のそれは添付の日経新聞の記事からかなり違うもので、今後協会としてこの活動が求められると感じた。今回ロビー活動の説明いただいた方も法律家の方であった。

【シリコンバレー関係視察】~シリコンバレーの歴史~
サンフランシスコから60キロのところにあるスタンフォード大学では、1920年ごろ卒業しても就職もなく周辺は農地ばかり。これを打開するため理系学部を設け、その教授らが企業誘致に取り組む。最初が1928年ヒューレットパーカー社、1938年がディズニー関係でそこからスタートしてきた。また1970年代、サンフランシスコが「トランジェンダ」発祥の地であり性差別をなくすことなどの考え方も、更にシリコンバレーを発展させてきたひとつかもしれないと感じた。

CTC社・・・スタート・アップ=日本では起業する意味といわれているが、IT関係の起業する方の人的、資金的な支援をする会社。
・AI(人工知能)・・・NVIDEAのCEOは、ソフトウエアでなくAIから作っていく。
・IOT・・・町全体をスマート化しなければならなく、コネクトの段階で故障の余地があるため、期待先行、投資資金が回収できるか?※全てのあらゆる分野の物がつながるのは厳しいという意味かと思います(例えばコネクトカーは既につながり始めているので)。
・アマゾン、グーグルのクラウドを使用した場合、元に戻せない。使用効率の関係から自社で作るほうが効果的な場合もあり。
・物流のソフトは本格的にはこれからで、そのひとつは、これまでの経験を生かして「配車計画」からか。
感想・・・IT関連の総合的な話を聞くことができた。今回IT関係3社を視察し、3社ともセキュリティが非常に重要な部分を占めていることを強調していることが、印象的であった。

SAP社・・・シリコンバレーの中で米国以外の国(ドイツ)で成功した企業の一つで、その成功のヒントを求めSAP社への研修視察者は、年間数千人に達する。従業員数規模では、シリコンバレーの中で第13位。デザインシンキング(思考)の考えもとに経営。
・運送サービスの価格・・・消費者が決めてきた。
・ウーバー・・・乗車履歴によりばれないギリギリのとこで、業者がサービス価格を決める。アマゾンも同様。ウーバータクシーの空きスペース(後ろ)に荷物。
・UPS(ユナイテッド・パーセル・サービス)・・・運送からの脱却・・・印刷代行サービスで3Dプリンターにて製造業を脅かす。※既存事業の破壊的イノベーション(ただし、答えはどちらも経営する。)
・SAPの考え・・・お客様と一緒に解決していく。(本質の問題は何か)
感想・・・デザインシンキングの考えについては、他の書籍で分かりやすいことばを偶然見つけ、「従来の商品開発市場や需要でなく、人間を中心に据えた考え」とあり上記SAP社の考えと合わせると少しわかりやすいかと思いました。

BOX社・・・BOXのコンサルは、道を外れないように修正していく。また、様々なデータを一括管理(お客様の要望に応えカスタマイズとセキュリティで大量のデータ流出しないように)。今までお客様との共有のデータファイルは難しかったが、そのソリューションが可能。色々な会社の支援にあたるが、その会社とBOX社はあくまでも中立で偏らないとのこと。※視察参加の方から身近には、PC写真等の圧縮解凍が無料でできるものを提供(個人に対して)している会社とも聞く。
感想・・・シリコンバレーの各会社を視察してガイドさんの説明では、ここは現在バブル状態でITがいかに世界経済を牽引しているかを感じ取れました。また、農地で何もないところからシリコンバレーが発展してきたことは、「頭脳が街を造る」ということで、今後第4次産業革命を実感できるのは、すぐそこなのでしょうが、そのためにこの職業はなくなるかもしれないなど、複雑な気持ちでもあります。

【高速道路事情】
・目にするものはほとんどが片側4車線。片側6車線もあり(但し3車線目に中央分離帯があった)。
・トラック、バス専用の台貫があり、日本は停車しての計測だが走行中に計測できるというその車線に驚きました。
・シリコンバレーは通勤のための高速バス専用レーンがあり、渋滞を回避。
・今回は貸し切りバスであったが、キャップ付き以外の飲み物等(アイス含む)の持ち込みは禁止(汚れ等は全てドライバーの責任になるため)。
・原則高速料金は無料のようですが、州を跨ぐ時や橋を渡る料金などがあるようでその体系が複雑そうでした。
・大規模パーキングにおいて、大型チェアー式マッサージ機が20台位あり。但し誰もその時は使用してなかった。
・ガソリン価格は現在、日本円でリッター70円ほど。
・トラックバスは全てなぜかボンネット型なのかは、ガイドさんたちも回答できず。
・自動運転は日本でも高速で隊列走行実験行っているくらいなので、米国での高速道路上での自動運転は、結構早いと思われます。

【その他雑感】
米国の各州は競って自動運転の実証実験はわが州へということで、そのことが更に開発を前進させると感じました。ガイドの方からニューヨークは東京より物価が高く、ラーメン一杯が約2千円と聞き驚いた。実際サンフランシスコで視察員の方が食べ、やはり約2千円だったとのこと。また、サンフランシスコでドラッグストアやユニクロなどに入店し、価格調査をしたところ、日本より高いと感じた。但し、ホテル隣の酒屋さんで缶ビール(900ml)を買ったところ3ドルであったのでビールは安い。ちなみにその酒屋では、各種ビールの90パーセントが瓶で売られており、米国として環境に配慮していることがうかがえた。米国では景気が良く、人手が足りない。=(イコール)すべての人へのお金の循環が良いということだと思います。また、少子化にも陥っていないということです。翻って日本は少子高齢化も手伝って人手が足りない、また現在景気が良いといわれているが、一般の方にはその実感がなく、日本企業は万一に備えてかつての円高による製造業の海外生産、最近時のリーマンショックの経験から会社の内部留保を高めているためともいわれておりますが、このあたりの関係は、デフレ脱却と合わせ日本国は、米国に学ぶところがあるかもしれないと感じました。これを脱するにはふと、「デザインシンキング」思考もその解決方法のひとつなのかなとも思った次第です。以上、米国視察研修にあたって鳥居会長、瀬山団長、視察団員並びに未来創造委員会の皆様、そして詳細な企画に携わっていただいた関係各位に感謝しお礼申し上げます。

「第1回セミナー(視察前研修)」

左記のご案内の通り、4月24日に開催した、米国物流視察前の研修です。会員各社にご案内したところ約50名のご参加を頂きました。

第1部として、株式会社日通総合研究所 田坂専務取締役から「米国の物流の歴史と現状」です。
この講演内容が今回の米国物流視察の基礎でした。アメリカでは物流車両の殆どがトレーラーで、そのほとんどがオーナードライバー。トラクターは荷主が所有していることが多く、積送の形態(B2B、B2C、C2C等)によって違いはあるが乗務がドライバーの仕事であり荷物の積載は荷主側でやること等々、詳細にわたってご講演頂きました。
   
2部は、東京日野自動車株式会社 坂井販促リーダーから「トラックの安全技術と今後の方向性について」でした。
日本のメーカーとしてのトラック製造に関わる安全への取組みとして「日野自動車の技術開発前提」をご講演頂きました。
   
第3部は、高度交通省自動車局 佐藤自動車戦略室長から「自動運転に関する国土交通省の取り組み」でした。
現状で国土交通省が想定している自動運転は、自動運転の定義とされている完全自動運転5段階のうち、レベル2(部分運転自動化)~レベル3(条件付き自動運転)であり、その後レベル4程度までを10年程度ゆっくり時間をかけて考えていること等々ご教授頂きました。
   

「第2回セミナー(視察前研修)」

左記のご案内の通り、5月24日に開催した、米国物流視察前の2回目研修です。会員各社にご案内したところ今回も約50名のご参加を頂きました。

第1部は、株式会社デンソーの稲葉様から「AI技術の現状と将来」についてご講演頂きました。
ここから「第4次産業革命(AI・IOT・BIGデータ)」となってくるわけですが、会場は流石に真剣です。
   
第2部は、株式会社ライナロジクス 朴代表取締役から「完全自動配車のロジスティクス」でした。
参加された会社の殆どが「自動配車システム」を利用しておらず、自社に適応できるのか?と興味津々でした。
   

「第3回セミナー(視察後研修)」

左記のご案内の通り、第3回セミナーを10月3日に開催しました、米国物流視察後の最終研修です。会員各社にご案内したところ、今回は約80名を超えるご参加を頂きました。

皆さんご存知でしょう。今回は、グーグルジャパンの元社長&相談役の村上様です。
   
最先端のお話がお伺いできました。米国物流視察に行っていなかったら理解出来な
かったと思います。講演料は少々お高い?ですが、是非お聞きになって見て下さい。
   
この後、視察研修報告会~解団式です。後でもう少し詳しく掲載しますm(__)m。

「視察研修参加者名簿」

No. 支部名   参加者氏名     会社名           所属・役職
01  深谷   瀬山 豪    株式会社 瀬山通       代表取締役
02  朝霞   清水 英次   清水運輸株式会社       代表取締役社長
03  久喜   田口 智一   イズミマトリックス株式会社  代表取締役
04  久喜   古谷 隆之   青翔運輸株式会社       代表取締役
05  北埼   穐山 千寿弥  株式会社 盛運        専務取締役
06  久喜   杉本 直樹   トーエイ物流株式会社     支店長代理
07  戸田蕨  池永 和義   株式会社エー・シー・トランスポート 代表取締役
08  岩槻   添野 和良   東栄運輸株式会社       代表取締役
09  岩槻   添野 将矢   東栄運輸株式会社
10  鴻巣     篠﨑 晃市   株式会社篠崎運送倉庫     代表取締役
11  所沢     石川 稔大   株式会社石川興業運輸     代表取締役
12  所沢     土田 武士   関東冷凍運輸有限会社     部長
13  所沢     直井 咲子   株式会社 韋駄天       部長
14  いるまの   柳原 絵里沙  西武通運株式会社       主任
15  熊谷     野村 文昭   野村陸運株式会社       代表取締役社長
16  行田     坂本 篤子   大和輸送株式会社       取締役
17  深谷     井田 敦    北関東陸運株式会社      代表取締役
18  深谷     井田 雄    北関東陸運株式会社      取締役
19  深谷     塚原 康弘   塚原運送株式会社       取締役業務部長
20         大島 弘明   株式会社日通総合研究所    取締役
21         瀧澤 浩幸   埼玉県トラック協会      交通環境部 部長

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