グループB(石川・土田・直井)

石川 稔大   株式会社石川興業運輸

はじめに、米国物流産業 第4次産業革命等視察研修の募集の案内をもらい研修内容(自動運転等)に非常に関心があるし、アメリカ本土に行った事が無いし、ここ7~8年位海外にも行って無いから行ってみようと思い軽い気持ちで参加しようと思い手を挙げたことが研修のはじまりでした。
米国に研修に行く前に2回トラック総合会館にてセミナーを受けましたが多少理解できる事から全くついて行けない内容もあり、セミナーの回数を重ねる度に米国に行くことが不安になって来ましたがセミナー後に参加される一部の方で食事会を開いてもらい参加される方と懇親が出来少し不安が取り除けました。
今回の視察目的ですがアメリカ合衆国の物流事情と労働者の環境及び物流の自動化、省力化、効率化等に関する視察を通じて、将来の日本の物流業界のあり方を探る。という内容なのですがどうだったかと言われると非常に難しい問題ばかりでした。
物流事情が我が国と全くと言っていいほど違うんだなと感じました、というのも国土の広さ、判ってはいたのですがいざ行くとその違いに驚かされました、もちろんその様な広大な国土面積ですから当然労働者の環境も当然違います走行距離や拘束時間等、やはり日本と訳が違う(スケールがデカい)訳ですが米国に行って驚かされたのは物流の自動化、省力化、効率化においては法規制等の絡みが我が国より進んでいる米国の方が一歩二歩先に行っていると感じました自動運転のトラック輸送等は今回残念ながら見れませんでしたが全米トラック協会に訪問してトラック自動化委員会なるものがあるとの事で将来の自動運転技術を見据えて全米の方が進んでいると感じました、その中で一つ驚いたのが昨今我が国でもドライバー不足の話題がありますが実は米国も我が国ほどでは無いようですがドライバー不足が問題視されているとの事でした、給料面で米国のドライバー賃金は我が国よりは良い賃金でしたが米国の物価は日本に比べて非常に高かったです(例ペットボトルの飲料水が約300円)。
物流業界とは違いますが今回uber(自動車配車ウェブサイトおよび配車アプリ)を使用してみました。行先までの運賃が乗車前に判り迎えに来る車の現在位置やドライバーが表示されるので非常に便利だと実感しました。現在70か国で展開しているとの事で日本も法規制等整えばタクシー業界への脅威だと感じました、また我々運送業界にも一段とドライバー不足を加速させるのかと感じました。
(写真1▼※配車アプリuberにて呼んだ車両)  (写真2▼※車内)
   
今回米国に視察に行きまして何か特別な知識等を習得したかと言われると即答出来ないですが、これからの物流の変化が少し見えた様な気がするとしか言えませんが新たな情報知識はやはり重要だと感じました。トラック総合会館の研修前セミナー等もそうですが米国に行き色々な場所を見学させてもらい色々な知識を入れて前向きに考えをもって仕事をする事を再認識、米国に行く前に日程表をもらった時は1週間長いし研修ばかりだなと思いましたがいざ現地に行くと目新しい、こと、もの、かんがえ、で、あっという間の一週間でした。
今回この様な企画をしていただいた一社埼玉県トラック協会に非常に感謝し一週間一緒に過ごした瀬山団長はじめとする視察団の皆様に感謝しています。皆様大変お世話になりました。次回もこの様な研修があれば是非参画したいと思いました、参加出来て大変良かったです。

 

 

土田 武士   関東冷凍運輸有限会社

・カーボンエクスプレス
ニュージャージー州ウォートンに本社を置く運送会社。米国およびカナダに液体バルク製品を輸送している。主な配送品目は、潤滑油や石油製品。
ニュージャージーからアラスカまでカバーする長距離も行い、長時間の拘束時間になるため、寝台の廃止やモーテルの積極使用などの乗務員確保対策を講じている。
リアルタイムでの車両位置管理や、自動配車など利便性の高いIT活用も随所に使用されている。

・米国日通ムービング
ニューヨーク州ロングアイランドシティに本社を置き、全米27支店で一貫輸送体制による引越業務を行っている。日本品質、日本的サービスレベルを基準にし他社引越会社との差別化をはかっている。
引越業務のほかに、家財お預かりサービスや書庫センターサービスなども対応しており、包括的に業務展開している。

・全米トラック協会
1933年創立、全米でもっとも影響力のある協会の一つ。
法人税減税など政治施策に対して、ホワイトハウス邸内に大型トラックを持ち込み、その成果の報告会を行うなど宣伝活動やロビー活動が盛んであり、トラック業界の主導者であり続けている。
州連合や関係する議員および個人の組織する連盟を通じて、高速道路の安全性や安定利用、環境の保護やトラック業界のさらなる発展などを促進する研究を基にした政策を策定し、提唱している。
協会の専門官は、トラック輸送が経済において果たす重要な役割について政策立案者や一般市民に周知し、道路の安全利用を促進し、業界の環境目標を向上させる責任ある政策を推進している。

・在米日本大使館
日本大使館旧公邸は、1931年10月に創立され、1978年まで大使公邸として使用されていました。旧公邸は、1941年12月、戦争勃発後米国側に接収され、米国極東委員会の使用するところになっていましたが、1952年4月末日、日米交換公文とともに我が方に返還されました。
米国経済等の概況によると、2018年1-3月期の実質GDP成長率は速報で2.2%と設備投資、消費、輸出等がプラスに寄与し、景気は着実に回復が続いている。5月の雇用者数(非農業部門)は、前月から22.3万人増加し、失業率は3.8%と2000年4月に並ぶ低水準である。
先行きについては、着実に回復が続くと見込まれる。
また、市場では6月12-13日のFOMCにおける利上げが確実視されていたが、その予想通り同時期に1.75から2に引き上げが行われている。

・CTC(伊藤忠テクノソリューションズ)
CTCでは、シリコンバレーでお客様と共にビジネスを創出、米国におけるパブリッククラウドの活動動向、AIで進化するサイバーセキュリティ、米国におけるAIの最新動向などを包括的に業務関連させています。また、近年台頭してきている評価額10億ドルを超える『ユニコーン』と呼ばれるハイテク新興企業との戦略的提携を進めています。
現在は、クラウドをはじめ、ソーシャル、モバイル、セキュリティ、ビッグデータ分析、シェアリングエコノミー、FinTech、loT、というテーマを掲げている企業の動向に着目しており、その中には『Uber』や『Airbnb』なども含まれています。

・SAP
1972年 ドイツにSystemanalyse und Programmentwicklung (システム分析とプログラム開発)を設立。1976年 社名をSAPに変更。
SAPの主な製品は、ERP(企業資源計画)に代表されるビジネスアプリケーション群であり、企業における会計システム、物流システム、販売システム、人事システムなどからなっており、それぞれがデータ的に一元化されているため、リアルタイムな分析が可能となっている。
近年では、異業種を含めた他社との協業を強化し、新たな領域での事業創出に注力している。
提携先は、apple、google、IBM、Microsoft、などのIT企業のほか、アンダーアーマー、UPSなどである。

・BOX
BOXは2005年の創業以来、セキュアな環境でのアイデアの共有、コラボレーション、業務の迅速化をより簡単に行えるようにしてきました。
現在、4100万以上のユーザー、74000以上の企業(Fortune500の59%を含む)が、クラウドでのコンテンツ・マネジメント・プラットフォームとしてBOXを選んでいます。
お客様の心に風を吹かせよう、リスクをとろう、早めに失敗しよう、10倍にしよう、オーナーになろう、ここはあなたの会社なのだから、日々、主体的に働きましょう、誠実にそして世の中をよくするよう心掛けを、お母さんを誇らしくしてあげよう(自慢の子どもになろう)。

カーボンエクスプレスは今回の研修旅行でいった唯一の実運送会社であり、実際のアメリカントラックはかなりの大きさであった。乗務員の就労状況や運送貨物法規、道路の路面状況やタイヤの摩耗率など実際の米国の貨物事情に触れられた貴重な体験であった。
近隣国ではあるが、他国間配送や同国内ではあるがアラスカまでの約6200キロもの長距離輸送などの配送内容はやはりアメリカのサイズスケールを感じさせるものであった。
また、そのなかでリアルタイムでの運行管理や自動配車の活用対応は、日本の主要企業の導入しているものに引けを取らず企業規模感的にかなり進んでいると考えられ、運賃環境などの優遇が一因と考えられる。と同時に、賃金などの面でかなり恵まれていると考えられる内容でも本格的な人員不足が始まっていることを考えると日本の物流事情もけっして他山の石ではないと考えられる。

全米トラック協会は、組織体系等詳しい内容については未確認の部分が多く、簡単に日本の同協会とは比較できないが、個々のトラック従事者やトラック企業の経済界内パワーバランスだと思われるが、組織としての結束力と強い影響力をもち、政治において大きな影響力を与えていると考えられる。また、ロビー活動なども大変盛んであり、それが今日の米国内トラック企業とトラック従事者の地位向上につながっていることは容易に想像できる。

在米日本大使館は、当然ながらこういった機会でないと裏側までお招きいただけることはないので、その貴重な体験に感謝したい。内容としてはやはりトランプ大統領を筆頭に強いアメリカを作り上げるという意気込み通りのアメリカ経済内容になっている。
国内経済では、利上げを年三回と予想したり、歴史的に低水準である失業率などかなり景況感はよくなってきているが、対外的な部分では、米中貿易摩擦が発展し、500億ドル相当の中国製品に関税を課したり鉄鋼、アルミ製品の関税を引き上げたりし結果、中国側も30憶ドル相当の米産品や豚肉、アルミ製品に対し追加関税など米中貿易戦争の様相を呈している。

CTCについては、通信インフラ系企業からクラウドサービス、ITセキュリティ、スタートアップ企業バックアップと企業内分社していったイメージで、主に説明を受けたのはスタートアップ企業バックアップである。

資金力のないスタートアップ企業にエンジェル企業との橋渡しをするだけでなく、法務、労務、経理などの専門スタッフの派遣も行っており、また戦略的提携という懐柔策兼技術転用策など今のシリコンバレーのホットワードであるコラボレーションの名のもとにかなり柔軟な企業姿勢をとっている。

SAPは、ドイツの古い体質の会社であったが、日本と似た境遇の国同士で全く違った発展を見せた企業だと感じた。正しくは、CTCなどがそうなろうという方向性なのかもしれないが、かたやシリコンバレーで就職ランキング上位企業とかたやシリコンバレーでウィンドショッパーとありがたくもない名称いただいた国の企業として現在の境遇の差には我々として考えさせられる部分は多分にある。内容にしても名だたるシリコンバレー企業とコラボレーションしているだけあって、話せる中でかなり最新のものであったと感じられた。

特にダイナミックプライシングである。例示としては、Uberは依頼者によって全く同じ運行内容であっても価格の差異が発生する、アマゾンブックスは値札のない本屋であるが購入者によって価格が前後する、アマゾンフレッシュはたとえばオレンジの価格を購入者ごとに値付けられるように分析が行われているということである。これが意味することは、価格決定権は元来購入者にあったものだが、今後その主導は提供者に移るのではないかという話なのだが、正しくはAIを駆使したプログラミングシステムにもっとも最適化された価格を人類が提示されるというと言い過ぎだろうか。
AI技術の導入により、特定サイトのクリック回数などで個別の広告表示の変化やアマゾンの購入履歴における全くの未知商品の提示などビッグデータ解析は部分的実用の段階までは進んできている。

BOX社は、自分の知らない会社で使っていないクラウドアプリケーションであったが、その企業規模はシリコンバレーでも随一で世界的にもよく知られたソフトであった。どのデバイスからでもアクセスでき時間と場所選ばず、過失訂正の表示確認も可能であり、可視非可視の設定ができ、クラウド上のセキュリティもかなり高いシステムになっており、名だたる企業や官庁、学校法人で採用されている。

今回このような貴重な機会をいただきました関係者の皆様には大変感謝しております。今後ともよろしくお願いいたします。

 

 

豊島梱包運輸株式会社 部長 直井咲子

アメリカはITの最先端
・はじめに
この度、米国物流産業・第4次産業革命等視察研修を企画して頂いた関係者みなさまと、献身的なリードで研修を成功させてくれた株式会社日通総合研究所の大島様、そして私たちをまとめてくださった瀬山団長、未来想造委員会清水委員長に心より感謝申し上げます。日本では経験できない多くの学びと、参加者みなさまとの交流も貴重な財産となりました。
・物流視察
ニュー・ジャージー洲にある液体のバルク輸送業界のリーダー的存在である『CARBON EXPRESS』へ視察に行った。ドライバー平均年齢45歳。(業界平均年齢は57歳、ちなみに弊社は42.8歳)
積載率を向上させるためにトレーラーヘッドの寝台を外した。それに伴い、ドライバーたちはモーテルで休息することになった。その結果、労働環境が良くなり、ドライバーからも高評価だそうだ。
この話を聞いて、日本にも寝台をなくした大型トラックがあることを思い出した。寝台を外すことによって10%荷物が多く積めるトラックだ。66立米積める=『ロングロクロク』と名付けられた。日本も最先端を追っている。
アメリカはコンボイが主流だ。車両を購入する際、キャブとエンジンをそれぞれオーダーするためボンネットの部分が大きく、エンジンがのせやすい形状になっているのだ。
タイヤはブリジストン、ミシュランが人気だ。アメリカは長距離輸送が主流のため、タイヤのみぞが深く、日本のタイヤの1.5倍は走るとのこと。
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・シリコンバレーのリードするイノベーション
私たち視察団は、シリコンバレーにあるドイツの老舗IT企業『SAP』へ訪問。
平均年齢は24歳だそう。
日本とドイツの共通点は多い。高齢化が進み真面目で完璧主義者が多い。『重い既存事業をどう変革していくのか』をテーマに『デザイン思考』と『両利き経営』を学んだ。
今求められているのは両利き経営だ。
『SAP』はドイツの既存事業を変革するために新規事業をシリコンバレーで始めた。社長が既存事業を担当し、会長が新規事業を担当し大成功をおさめた。新規事業を起こしながら既存事業をどうやって守るのか。それをひも解く。

シリコンバレーでは、日系企業のプライオリティは低いそう。なぜなら、視察に来て学んでも、行動を起こさないからだと述べた。
同じ方向を向いて、同じステップで、同じスピード感で仕事をしていくためのイノベーションを起こすために『SAP』がフレームワークとして取り入れたのが『デザイン思考』だ。
そのプロセスが『EMPATHIZE顧客への共感』『DEFINE問題を定義』『IDEATEアイデア創出』『PROTOTYPE試作』『TEST検証』
できるだけ多くのアイデアを出し、試作と検証を繰り返す。簡単に試作できる専用の部屋もあり充実した環境である。
さらに目についたのは、壁にポストイットがたくさん貼ってあったこと。その場で思いついたことを貼れるようになっている。いくつものアイデアをメモしておくことでアイデア同士がつながって新しいアイデアが生まれるそう。あとは情報を『結果と原因』『目的と手段』などの視点で倫理展開させる。
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運送業界に不足している人材採用・育成や、ミレニアム世代の確保、モチベーションマネジメントもひも解けるだろう。その『しくみ』をやるかやらないかは自分次第だ。

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