カテゴリー: 米国物流視察(研修編)

「米国運輸産業並びに第4次産業革命等視察研修」


「米国運輸産業並びに第4次産業革命等視察研修」

STA一般社団法人埼玉県トラック協会
2018年度未来想造委員会

 

              

                                                  「視察研修報告 目 次 (リンクしています)」

 

     01 「視察前後研修&アメリカ視察日程」    13 「グループA(田口・古谷・杉本)」

     02 「会長挨拶」               14 「グループB(石川・土田・直井)」

     03 「総括報告」               15 「グループC(井田・塚原・井田)」

     04 「視察報告(関東地区大会)」       16 「グループD(野村・坂本・穐山)」

     05 「CARBON EXPRESS INC」         17 「グループE(添野・篠崎・添野)」

     06 「全米トラック協会(ATA)」        18 「グループF(清水・池永・柳原)」

     07 「在アメリカ合衆国日本大使館」        19 「埼ト協 交通環境部 瀧澤浩幸」 

     08 「CTC AMERIKA」&「LOCIX」        20 「第1回セミナー(視察前研修)」

     09 「SAP」                                 21 「第2回セミナー(視察前研修)」 

     10 「APPLE VISTOR CENTER」          22 「第3回セミナー(視察後研修)」

     11 「box」                   23 「視察研修報告会&解団式」

               12 「日通(サンフランシスコ)」                                    24 「視察研修参加者名簿」

「視察前後研修&アメリカ視察日程」

「セミナー(視察前研修)」
04/24(火)・・・海外物流事情・先端IT物流セミナーVOL.1
05/24(木)・・・海外物流事情・先端IT物流セミナーVOL.2

「米国運輸産業並びに第4次産業革命等視察研修」
06/10(日)・・・成田発16:50(NH010)~ニューヨーク着16:35
06/11(月)・・・ニューヨーク物流視察「CARBON EXPRESS INC」「日通ニューヨーク」
06/12(火)・・・ワシントンDCへ移動&視察「全米トラック協会」「在米日本大使館」
06/13(水)・・・ワシントンDC発15:50(UA560)~サンフランシスコ着18:45
06/14(木)・・・シリコンバレー視察「CTC AMERIKA」「LOCIX」「SAP」「APPLE VISTOR CENTER」
06/15(金)・・・シリコンバレー視察「box」、サンフランシスコ物流視察「日通サンフランシスコ」
06/16(土)・・・サンフランシスコ発12:20(NH007)~06/17(日)成田着15:20

「セミナー(視察後研修)」
10/03(木)・・・海外物流事情・先端IT物流セミナーVOL.3

「会長挨拶」

米国運輸産業並びに第4次産業革命等の視察について

一般社団法人埼玉県トラック協会
会  長   鳥 居 伸 雄

 日本国内では「一億総活躍社会」を実現するため、非正規雇用労働者や長時間労働の是正など、労働制限の抜本的な改革を目的とした「働き方改革関連法案」が成立し、「生産性革命」に沿った施策、取り組みが次々と展開されるなか、トラック業界としても積極的に対応している所でありますが、現状では解決すべき課題が山積している状況であります。

 当協会では、トラック業界における輸送の安全確保への対策、多様な人材確保・育成への対応など、時代に即応した様々な課題への取り組みを実施しております。

 こうした課題への対応において、グローバル化した産業構造のもとでの、諸外国に関する知識の集積や関係者との交流は、我が国運輸産業の今後の発展にとって重要な要素として捉えており、これに鑑み当協会では平成8年のアメリカ合衆国視察研修以降、時々の課題に対応した諸外国の視察研修を過去4回実施して参りました。

 今回、アメリカ合衆国視察から22年を経過した同国を再び訪問し、アメリカ合衆国の運輸産業の現状、取り巻く経済・労働環境の状況、並びに第4次産業革命といわれるAI(人工知能)やIoTに関するアメリカ合衆国の先進的な開発状況、先進事例等を視察してまいりました。

 現地では物流企業を訪れ、米国内の状況等を意見交換する事により日本国内で抱える労働時間、賃金並びに法律による企業での課題を日本の業界と比較する事ができました。

 更には在米国日本大使館の駐在員との意見交換を行い、直接米国のトラック運送業界の実態を視察する事により、次世代を担う参加者にとっては大変に貴重な体験となり、また、第4次産業革命においては、労働人口が減少する中で、生産性を上げるためには、デジタルイノベーションを推進する事が重要であり、今後の協会運営に大いに役立つものと確信しております。

 今般、参加者それぞれが感じた事や学んだ内容等の報告書がまとまりましたので、ご参考にしていただければ幸いです。

「総括報告」

米国運輸産業並びに第4次産業革命等視察研修 を終えて

未来創造委員会
担当副会長(視察団団長) 瀬山  豪
委員長          清水 英次

 

訪問先企業並びに組織・団体は、物流企業として「カーボンエクスプレス」「日通ニューヨーク」「日通サンフランシスコ」の3ヶ所、組織及び団体として「全米トラック協会」「在アメリカ日本大使館」の2ヶ所、AI・IOT企業として「CTCアメリカ」「LOCIX」「SAP」「box」「APPLE VISTOR CENTER」の5ヶ所です。
当初視察先には皆様もよくご存じの「OTTOオットー」「WAYMOウェイモ」「NVIDIAエヌビディア」「Tesiaテスラ」も含まれておりましたが、自動運転による人身事故等が発生した関係でかないませんでした。

★はじめに、皆さんが気になる「自動運転」・「電気自動車」について感じたことを報告します。

・「自動運転」については、米国内でも運輸関係会社そのものからすると「まだまだ先のことで我々には関係ない」という感じでした。
ところが在アメリカ日本大使館では、それぞれの州が自動運転実験用に街を提供する申請をしており、自動運転による事故の賠償責任の当事者(誰や何が悪いのか)等の法規的根拠が決定すれば「近い将来にはエリア限定で自動化されるだろう」という見解でした。発生した事故の賠償責任問題が訴訟になっていましたが、現在は各社のオートパイロットシステム設計が大きく改善され、今後は車側の過失がなくなる可能性もあるそうです。
これについての昨年以前の状況については、国土交通省の「第4回自動車運転における損害賠償責任に関する研究会」の資料2「海外における動向について(平成29年9月27日)」というレポートでまとめられていますので、ご確認いただければと思います。
自動運転というと日本では高速道路の追従運転レベル(国土交通省が考える完全自動運転のレベル3)の話ですが、トラック輸送についてはともかく、現実にはローカルモーターズが開発した「電動小型バスOlli(オリー)」は、特定エリアで運行しています。シリコンバレーで伺ったところ、自動運転になることによって街中の車の双方確認が可能になり、信号さえもなくなり且つ事故もなくなるというという話でしたから、日本と欧米ではステージそのものの次元が違うようです。

・「電気自動車」について日本は、2030年までに新車販売台数の50~70%を「次世代自動車(EV・HV・PHV)」にする目標を掲げています。世界的にはBEV(バッテリを動力源とする電気自動車)に舵が切られています。アメリカでもカリフォルニアでBEVの普及を促進する規制がしかれたことから考えても、今後全ての乗用車がEVになると思います。
トラックについては、アメリカの2社(テスラ・ナイトラー)が、来年には製造開始(既に注文を受けている)とのことです。トラックの主要車両が電気自動車(テスラ)になるか水素燃料電池(ナイトラー)になるか、あるいは別の形態の電気自動車トラックになるかもしれませんが、EV開発やシェアリング対応ができないメーカーは、なくなってしまう可能性が高いと感じました。

★続いて、アメリカにおける物流事情(トラック)と労働環境についいてです。アメリカのトラックによる物流は、州を跨ぐ物流とエリア内の物流とに分けられますが、ここでは州を跨ぐ物流について報告します。

・本年(2018年)4月1日から、州を跨ぐ物流(長距離)の運行に関する時間的規制が厳格化しました。1日の運転時間は11時間、実運転時間8時間で30分の休憩、1日で14時間を超える就労は違反、これに伴う運行日数は2週間運行後に3日の休暇を取る必要があるそうです。トレーラートラックの95%が個人所有、その車両の全てに電子ログ記録装置(ELD:Electric Logging Device)の取付けが義務化され、インターネット回線で統括管理されています。仕事の多くは請負先からの配車であり、違反が4回を超えた場合、請負先に車両停止命令の連絡がいくそうです。多くの車両を会社そのものが管理運行する日本とは全く違います。

・重量管理についても高速道路には、区間ごとに台貫車線(Weight Station)が設置されており、トラック及びバスは台貫車線通行時に重量オーバーが確認されるとその場で停止という合理的なものでした。

・視察した運送会社(バルク車専門・68台保有)は、見た目アナログ的な趣きの会社でしたが、業務については一括クラウド管理されており、詳細な質問をするとPCもしくはスマートホンで確認し即答してくれました。配車についても自動配車システムを採用しており、そこから各車両に運行指示を出していました。これについては在アメリカ大使館でも自動配車システムソフトの良し悪しは別として、ほとんどの会社がPCネットでのクラウド管理をしているとのことでした。

・ドライバーの年収は、州を跨ぐ運行(長距離)で900万円程ということでしたから、就労時間及び物価から比較すると日本より若干高い程度のようです。米国月例経済報告によると、3%程度の経済成長が継続しており、景気は非常に好調(詳細は記載しませんが)。失業率は5月時点で3.8%、ドライバーに限らず人手不足なのですが、本年4月の時間的規制の厳格化以降、収入の歩留まりがはっきりしたためでしょうかドライバーの離職率が高まっているそうです。

・アメリカは先進諸国の中で唯一人口増加国(出生率のほうが高い)です。しかし現在のドライバーの平均年齢は57歳で日本と比較しても高齢化が顕著です。今後10年間で10万人のドライバーが必要(不足するという言い方はしていなかった)で、ドライバー以外にも75,000人の車両整備技術者が必要だそうです。

・商慣習や考え方については、職種に対しての執着がなく儲からなければ撤退するという考えの人が主流で、1980年の規制緩和で一時的に業者数は増加したものの、それに伴う価格競争の影響により、元請会社・請負会社とも多くが統廃合したそうです。規制緩和によって業者数が増加したままの日本とは全く違います。日本では、自動車事故が大きくクローズアップされ、伴って車両製造整備や就労環境までも報道されたり調査の対象になったりしますが、アメリカではトラック車両についての事故がクローズアップされることはほとんどないそうです。また、車両整備やタイヤについては、基準が違うのか?規制のせいか?詳細については分りかねましたが、コストが大きく違うことが印象的でした。例としてタイヤですが、価格は日本の通常の大型タイヤと変わりませんが3年もつそうです。

★続いて「第四次産業革命」についてです。

・四次産業革命は、あらゆるものがネットワークにつながり(IOT)、膨大なさまざまな情報を収集し、人口知能(AI)が解析、そのビックデータを活用し、機械やシステム等を制御していくこと等による産業動向の変化を言います。経産省では、第四次産業革命で、経営や商品企画の分野で136万人、製造・調達分野で262万人、管理部門で145万人が仕事を失う試算されています。また、自動運転をはじめとAIによる自動化はさまざまなコストの削減だけでなく、労働人口問題への解決策としても注目を集めています。これについては内閣府の日本経済2016-2017」をご覧になれば詳細にわたって記載されています。

・今回の視察を通じて我々は、「第四次産業革命」とは、IOT、ビックデータ、AIを利用して生まれるイノベーション(もしくはイノベーションによってIOT、ビックデータ、AIを活用すること)による新たな産業構造だと確信しました。※イノベーションとは、物事の・新結合・新機軸・新しい切り口・新しい捉え方・新しい活用法を創造する行為です。経営を軸にいいかえると効率性を追求するためのイノベーションと、創造性を追求するためのイノベーションがあり、これは、既存の枠組みを破壊するという行為そのものです。 我々が今取組んでいる様々な形態の3PL(提案型の運輸・管理の変化)事業も効率性を追求するためのイノベーションと言えます。しかし後述した創造性を追求するためのイノベーションは、ともすれば我々の「運ぶ」という行為すらも飲み込んでしまうことすらあることを知っておいたほうがいいと思います。

・アメリカでは、イノベーションを起こすスタートアップ企業(ベンチャーIT企業など)を支えるベンチャーキャピタル(※資金だけでなく、営業、法律、財務などベンチャーの不足な知見に全て対応する)の殆ど(約400社)がシリコンバレーにあります。今回視察させていただいたCTC(伊藤忠テクノソリューション株式会社)もそのひとつです。年間に500社を調査し、実際に面会して詳しく話を聞くのが200社、その内100社程度を日本の本社もしくはお客様に紹介し、今期5社と新たなパートナーシップ契約したそうです。「デジタルトランスフォーメーション(※ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させるという概念)」で、IT利用による業務プロセスの強化や、ITによる業務の置き換え、ITと業務へとシームレス化できるベンチャー事業(スタートアップ)を支援しています。現在のキーワードは「シェアリングエコノミー(世の中に余っているモノや人、スペースなどを、必要としている人に貸し出す形のビジネス)」だそうです。

・また視察先の「SAP」は、大企業向けのソフトウェア市場においては圧倒的なシェア(企業の基幹システムであるERP(人物金の情報を一元管理し経営支援する)分野においては世界一)の会社です。同社は2004年から、「デザイン・シンキング(思考)」を企業文化として導入しあらゆる分野で様々なイノベーション事業を起こしました。売上高は3.2兆円で2004年の2.5倍、純資産額14兆円(ドイツ最大)、フォーチュン500にランキングされる企業の87%がSAPの顧客だそうです。
ご説明いただいたところ「デザイン・シンキング(思考)」は、「共感」をキーワードに潜在的なニーズを掘り起こし、さまざまなプロトタイピング(試作段階からユーザーにご利用いただきユーザー要望を反映させながらシステムを繰返し開発する)を通じて課題とソリューション(解決する方法)を検証する手法で、初期のコンピューターもiPodやWiiなどもデザイン思考で生まれたと言われており、イノベーションを起こすプロセスだそうです。SAPは製品やサービスを提供する側が一方的なソリューションをユーザーに押し付けがちになるこの手法を、ユーザーと一緒にニーズを深掘りし、ソリューションを継続するという形式にしたことによって今日の成長を遂げました。現在では「デザイン・シンキング」の総本山と言われています。SAPの「デザイン思考」は、先ず品質よりもスピード重視、品質は繰り返しにより向上するという考え方で進めており、結果この分野に置いて日本人はマイノリティーだと日本人に言われたことはショックでした。

★ここで有名なイノベーション企業について触れさせていただきます。

・タクシー業界の「Uber」や、民泊業界の「Airbnb」等がこれにあたります。Uberの自動車配車ウェブサイトおよび配車アプリは、現在は70カ国450都市以上で展開しています。在米アメリカ大使館でお伺いしたところ、職員100名のうちタクシーを利用している人は1名だそうです。なぜタクシー利用なのかと質問したところ帰ってきた答えは「使わないとタクシーがなくなってしまうから」ということですから、いかに凄いかがわかります。

・また、Airbnbは宿泊施設や民泊施設を貸し出す人向けのサイトでスタートしましたが、現在では体験そのものも商品として取り扱っている世界最大の民泊情報サイトで、バケーションレンタル業界という言葉さえ生まれました。日本でホテルの予約がインターネットで行われるようになったのがここ10年、現在85%がインターネットによる予約だそうです。このAirbnb(HomeAway含む)によって生まれた新機軸は、既存のインターネット予約事業までも飲み込もうとしています。

・前記のどちらもが「シェアリングエコノミー」ということになります。そしてこのどちらにも「ダイナミックプライシング」が採用されており、需要と供給の状況やお客様のニーズに応じて価格を変動させているのです。今は子供のころからスマホを使いアプリを利用している訳で、ユーザーと貸主を直結させ且つ利便性の高いものが、世界を席巻していくというのは当たり前のことです。視察先内容ではありませんが、「中国版Uber」のライドシェアサービスも同様で、こちらも白タク行為ですが、中国人を中心としたインバウンドの利用はかなり多いようです。
もちろん「Uber」を禁止している国や都市はあります。一部を除いて日本がそうですし、都市で言えばニューデリー、ソウル、リオ・デ・ジャネイロも禁止されています。それでも、これだけ世界を席巻し潤沢な資金を市場調達できる「Uber」や「Airbnb」やこれからも生まれるだろう多くのイノベーションに無縁でいることを継続できるとは思えません。日本においても、近く大きな動きがあると考えるのが自然です。

★ここで我々に近いところでの事例を言うと

・前述した「Uber」ではウーバーラッシュやウーバーイーツという個人向けの配送サービスを始めました。これに最も打撃をうけたのが米国大手の「UPS」だそうです。その後「UPS」がイノベーションし、輸送のオンデマンドサービスを開始しました。「運ばない物流(3Dプリントのビジネスモデル)」の構築です。「UPS」は現在3Dプリンターを世界一所有する会社になりました。(※ローカルモーターズ社は、世界初の3Dプリントによるクルマを製作した会社(製造時間44時間)です。前述の「電動小型バスOlli(オリー)」も3Dプリントで製造されているのですから)これは輸送そのものの形態を変えるイノベーションということになります。

★ここまで説明したように、イノベーションを誘発(運用)する形態(会社)はいくつか種類があります。CTC等のベンチャーキャピタルのように初期の「スタートアップのイノベーション」をフォローし展開するものや、SAPのように顧客や自社の疑問・要望・発案を自社の中でイノベーションとして具現化していくもの、また一般から発案を探し自社の中でイノベーションさせていくもの等々です。ここで一般の発案を発案者とともにイノベーションする企業のPR映像がありましたので紹介します。実はこの内容はシリコンバレーで我々が研修させていただいた内容によく似ていますので、これを見ることによって本報告では解りづらかったことが伝わるかと思います。

・創造的破壊はもはやスタートアップ企業だけのものではない(IBM イノベーション・ガレージ)

★今回の視察を通して、これまでのモノや仕組みなどに対して全く新しい技術や考え方を取り入れ新たな価値を生み出し、社会的に大きな変化を起こすイノベーションは、常に急激な変化(新たな収益構造)を求めています。これは技術の発明や化学の進歩とは一線を隔する内容で、日本では社会構造的に受け入れがたい感覚と、若干ではありますが乗り遅れると大変なことになるという恐怖感を感じました。
私はゴルフ事業にも係っていますが、10年ほど前からゴルフ場はネットでの予約件数が急増し、現在では予約の約85%が予約検索サイトからです。これはITイノベーションによりできた収益略奪構造です。結果価格競争を生み、毎年30ヶ所程閉鎖もしくは業種転換という状況です。この状況に対応すべく各ゴルフ場が予約検索サイトの枠数を減らしたり、もしくは予約検索サイトを利用しない運営(プラットホーム)を模索しています。
運輸や倉庫を事業の根幹とする我々は、既存の体制や流れの効率化というイノベーションには取組んでいます。しかし創造的(破壊的)イノベーションに対しての準備が必要かもしれないのに、国内の既存の法令等によって守られているからか「気が付いてもいない」と感じたのも事実です。
しかしながら2015年国連で採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」は、イノベーションに直結し加速させ、さらなるイノベーションを誘発させています。我々に必要なことは、急速に変化する時代の先端思考を見失うことなく、そのプラットホーム(落着き先)を見定めて変化していけることのようです。

★今回の「米国運輸産業並びに第4次産業革命等視察研修」を経て、私自身が大変勉強になりました。そして今回の研修を通じて参加いただいた皆様の間に強固なネットワークが構築されつつあることも事実で、それは必ずや参加者相互の有益性に繋がると確信しております。結びにあたり、この研修の発案者である埼玉県トラック協会鳥居会長に、そして本研修のアシストを頂きました日通総研大島取締役に感謝申し上げ報告といたします。ありがとうございました。

追伸:「米国運輸産業並びに第4次産業革命等視察研修」は、事前研修2回・米国出張研修8日間・事後研修1回で構成しました。本報告書は、米国出張研修8日間で強く感じたことを取りまとめました。事前事後研修・米国出張8日間の各視察先での研修詳細についてはふれておりません。

「視察報告(関東地区大会)」

米国運輸産業並びに第4次産業革命等視察研修 」を終えて

 

未来創造委員会
担当副会長(視察団団長) 瀬山  豪
委員長          清水 英次

 

一般社団法人埼玉県トラック協会

 

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視察先は、物流企業として「カーボンエクスプレス」「日通ニューヨーク」「日通サンフランシスコ」
  
組織及び団体で、「全米トラック協会」「在アメリカ日本大使館」
 

 

AI・IOT企業は、「CTCアメリカ」「LOCIX」「SAP」
  
「box」「APPLE VISTOR CENTER」 計10ヶ所
 

 

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先ずは「自動運転」についてです。 運送会社は、

「まだまだ先のことで我々には関係ない」

・ところが日本大使館では、

「各州が、自動運転実験用に街の提供を申請しています。」

※自動運転による事故の賠償責任の当事者が誰になるか(誰が悪いのか)の法規的根拠が決定すれば、

「近い将来にはエリア限定で自動化される。」

現実に特定エリアでは、下記等の無人バスの運行はされています。

「ローカルモーターズ」の「電動小型バスOlli(オリー)」

日本では、「高速道路の追従運転レベルまでの話」が、シリコンバレーでは、
「街中の車の双方確認が可能=信号がなくなる=事故がなくなる」
ですから、日本とアメリカでは、ステージそのものの次元が違います。

自動運転で発生した事故の賠償責任問題が訴訟になっていましたが、日本大使館やATAでは、

「各社のオートパイロットシステム設計が大きく改善され、
アメリカでは今後は車側の過失がなくなる可能性がある。」

参考:国土交通省「第4回自動車運転における損害賠償責任に関する研究会(平成29年9月)」

 

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★「電気自動車」は、乗用車については日本と同様、

「今後全ての乗用車はEVになる」

・トラックについては、日本が少し遅れているでしょうか、

「アメリカの2社(テスラ・ナイトラー)は、来年には製造開始」

※トラックの主要車両が電気自動車(テスラ)になるか水素燃料電池(ナイトラー)になるか、あるいは別の電気トラックになるか、いずれにしてもATAでは、今後も各社の開発に協力していくということでした。

「EV開発やシェアリング対応ができないメーカーはなくなる」

 

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★アメリカにおける物流事情(トラック)と労働環境

・本年4月1日から、

「州を跨ぐ物流(長距離)の運行に関する時間的規制が厳格化」

※1日の運転時間は11時間、実運転時間8時間で30分の休憩、1日で14時間を超える就労は違反、
運行日数は2週間運行後に3日の休暇。※ちなみに日本では就労違反にあたるレベルです。

・アメリカのトレーラートラックの95%が個人所有(オーナードライバー)その全車両に

「電子ログ記録装置(ELD)取付け義務化 & ネット回線で統括管理」

※違反が4回を超えると、車両停止命令。各社が運行管理業務に縛られている日本とは全く違います。

・高速道路には

「区間ごとに台貫車線(Weight Station)が設置」

※トラック及びバスは台貫車線通行時に重量オーバーが確認されるとその場で停止です。
   

・ほぼすべての運送会社が、

「業務・総務・情報等はクラウドによる一元管理 & 自動配車システム」

※カーボンエクスプレス社、バルク車専門、68台(136台)保有、見た目アナログですが、視察団の細かすぎる質問にも、担当部長がスマホで確認して即答してくれました。
   

・ドライバー年収は、就労時間及び物価から比較すると日本より若干高い程度。

「州を跨ぐ運行(長距離)で900万円程度」

・米国は3%の経済成長を継続しており、景気は非常に好調、失業率は5月時点で3.8%、ドライバーに限らず人手不足。

「ドライバーの平均年齢57歳で高齢化が顕著」

「今後10年間で100,000人のドライバーが不足

※本年4月の時間的規制の厳格化以降、収入の歩留まりがはっきりしたためドライバーの離職率が高まった

・商慣習や考え方は、

「職種に対しての執着がなく儲からなければ撤退するが主流」

※1980年の規制緩和で会社の多くが統廃合。規制緩和で業者数が増加したままの日本とは全く違う。
※就労&運行違反はオーナー乗務員自身、自動車事故等や管理体制問題に起因する、調査等がありえない。
   
※車両整備等については、基準が違うのか?規制のせいか?コストが大きく違う。例:タイヤ(価格は同じですが3年もつ)

 

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★「第四次産業革命」とは、

「あらゆるものがネットワークにつながり(IOT)、膨大なさまざまな
情報を収集、その情報を人口知能(AI)が解析し、そのビックデータを
活用し、機械やシステム等を制御していくことによる産業動向の変化」

※経産省では、第四次産業革命で、経営・商品企画・製造・調達・管理部門で543万人が仕事を失うと試算。
※内閣府では、AIによる自動化はさまざまなコストの削減だけでなく、労働人口問題の解決策として注目
参考:「内閣府の日本経済2016-2017 第4次産業革命のインパクト」

 

・今回の視察を通じて我々は、第四次産業革命とは、新たな産業構造だと確信しました。

「AI、IOT、ビックデータを利用して生まれるイノベーション」
=「既存の枠組みを破壊する行為そのもの」


※イノベーションとは、物事の・新結合・新機軸・新しい活用法を創造する行為です。

イノベーションには効率性を追求するためのものと、創造性を追求するためのものがあります。
我々が今取組んでいる様々な形態の3PL事業も効率性を追求するためのイノベーションです。

しかし後述した創造性を追求するためのイノベーションは、ともすれば我々の「運ぶ」という行為すらも飲み込んでしまうことすらあることを知っておいたほうがいいと思います。

 

トレンドは、「デジタルトランスフォーメーション」

現在のキーワードは、「シェアリングエコノミー」

・ベンチャーキャピタル※の殆ど(400社)がシリコンバレー。
※ベンチャーキャピタルとは、イノベーションを起こすスタートアップ企業(ベンチャーIT企業など)を資金だけでなく、営業、法律、財務など、不足な知見の全てを支援する会社で、CTC(伊藤忠テクノソリューション株式会社)もそのひとつ。

デジタルトランスフォーメーションとは、ITの浸透が人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させるという概念で、IT利用による業務プロセスの強化や、業務の置き換え、ITと業務のシームレス化できるスタートアップを支援。
※シェアリングエコノミーとは、世の中に余っているモノや人、スペースなどを、必要としている人に貸し出す形のビジネス

 

「デザイン・シンキングは、イノベーションを起こすプロセス」

・「SAP」は、2004年から「デザイン・シンキング※」を導入し、あらゆる分野で様々なイノベーション事業を起こしました。売上高は3.2兆円で2004年の2.5倍、純資産額14兆円(ドイツ最大)、現在「デザイン・シンキング」の総本山。
   
※デザインシンキングとは、潜在的ニーズを掘り起こし、プロトタイピング(試作段階からユーザーに利用いただきユーザー要望を反映させながらシステムを繰返し開発する)を通じて課題とソリューション(解決する方法)を検証する手法
初期のPCやiPodやWiiなどもデザイン・シンキング
で生まれた。

 

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★有名なイノベーション企業
   
・先ずはタクシー業界の「Uber」、Uberの自動車配車ウェブサイトおよび配車アプリは、現在は70カ国450都市以上。
在米アメリカ大使館でお伺いしたところ、職員100名のうちタクシーを利用している人は1名だそうです。なぜタクシー利用なのかの質問に帰ってきた答えは「使わないとタクシーがなくなってしまうから」ですから、いかに凄いかがわかります。
・続いて民泊業界の「Airbnb」、現在では体験そのものも商品として取り扱っている世界最大の民泊情報サイトです。
バケーションレンタル業界という言葉さえ生まれました。日本でホテルの予約がインターネットで行われるようになったのがここ10年、現在85%がインターネット予約です。
このAirbnbによって生まれた新機軸は、「既存のインターネット予約事業までも飲み込もうとしています。」

 

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★ここで我々に近いところでの事例を言うと

・前述した「Uber」ではウーバーラッシュやウーバーイーツという個人向けの配送サービスを始めました。これに最も打撃をうけたのが米国大手の「UPS」。その後「UPS」が、輸送のオンデマンドサービスを開始しました。

「運ばない物流(3Dプリントのビジネスモデル)にイノベーション」

「UPS」は現在3Dプリンターを世界一所有する会社になりました。※前述のローカルモーターズ社「電動小型バスOlli(オリー)」も3Dプリント製造(製造時間44時間)。これは輸送そのものの形態を変えるイノベーションなのです。

 

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★イノベーション企業の多くが、資金を市場もしくはベンチャーキャピタルから調達します。初期の収益に関わらずその評価額によって資金力が極端に潤沢であることが特徴です。UPSでさえ大きな打撃を受けたのです。「OTTO」は「Uber」に飲み込まれました。因みに「Uber」「Airbnb」はユニコーン(評価額10億ドル以上)です。世界の金融動向から考えても、おそらく「この形態の起業」や「イノベーション」が主流になります。日銀は7月31日、金利上昇の容認を決定しました。これは、金利抑制の弊害を無視できなくなった(金利は上昇局面を迎える)ということです。

「資産担保型で資金調達する業界は飲み込まれる」

・これまで説明したイノベーションを誘発(運用)する形態(会社)には、いくつか種類があります。

・CTC等のベンチャーキャピタルのように初期の「スタートアップのイノベーション」をフォローし展開するもの
・SAPのように顧客や自社の疑問・要望・発案を自社の中でイノベーションとして具現化していくもの
・また一般から発案を探し自社の中でイノベーションさせていくもの

ここで、イノベーションを募集し、共にデザイン・シンキングする企業のPR映像がありましたのでご覧ください。これはシリコンバレーで我々が研修した内容によく似ていますので、本報告では解りづらかったことが伝わると思います。

 

・創造的破壊はもはやスタートアップ企業だけのものではない(IBM イノベーション・ガレージ)

「AI・IOTに関わる企業の全てが、イノベーションを模索し、それに投資しようとしています。」
「我々に有益なものもあれば、我々を飲み込んでしまうものもあるということを知って下さい。」

 

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★今回の視察を通して、これまでのモノや仕組みなどに対して全く新しい技術や考え方を取り入れ新たな価値を生み出し、社会的に大きな変化を起こすイノベーションは、常に急激な変化(新たな収益構造)を求めています。これは技術の発明や化学の進歩とは一線を隔する内容で、日本では社会構造的に受け入れがたい感覚と、若干ではありますが乗り遅れると大変なことになるという恐怖感を感じました。
運輸や倉庫を事業の根幹とする我々は、既存の体制や流れの効率化というイノベーションには取組んでいます。しかし

「創造的(破壊的)イノベーションに対しての準備が必要」

かもしれないのに、国内の既存の法令等によって守られているからか「気が付いてもいない」と感じたのも事実です。

2015年国連で採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」や、最近耳にする「ディープラーニング」は、今以上にイノベーションを誘発させそうです。我々に必要なことは、急速に変化する時代の先端思考を見失うことなく、そのプラットホーム(落着き先)を見定めて変化していけることです。

 

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★今回の「米国運輸産業並びに第4次産業革命等視察研修」を経て、我々自身が大変勉強になりました。そして今回の研修を通じて参加いただいた皆様の間に強固なネットワークが構築されつつあることも事実で、それは必ずや参加者相互の有益性に繋がると確信しております。

★「米国運輸産業並びに第4次産業革命等視察研修」は、事前研修2回・米国出張研修8日間・事後研修1回で構成しました。今回の報告は、米国出張研修8日間で強く感じたことをのみです。事前事後研修・米国出張8日間の各視察先での研修詳細についてはふれておりません。10月3日の事後研修以降すべての研修詳細を「(一社)埼玉県トラック協会HP」に公表リンクいたします。ご興味があればご確認頂ければと思います。

★結びにあたり、この研修の発案者である埼玉県トラック協会「鳥居会長」に、そして本研修のアシストを頂きました日通総研「大島取締役」に感謝申し上げますとともに、ご参会の皆様のご健勝並びに各企業のご発展をご祈念申し上げ、報告といたします。

 

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ご清聴ありがとうございました。

 

「CARBON EXPRESS INC」

こちらが「CARBON EXPRESS INC」、やはり「DRIVERS WANTED」
   
社長と部長に丁寧に対応いただきました。スーツの方は通訳さんです。
   
やっぱり、コンボイはでかいですね、みんな興味津々で眺めてます。
   
バルク車を65台保有と言ってました、130台保有ということですかね。
   
トレーラーには、ベースフレームがありません&タイヤはこの大きさです。
   
車検はありませんが、点検規制はあるようで、全て自社で行っています。
   
取引伝票以外、運行&業務は全PC管理、質問にはなんでも即答でしたよ。
   
配車も自動配車システム・・・、でも何をみんなで相談しているのか?。
   

1983年に設立した、ニュージャージ、ワートンに本社のある液体のバルク運輸を専門とした運輸会社。潤滑油基油や他の石油製品の運送では業界のリーダー的存在で、安全を一番のプライオリティーと位置付け、2009年には全ての車両から、寝室兼用運転台(SleeperCab)を排除。社内でも議論となったとのことだが、モーテルでドライバーに休息を取らせることにより、ドライバー、路上での一般への安全性が確保された。

先方からのプレゼン

・保有車両台数は65台(トレーラシャーシを除く)。米国の運送事業者の平均保有台数は約40台。
・当社の運行では、例えばアラスカまで片道4,000マイル以上、片道で10日間かかる長距離運行がある。
・1960~70年代には長距離運行のドライバーは、ほとんどモーテルに泊まっていたが、2010年に、ベッドスペースのあるスリーパートラックは全てベッドレスに代替えし、ドライバーはモーテルで宿泊するように変更した。理由は2つ。1つは積載量を増やすため、2つめはドライバーの労働条件改善のため。
・ドライバーの賃金は、平均6~7万ドル、長距離ドライバーで平均7~9万ドル程度。
・当社のドライバーの最高給は、9,200ドル。日本の2倍近い水準である。一運行が約2週間のドライバーのケースで、運行後2~3日休日をとるパターン。1日の労働時間が約14時間、うち約11時間が運転時間。休憩時間は8時間の後に30分。
・このような運行は、ドライバーの確保が難しい状況となっている。
・車検は、1年、2年、5年ごとにあり、通った証拠としてステッカーが貼られる。自社でのトラクタのメンテナンスは2万5千マイル毎に、トレーラは3ヵ月に1回実施している。
・車両は20~30年使用している。自社整備しており、適切に整備すれば長く使える。
・このタンクトレーラの積載容量は7,000ガロン。アメリカではタンク内は横に仕切っている。日本の場合は縦の仕切りと聞いている。日本のように縦のほうが横揺れと縦揺れの違いで安全だと思う。おそらく製造コスト優先とのことからと思われる。
・一般的なバン型トレーラの全長は53フィートだが、タンクトレーラは重量がかさむため全長は42フィートでこれが平均的な長さ。長さの規制は州による例外があると思うが、政府によって決められているはず。
・最大積載量は80,000ポンド(36,320㎏)とのこと。高速道路や州によって重量が異なるケースがある。
・当社のドライバーの一人は、ATA(全米トラック協会)のキャプテンを務めている。
・ATAでは、学校などに出向き免許取得前の人達に、安全運転の指導を行っている。例えば55マイルのスピードからの制動距離がどのくらい必要か、83,000ポンドの重量だと60フィートはかかるなど。またトラックの死角の指導も。
・当社は、2016年にトラックの安全性を非常に高めたということで表彰された。
・当社では、全車両をリアルタイムでトラッキング(追跡)している。
・配車は、コンピュータにて重量等を加味した計画を立てている。

視察団からの質問

Q.使用しているタイヤは。使用距離は?
A.日本と異なる雪道でもOKな溝の深いもの。35万マイル(約50万㎞)程度まで持つ。年間走行距離が約12万マイルなので3年程度持つ。最も持ちがよいのはブリジストンとミシュラン。また、スーパーシングルというワイドタイヤも使用しているが、これはそんなに持たない。
Q.トラクタの新車価格は?
A.約13万1千ドル(約1,400万円)。
Q.危険物輸送に必要な資格は?
A.全てのドライバーが危険物輸送の資格(試験で取得)と、港湾での積み降ろしに必要な身分証明の資格(申請のみで取得)を持っている。これらの資格は、一般的にはドライバー負担で取得するが、当社では会社負担で取得させている。
Q.ドライバーの定着は?
A.当社の場合は非常に長く働いてくれるドライバーが多く、ターンオーバーは少ない。
Q.初任ドライバーの教育研修と、その後のサポートは?
A.当社では約4年前から、21歳からの若いドライバーを雇うようにした。トレーニングは6か月程度。
Q.AIや自動運転についての考えは?
A.自動運転によってトラックドライバーが不要になる(リプレイする)ことまでんはならないと思う。
Q.ドライバーの平均年齢と離職率は?
A.当社では平均45歳。業界全体では57歳と聞く。高齢化は大きな問題である。大手のトラック会社では離職率はほぼ100%。当社は低い。

 

Aグループ報告(田口・古谷・杉本)

   
1 訪問先企業による説明概要
・ニューヨーク郊外の1983年設立の液体輸送に特化した会社で2016年に全米トラック協会から表彰受けている。
・2009年にSleeperCabを無くして休息にモーテルを利用。
・アメリカでもドライバー不足である。
・教育研修として6ヶ月で、ドライバーの平均年齢は45歳で女性1名、業界平均は57歳。
・保有車両は66台(トレーラーシャーシを除く)年間1000万ドルの保険を保険料33万ドルで加入している。
・平均給与は6万ドルから7万ドル位で長距離の稼ぐ人で9万2千ドルになる。
・2週間の運行で3万ドルの運賃になり、1日約14時間拘束で約11時間運転の8時間で30分の休憩し、運行後23日の休日になります。
・ドライバーの離職率は年25%で大手のトラック会社はほぼ100%。
・危険物免許有り(3082 環境に問題が出るものを運んでいる)
・スーパーシングルタイヤは良くない。(ワイドタイヤ)
   
2 説明を聞いて感じたこと
・乗務員の年収が60,000~70,000ドルというのは、現在為替を仮に105円/1ドルを基準として±15%とすると、90円/1ドルであれば、540~630万円、115円/1ドルであれば、690~805万円ということになる。物価の水準と現実の就労時間からすると日本とあまり変わらないというのが感想である。但し長距離乗務の場合、最高で920,000ドルということなので、828~1,058万円ということになるが、これは日本ではありえない金額である。
・SleeperCabを無くしてモーテル利用の理由が建前と違って積載量を増やす為だったが、結果としてドライバー満足が向上しているのは長距離輸送をする会社には参考になるのではないでしょうか。(アメリカでも車中泊を出来る場所が無くなってきている)ただ、モーテル利用の休息について日本における標準貨物運送約款には、下記のように、貨物に対し一定の監視義務があります。
(責任と挙証)第39条 当店は、自己又は使用人その他の運送のために使用した者が貨物の受取、引渡し、保管及び運送に関し注意を怠らなかったことを証明しない限り、貨物の滅失、き損又は延着について損害賠償の責任を負います。
各地のサービスエリアやトラックステーションに駐車していたとしても、貨物看護は必要です。一定のセキュリティー状態で監視義務を果たしているという状態が通説化すれば日本でも、長距離輸送時には大いに参考になろうかと思います。
・少なくとも自社より進んでいるIT利用
★インタビュー中、保険料を聞かれた際に、スマホを利用して確認をしていた。もちろん見るだけなら技術的には充分に対応できるレベルであると思うが意思決定まで進んでいるのかどうか。また日本でも最近は各車両に燃費情報なども出てくるがドライバーが持つスマホから、整備情報、燃費情報、配車情報などにアクセスさせることで社内間の連絡業務などは、充分に効率化できる余地があると感じた。
★事務所内での配車画面は(少ししか確認できなかったが)、自社より進んでいると感じた。液体輸送という特徴もあろうが、荷主・車種・仕向地などのマスター管理を充実させ配車マンの頭の中にある情報を可視化しているレベルではないか?。将来AIに配車業務を学習実行させるには先ずペーパーレスの実現と過去データの整理が重要と感じた。
・ブリヂストンのM726という見たことのタイヤを履いていたが、35万マイル(約50万㎞)程度までもち、年間走行距離が約12万マイルなので3年程度もつ。パターン、硬さ、溝の深さの違いと交通事情等の違いは有ると思うが、かなりもち雪道もOKなので日本に導入されないのは何故だろう。
3 その他
林の中に事務所が有り、素敵な環境でした。

 

Fグループ報告(清水・池永・柳原)

ニュージャージーはニューヨークに隣接しており、さながら東京に隣接する埼玉の様。そこにある当該企業は、長距離主体の危険物輸送で、平均的な米国でのドライバー給与では高額の部類。しかしながら、既存乗務員の高齢化と新規での入職者は不足している状況。
自社の管理下にある広域に存在する車両と貨物のマッチングを一元管理したモニター上で配車している。管理費用を合理化し、車両の構造変更による積載量の向上等で効率を上げ利益率を確保する傍らで、人員が高齢化していく既存乗務員への配慮をしたモーテル等での仮眠を推奨し、結果的に安全や健康に配慮した環境改善が出来て、乗務員の満足度向上を図ることに成功していた。
雇用制度は違うが、労働力不足を解消する手段と会社の永続的な経営のバランスを図る点で、利益確保=賃金確保、環境改善=定着率・雇用継続率向上は、現在の日本のトラック業界にも必要な経営方法であると言える。

「全米トラック協会(ATA)」

こちらがAYA(全米トラック協会)、快く迎えていただきました。
   
業界に有益な法案変更に関する陳情が、最も重要な仕事のようで、
   
この日も会長は不在でしたが、副会長から丁寧にご説明頂きました。
   
大人数なのにお土産までのお気遣い恐縮です、有難うございました。

 

ワシントンにある全米トラック協会を表敬訪問。事業の適正な運営と健全な発展を促進し、公共の福祉に寄与している協会団体の活動内容や、業界の社会的・経済的地位の向上を目的としている団体の方針などを伺い、相互交流。

先方からのプレゼン

①ロビー活動、PR活動について
・全米トラック協会(ATA)の会員数は3,000社。
・主な役割は、議会に対するロビー活動。会員企業の利益を代表して業界に対するよりよい経営環境を目指し、運輸省や環境省等に対して働きかけを実施している。
・業界の現在の最大の課題は労働者の不足。ドライバーや技術者が不足していること。予測では、今後の10年間で10万人のドライバーを更が必要。ドライバーは平均58歳と高齢化が顕著。ドライバー以外にも75,000人の車両整備等の技術者が必要としている。
・ATAでは人材確保のために、トラック運送業界を「クールでかっこいい」業界としてPRを実施中。車線逸脱機能をはじめとする安全関係や自動化の技術の導入により以前とは異なる環境となりつつあることもPRしている。
・PR活動においては、プロのドライバーをスポークスマンとして活用し、例えばホワイトハウスにトラック2台を持ち込んでのPRなど、行政の政策決定者や議会関係者、メディアの意識を変えるべく取り組みを実施中である。
・今後影響が及ぶとみられる規制として、ドライバー不足に対応する法案が。アメリカの規制は、トラックの大きさだけではなく、州内輸送と州際輸送で連邦の年齢規制がある。例えば、現在は、18~21歳のドライバーは、州際輸送(州をまたがる輸送)はできず、高校卒業後すぐできるにドライバー業務が限られるため、他の産業で働いてからトラックドライバーにならざるを得ない。これをできるようにする法案があげられており、若いドライバーの活動範囲を広げることができるようにしようと。
・また、2016年に制定された規則として、ドライバー希望者に対して初期訓練を義務付けることとなったが、これも運転手の不足に影響を及ぼす規制とみている。また別の法案では、18~21歳のドライバーは、熟練ドライバーの添乗を義務付けたり、見習い期間には120時間の勤務時間をこなすこと、そのうちの80時間の添乗指導を行うなどを求めるものもある。

②トラックの自動化について
・米国では、貨物が増加傾向なのに対し、ドライバーが不足しているため、効率的な輸送に向け自動運転トラックの開発が進められている。ATAではトラック自動化委員会を設置し、伝統的なトラックメーカーのみならず新しい技術開発企業にも対応している。
・ただし、労働組合は、自動化によってドライバーの失業を懸念しているが、自動運転は、例えば西海岸と東海岸をつなぐ長距離運転をカバーするもので、短距離運転などは引き続きドライバーが行うとして説得している。
・トラックの自動運転は、まずは無人ではなく、乗り込むドライバーが自走式トラックのモニターを監視し、貨物の安全確保や貨物の積卸を確認する役割は果たすことになる。なお、自動運転トラックは購入費がかなりかかるが、一方でコスト削減になるというビジネスモデルを構築していかなければならない状況にある。
・また、プラツーニング(2両が連なっての走行)により、2両目の空気抵抗が削減されることのメリットを求め、1両目のブレーキングが2両目も働く技術を開発中である。

③燃料関係について
・過去30年間、トラックの排ガスに規制が実施されてきた。特に排ガス規制の中で対象となっているのが、微粒子とオゾン系。その規制に対応してきてほぼゼロに近くなったが、さらに厳しくするのは難しい状況に立たされている。
・温室規制ガスの排出を規制するための燃費規制も2014年に規定。段階的に21%の燃費アップを求めるもの。エンジンの効率アップ、その他の効率アップ(例、空気抵抗やタイヤ、オイルの改善など)に主に車両メーカーの対応内容であった。
・2018年に導入された燃費と温室効果ガスの規制は、2027年までの段階的導入。エンジンを中心とした規制で25%改善。運送会社では、新たな車両や適当なタイヤ等を企業で選択しながら導入することで対応することになる。
・ATAでは、燃料については、特定の燃料をプッシュすることはせず、トラック事業者の自由な選択に任せている。現在の中心はディーゼルの使用。ごみ回収車やバスなどは天然ガスの使用が増えている。今後新しい燃料が提供される見通しである。
・主な新しい燃料は、①電気自動車トラック(テスラが開発)、②水素燃料電池(ナイトラーが開発、2019年に本格実験、市場導入の見通し)。この2つの燃料技術はATAも支援しており、どちらが優れているか、その後の市場において決まると思われる。

※質疑応答はなし

 

Aグループ報告(田口・古谷・杉本)

ワントンにあるATA(全米トラック協会)を訪問。協会の役割は、各州のトラック協会の取りまとめ、政府に対するロビー活動など、日本の全日本トラック協会とほぼ同様の役割となっています。
アメリカにおいても日本同様に労働力不足が一番の課題となっており、今後十年間での貨物量に対し、約十万人の労働力が必要とされているそうです。人材確保のためにトラックドライバーのイメージを上げる努力を行っており、トラックドライバー自らメディア等にアピールしているとのことでした。
また、ホワイトハウスにトラックを持ち込み、業界全体のイメージアップの活動を実施したそうです。労働力不足の対策として、様々な規制について緩和する活動も行っており、一例として18歳~21歳のドライバーでは、州をまたいでの運行は禁止となっていますが、この法案を撤廃する方向で動いています。ドライバー不足、輸送量の増加に対し、自動運転の推進、技術開発も進んでおり長距離輸送の補助的役割を担うことに期待されています。
アメリカにおけるトラックのエネルギーについては、日本同様に軽油が主流であり、排出粒子とオゾン層対策として排ガス規制を実施、30年間で一定の成果をあげています。また、燃費向上に対し、各メーカーにエンジンやタイヤの性能改善を要請しているとのことでした。
ATAを訪問し感じたことは、アメリカにおいてもドライバー不足が日本同様に深刻な課題であること、ドライバーの平均年齢が上昇していることが今後どう対応して行くかということが共通の課題であること感じました。

 

Bグループ報告(石川・土田・直井)

全米トラック協会は、アメリカン・トレード・アソシエーション(ATA)。全ての洲にトラック協会があり、それらをまとめている。トラック輸送業界の雇用創出、教育、その他、議会に対するロビー活動をはじめ、法律等に関して行政に働きかけを行っている。また、隣接する他国にも配送をしているため、これらの国による規制や関税、入国管理の条件があり、各輸送会社への国境を越える輸送活動のためにも働きかけている。トランプ大統領が掲げる『米国第一』主義に乗っ取り、海外からの輸入に頼らず自国で生産できるものは自国の為に使い、経済を活性化させることに貢献している。
・エネルギー環境関連活動
トラックは、主にガソリンとディーゼルを使用しているが、今後は電気車輌や水素燃料電池、天然ガスを使用し環境保全に取り組もうとしている。導入に関してはそれぞれの運送会社が選択権を持っている。
・各州の法律
アメリカの法律はドライバー不足に影響を及ぼしている。18歳から21歳は洲をまたいでの車両運転が禁止されているため、すぐにドライバーとして働くことができない。ドライバー不足を解消するために、現在新たな法案が出されている。
・トラックの自動運転
アメリカではトラックの交通事故が多いので自動化技術は安全面でメリットがあり、運転手の助けとなるだろう。そして昨今貨物輸送需要が上昇しており、貨物輸送・物流は10年間で約10万人のドライバーが必要とされているため、自動運転技術は労働者不足も解決できるだろう。しかしアメリカの労働組合は、ドライバーの仕事がなくなる、と反対をしている。それに対しATAは、モニターしながら貨物チェックしたり運転したりと、見ながらが続くため、ドライバーの仕事はなくならない、と反論している。

アメリカはエネルギー政策の観点で天然ガス生産量世界1位。シェールガス開発に成功し、環境保全政策は前進し続けている。天然ガス車は大気汚染物質や温暖化ガスを排出しにくいという利点があり期待が大きい。だが、日本国内での注目度は極めて小さい。パリ協定の掲げる『産業革命前と比して世界の平均温度の上昇を約2℃より十分下方に抑制する』という長期目標の達成に向けCO2抑制に配慮する必要がある。
日本は、原油の80%を中東地域に依存している。地政学的リスクも高く、価格が不安定な傾向にある。天然ガス自動車の普及を改めて強化するタイミングである。そして、自動運転の隊列走行により空気抵抗を減らし燃費改善、事故削減、ドライバー不足改善を目指したい。

「在アメリカ合衆国日本大使館」

待合室には高級ソファー?、これから厳重チェックを受け・・・・
   
ようやく入館、写真は撮りませんでしたが、実はOKだったようです。

 

日本大使館旧公邸は,昭和6年(1931年)10月に設立され,昭和53年まで大使公邸として使用されていました。当時流行していたネオ・ジョージアンスタイルの建物です。旧公邸は昭和16年(1941年)12月,戦争勃発後米国側に接収され,米国極東委員会の使用するところとなっていましたが,昭和27年(1952年)4月末日,日米交換公文の接受とともに我が方に返還されました。本建物は,昭和48年(1973年),米国内務省国立公園局よりワシントンDCにおける史跡保存建物の指定を受けています。

先方からのプレゼン

【アメリカの経済情勢等近況について】
・連邦経済は、非常に好調。米国月例経済報告では、3%程度の成長が継続しており、着実に景気回復が続いている。失業率は、リーマンショック時に約10%と高かったが、その後経済成長とともに順調に下がり、トランプ政権による減税等の効果もあり、5月時点で3.8%という歴史的な低さとなった。完全雇用に近く、人手不足の状況となっている。
・好調な経済と低失業率の背景には、企業部門も家計部門とも好調であること。製造業や工業の生産額は2016年までの低水準から2017年から確実に拡大している。設備の稼働率も右肩上がりである。さらに家計消費も右肩上がり。総じて米国経済は非常に活発であり、物流の需要も伸びている。
・1990年頃にはアメリカの貿易赤字の大半は日本であったが、2017年時点では約半分が対中国の赤字であり、次いでメキシコ、日本等となっている。したがって、日米関係では、日本との貿易赤字の解消が現政権の強い姿勢である。

視察団からの質問

Q.先に訪問した運送事業者では、潤滑油関係や製油の輸送が主業務であるが、1台当りの売上高や賃金が、日本と比べて1.6倍程度高いとのことであった。アメリカでは、ドライバーの社会的地位や給料水準はどのような位置づけか。
A.社会的地位は、日本とそれほど相違はないと思う。賃金は、荷主に転嫁できることや人手不足であるため、日本より多少良いのではないか。特にトラックドライバーが高給取りということではない。適切に収受した運賃を賃金に回せているという話を聞く。経済状況がよく、物流もそれに連動している。なお、アメリカの為替レートが日本と比べて高いが、一方でアメリカのほうが物価も高く、それに見合った賃金水準であるとみるべきである。
Q.日本と異なるCDL(コマーシャル・ドライバーズ・ライセンス)もあるドライバーのステイタスはどうか。
A.日本との違いを感じるとしたら、1人1車のオーナードライバーが認められており、輸送距離が長い事業形態のドライバーが存在することなどである。
Q.長距離運転の場合、1日の運転時間が8時間で30分の休憩、1日の上限時間が14.5時間。それで2週間運行し3日の休日後、また運行という実態があると聞いた。これがアメリカの就業規制なのか、日本では違反となる。
A.アメリカの労働規制は詳しくないが、規制はあると思う。電子ログ(運行記録)導入の可否について議論があり、正確に記録され管理されることへの懸念の意見もあると聞く。
Q.アマゾンでドローンを使って配送するトライアルを始めたと聞くが、進捗状況はどうか。
A.この実験の話題を2年前に聞いたが、その後実用化の話はまだ聞かない。米国運輸省でもドローン輸送はまだ実験段階である。
Q.スターシップ・テクノロジーズのデリバリーロボット(自動ロボットによる配達)が2017年7月にバージニア州で規制が認められたと聞いたが、他の州への普及は。
A.聞いたことがない。ただし、自動運転の公道実験の実施は各州が競っている。自動運転は、死亡事故の発生により一時動きが止まっているが、各州で交通ルールが異なるため、なるべく自分の州で実験をやってもらいたいとの動きである。
Q.自動運転による事故に対する世論の反応は?
A.死亡事故により自動運転を多少見直す必要があるのではという声はあるものの、それが社会的に大きな制約になって開発を中止するまでの話にはなっていない。
Q.交通事故は大きな騒ぎ、話題にあることがあるのか。
A.もちろん交通事故はあるが、車の事故では何十人もの死傷者にはならず、大きな騒ぎになることはあまりない。大きく報道されることも少ない。どちらかというと度々発生する鉄道事故のほうが話題になる。
Q.アメリカでもクルマ離れはあるのか。
A.若い人のクルマ離れは日本と同じような状況。日本よりもシェアリングエコノミーが進んでおり、ウーバーやリフトなどがタクシー代わりに使えるため、クルマを持たない志向は日本以上に進んでいる。ただし生活エリアによってはクルマがないと生活が出来ないため、都市部ではクルマ離れが、それ以外では1人に1台の社会である。
Q.アメリカでは少子高齢化であるのか。
A.出生率が低下していないことと移民の増加が主要因で人口はまだ増えており、先進国では珍しく今後も増え続けると予測される国の一つである。
Q.アメリカではトラック運送事業への監査はあるのか。違反した場合の罰則等はどうか。
A.まず許認可の事業である。全てのトラックにUSDOTの許認可番号が書かれている。監査については情報を持っていないが、あるとしたら州で実施しているかどうか。連邦政府にはそのような組織はない。
Q.トランプ政権による貿易摩擦対策により日本国内経済への影響はどうか。
A.総論としては。対日赤字をなんとかしたい、具体的には自動車の輸出などを何とかしたいという米側の思惑に対し、具体的な議論が必要に。日米関係の重要性は双方で維持しており、トヨタのように多額の投資で雇用を生んでいる事実のもと、経済関係が破たんしないよう話合いをしていこうとしている。
Q.アメリカの物流は進んでいるのか。あまり実感できず、中国の方が進んでいるようにも感じるが。
A.物流に限らず日常生活においてアメリカの方が凄いと感じることは殆どない。ただし日本よりも優れているのはシェアリングエコノミーやIT関連ではないか。例えば自動配車のようなIT投資には積極的なところは見るべきところであるが、そのシステムがスムーズに行かないことも多い。
Q.アメリカでも労働力不足が問題と聞いたが、ホワイトカラーには潤沢に人が入っていてブルーカラーには入らないとか、何か傾向値はあるか。
A.ブルーカラーには移民が沢山入っているが、それがトラック業界には入っていないのかも。移民のドライバーがいるとはあまりきかない。建設作業員などには簡単に移民が入っているが。実際にドライバー不足であるため、自動運転の導入が求められているのだと思う。
Q.日本では雇用延長や女性の雇用推進を進めているが、米国では女性や高齢者の活用は推進されているのか。
A.米国では日本よりはるかに女性の社会進出が進んでいる。ただし、女性のトラックドライバーは日本と同じくらい見ることが少ない。高齢者は定年はなく年齢での差別は憲法違反のため、本人辞めると言わない限り活用している。
Q.日本には商用ドライバーを育成する専門学校はほぼないが、米国ではどうか。
A.聞いたことはない。
Q.ウーバーの利用状況はどうか。
A.ワシントンはタクシーがまだ生き残っているが、大使館の職員100人で、タクシーを使っているのは自分一人。そのくらい普及している。ウーバーだから事故や犯罪が問題との認識はない。ウーバーイーツを使えば便利である。
Q.ウーバーの貨物版は出ているのか。
A.ウーバーイーツは物を運んでいるが、各州ごとに規制を考えることになっているのでそれ次第。個人的な経験だが、アマゾンの配送のUPSのことが多いが、一度普通のセダンのクルマで女性がアマゾンの荷物を届けにきたことがあった。安全性を考えると、ウーバーは、旅客より貨物の方が適しているのかもしれない。

 

※アメリカの現況確認にためグループ報告等はなし

「CTC AMERIKA」&「LOCIX」

いよいよシリコンバレー、これから「ベンチャーキャピタル」の視察。
   
視察は「CTC(伊藤忠テクノソリューション株式会社)」と「LOCIX」
   
このビルに何社のベンチャーキャピタルが入っているのでしょうか。
   
LOCIX社はCTCと提携したスタートアップということなのですかね。
   

日本のIT企業大手である伊藤忠テクノソリューション株式会社の現地法人で、シリコン バレーに拠点を構え米国におけるICT最新技術の研究、導入、日本への紹介などを 行っており、特にスタートアップ企業(ベンチャーIT企業)の発掘に力を入れている。

先方からのプレゼン

【CTCアメリカの概要とシリコンバレーの実情について】
・CTCアメリカは、1990年に拠点を構え、以降シリコンバレーの先端のスタートアップ企業(ベンチャーIT企業)の展開支援を行っている。これまでにワークステーションの会社、サーバーの会社、ネットワークのスイッチの会社とパートナーシップを広げ、2000年代半ばにソフトウェア、最近はクラウドサービス企業まで広がってきている。(スタートアップとは、既存会社の中や研究機関、大学などから出る新たな企業が水面下で新しいものを作り、山を登って頂上まで行く(成功する)ところまでを支援をすることで、シリコンバレーではこの仕組みが非常に発達している。特にシリコンバレーには全米トップクラスのスタンフォード大学やUCバークレーなど著名な大学があり、その卒業生が企業に入らずに最初から創業する。実際にアイディアが出来てから最終的には株式公開したり、どこかの企業に買収されるまで6~7年かかるといわれている。)
・これを支えているのがベンチャーキャピタルという存在で、アメリカで約400社あるといわれ、その7~8割がシリコンバレーに集まっている。このベンチャーキャピタルは、資金をスタートアップに注入するだけでなく、メンバーを会社に入れ、営業、法律、財務などの不足な知見を送り込み、その会社がいち早く成長できるように支援をする。日本のベンチャーキャピタルとはイメージが違う。
・CTCアメリカでは、シリコンバレーで年間約2万社の新しいスタートアップができるといわれている中で、企業向けのITソリューションを提供している会社を対象に年間約500社を調査している。このうち実際に面会して詳しい話を聞くのが約200社、また約100社は日本の本社あるいはお客様に直接紹介している。今期も5件の会社と新たにパートナーの契約をした。
・現在当社がフォーカスしている分野は、AI、IOT、ネットワーク、クラウド、セキュリティ、ITの運用、大きくこの6つからさらに細かく分野をみている。特に現在は、デジタルトランスフォーメーションがキーワードである。2013~14年から大きく注目を集めており、その背景にあるのはデジタル技術を活用したシェアリングエコノミーという表現もされる。タクシー業界のウーバー、デリ業界のエアビーアンドビー、放送分野のネットフリックスなどがクラウド、モバイル、様々なテクノロジーを活用して資産を持たずに既存の産業を壊していく。こういった流れは当初はタクシー業界あるいはホテル業界特有のものとみられていたが、今ではこれらの業界に限らず様々な業界でデジタルを活用して既存の事業者或いは新規に参入するデジタルトランスフォーメーションの必要性が叫ばれている。それを起こすのがシリコンバレーであり、ウーバーやエアビーアンドビーの本社やそれを支えるテクノロジー会社も全てシリコンバレーにある。
・デジタルトランスフォーメーションの定義は曖昧であるが、デジタルを使って顧客の体験を高めることがカギだと言われている。実は、従業員の働きやすさが高ければ高いほど、お客様の満足度も高いということが示されている。また、これからは新しい技術、例えばスマートフォンを知っている状態で入ってくる。ファイルの共有は、CD-ROMやUSBからドロップボックスやボックスのようなクラウドサービスを使って共有するのが当たり前となる。このような世代が入ってきた時に、働く環境やお客様にサービスをする環境は、改めて見直していかなければ、よいサービスは出来ない。人の仕事のしやすさということを考えた時には、新たな考えも取り入れていかないといけない。
・優秀な人材確保競争の中で、シリコンバレーでは新しいオフィスに莫大な費用をかけてる。アメリカの企業では、1日のうちの約35%の時間をオフィスで過ごしている。アップルの第二ヘッドクォーターとして作ったアップルパークは、総工費が5千億円である。同じようなことをアマゾンなどの他社もシフトしている。

視察団からの質問

Q.スタートアップには、1社当たり何人くらい送り込むのか。
A.ケースバイケースだが、多いパターンは、経営判断のポジションに1人、その人を核にして必要な財務担当や営業のプロ、国際展開のプロを送る。
Q.ワークスペースに居る時間を7~8時間とのことだが、実感としてもそれくらい早く帰るというイメージか。これだけの先進的企業が7~8時間の労働時間で完了する環境なのか?
A.日本と異なりはっきり分業されているため、社内の調整に掛かる時間が少ない。なお、家で仕事が出来る環境のため、会社では7~8時間仕事をし、自宅に帰り家族と食事をしたのちにまた3~4時間仕事をするようなことも多くトータルで見ると日本人よりも働いている。
Q.労働時間の管理の仕方は成果重視しか有り得ないということか?
A.そのとおり。むしろ会社でだらだらしている人は仕事が遅い人と見られる傾向がアメリカでは強い。

【AIについて】
・これからAIを取り入れないソフトウェアは世の中から駆逐をされていくといわれている。AIはスタートアップの投資においても今最もホットな領域である。AIのスタートアップに対する投資は、2012年頃は日本円で約600億円であったが、その後5年間ほどで5千億円までに膨れ上がっている。
・実際のAIは、様々な分野のソフトウェアに実装されている。人事関連ソフト、金融関連ソフト、ビジネスインテリジェンスという分析ソフト、製造業での故障予知や在庫管理のソフト、セキュリティの制御にもAIが多く活用されている。
・ソフトの一例を紹介すると、クイットという会社のソフトで、世の中のデータの8割を占めるテキスト情報を、クラスターで表現する。例えば新聞情報、お客様のアンケートの情報、営業マンやドライバーの日報など、これまで人の感覚で分類、集計していたものを、AIを使って正確に作業するようなソフトウェアである。またヘルプデスク、社外からの問い合わせ対応の自動化などにもAIを活用した多くのスタートアップが出て来ている。

視察団からの質問
Q.今後はAIが入ったソフトウェアがくるとのことだが、物流に関するAIが入ったソフトをご存知か?
A.配車計画には使われている。これまでは経験をもとに配車していたが、その会社のモデルを作り、誰が運転しても最適というルートで運行できるソリューションが出ている。また、クルマのテスラ社では、無人運転のトラックを開発している。労働力確保の観点からもトラックの主に幹線、長距離のところからそういう自動運転トラックが開発され、走行実験もされている。
Q.物流業界に投資をしているベンチャーキャピタルはあるか?
A.物流業界に特化しているところはあまりない。物流でのITが言われだしたのはアメリカもここ最近である。

【IOTについて】
・IOTもAIと同様に非常にホットなキーワードである。元々2020年頃までに500億台のデバイスがインターネットにつながるとしてスタートしてきたが、実はIOTは踊り場にきている。現在は、スマートシティや故障予知を活用したスマートファクトリーなどが話題であるが、世界のIOTプロジェクトの60%は概念の実証評価段階で、最終的に導入、運営に入ったものは全体の約4分の1で、成功としてみなされていない。IOTの導入による現実的な投資対効果が導き出せないといわれている。
・したがって、例えばアマゾンやマイクロソフト、シスコんまどこれまでIT業界を引っ張ってきた企業が参入しており、大手のプレーヤーを中心とした構造に変わりつつある。最近IOT関連でシステムダウンのようなセキュリティ事故が増えており、IOTのスタートアップとしてIOTに関するセキュリティ分野が注目されている。
・またドローン対策も。現在ドローンはアメリカ全体での月間約100万台が個人向け、企業向けに販売されており、将来は5,600万台まで増えるといわれている。しかし、ドローンの中には、通信を傍受するようなハッカーや盗撮、爆弾を搭載するなどのドローンがあるといわれており、企業においてリスクが高まっている。
・また、ウェアラブルの領域では、AR(オーギュメント・リアリティ)ろいうスマートグラス上に様々な情報を投影しての作業によって、現場に行かずとも熟練者がサポートするようなことで、作業の期間短縮を可能とし、満足度の高い働き方の提供が可能とすることなどである。
・クラウドの使用についても新しい課題が出てきている。例えば、アマゾンなどのパブリッククラウドは、セキュリティの機能が備わっているなど便利な一方で、データを個別のサーバーなどに移すほうが、パフォーマンスがよいとの流れがみえる。

視察団からの質問
Q.クラウドが一周してきて自社サーバーに戻ってくるというのは、その辺のレベルでのことなのか?日本でもそのようになるのか?
A.アメリカでのグラブやドロップボックスのような限られた業種でのこと。日本ではまだあまりない。
Q.クラウド利用の弊害とは、後々にデータをとりだせないことか?
A.その通り。あとはコスト面でも注意を要する。初期投資はほとんどないが、アイドル状態でも課金されたり、システムが膨らむと想定以上にコストがかかることがある。
Q.当社では、貴社からのご紹介でフィットビットという健康管理のシステムの導入を開始している。我々運送事業者は、安全管理や健康管理に大きな興味を持っている。労働力確保が大きなポイントになっており、若い世代の参入があまり望めない。例えばドライバーとかブルーカラーの体調を監視するような先進的な取り組みをしている企業はないか?
A.健康に関してはアメリカも積極的に取り組んでいる。日本と違って国民保険はなく、医療費がとても高く、保険に入れる人だけが病院にかかれる状況であるため、病気を未然に防ぐデジタルヘルスという領域がかなり注目されている。その中に利用可能なものがあるのではないかと思う。
Q.当社は中小企業だが、例えば経理システムなどについて、貴社では大規模な企業相手のビジネスが前提か?
A.特に企業規模は問わない。AIを使おうとするとまず学習の期間が必要になるが、今のソフトウェアは、予め学習させており、プロト段階から複数の企業に利用してもらい、標準的なロジックを用意し、それを最終的にユーザーが利用するようにしている。

【CTCアメリカが出資しているスタートアップのローシックス社が開発している無線カメラについて】
・弊社は倉庫やロジスティクス関係のソリューション等に焦点をおき、特許技術を使い運営をしている。当社の技術は倉庫内でのビジュアルデータや位置データをクラウドに集約し、倉庫運営を支援することを目的としている。
・eコマースにより、物流業界は変わっている。アマゾンの同日配達をはじめ、同日配達、翌日配達によって、工場から流通センター、流通センターから倉庫、お客様へという物流のスピードが要求されるようになる。倉庫業者などではネットワークへの負担は増えてコストが増加した例もある。そこで、当社では効率アップによりコストダウンの支援に向けた倉庫のデジタル化に向け、位置情報、画像データ、センサー情報を組み合わせた処理を志向している。ただし倉庫に十分な数のセンサーをつけられず、基盤コストや管理コストにもコストがかかるため、当社では、全て電池で稼働する多数のワイヤレスカメラで位置情報や画像情報を使える技術を開発することを目指している。
・弊社の技術のひとつのローカルポジショニングシステムは、wi-fi利用により省電力で非常に複雑なレイアウトの室内でも1m以下の誤差で位置情報を取る技術を提供するものである。このネットワークを使うことで、センサーの耐久年数を確保することができる。
・現在の実験では、10cm或いは15cm位の誤差で位置情報を取ることができることが確認できている。また、例えば壁によって位置情報が上手く取れないところは、当社が開発したアルゴリズムで位置情報を組み込むことができるような開発を行っている。
・当社ではこのシステムを大規模なロケーションでも使えるようにアップグレードし、当社が収集したデータを、第三者のAI技術、分析技術で利用できるようにしていく予定である。
・もう一つの弊社の技術の中心は、ワイヤレスハイデフニションカメラである。このカメラは、画像を撮るだけではなく、温度データ、湿度なども取ることができる。またバッテリーの寿命は数年もあるため、カメラの設置は、電気技師でなくても可能である。
・これら技術の使用事例を紹介する。倉庫での使用では、①トラックの入庫台数を計測し、ディスパッチャーがトラックが入るドックの指示が容易になる、②同時にトラックのドックの利用時間を計測し、倉庫の稼働状況を測ることが可能、③倉庫内のスペースの利用状況の把握が可能、④例えばフォークリフトな倉庫内での機器の利用状況の把握が可能などである。倉庫内の貨物の管理には、RFIDやバーコードを使った管理がされているが、当社のテクノロジーを使うことで、パレットの動きも把握できる。
・将来的にはスペースの利用状況や荷物の動きを総合的に分析し、人や機械を効率的に動かすかプランを提供し、効率的な倉庫利用を支援できると考えている。当社では、実際に、東京で安川電機と一緒に倉庫での運用実験も行っている。ある倉庫のトラックレーンにカメラを設置し、数分ごとの映像をAIシステムに回し、トラックの利用状況やドアの開閉状態を計測した。そのデータを安川電機のクラウドで分析した。また、アナログのデバイスの前にカメラを取り付けることで、温度や湿度などのデータを詳しく取ることができるなど遠隔からの監視を可能として、障害等を未然に感知することができる。
・当社では、インテリジェンスを加えることで、倉庫やロジスティクスが効率アップするシステムを提供していきたいと考えている。当社は、2015年3月に創設し、すでに東京大学、ジンベスチャー、ITベンチャー、日本の村田製作所、安川電機から支援を受けている。

視察団からの質問
Q.そのカメラは、電波を受けるのでICタグのよなものと考えていいのか。
A.似ていると思っていただいて結構。試作品のカメラは名刺よりやや大きく厚いサイズ感である。
Q.カメラ1台のコストはいくらか?
A.現時点では、カメラ1台が60~70ドル、ロケーションセンサーは30ドル程度。
Q.管理する商品が2万点あるとしたら、ロケーションセンサーは2万個必要なのか?
A.RFIDやバーコードを読み取るスキャナと当社のセンサーシステムをつなられれば、2万個は必要ないと思う。
Q.画像解析の精度について、倉庫は同じ形のフォークリフトでナンバーだけ違うというのがあるが、それを見分けることはできるのか?
A.1台1台を画像解析だけで見分けることは難しいが、例えばフォークリフトに大きく数字が書いてあるなどであれば可能となる。またロケーションタグをつければ、ビジュアルでなくても動態把握は可能である。

 

Cグループ報告(井田・塚原・井田)

1 訪問先企業による説明概要
CTCの松本様にご説明頂いた。CTCは、米国西海岸のサンタクララ本社で、北米地域の先端技術やIT市場動向などの調査、新製品の開拓などの役割を担っているほか、ニューヨークの拠点では主に日系金融機関向けにシステム開発や保守・運用サービスを提供している。約30人の従業員のうち半分が日本からの駐在員で、6つの組織によって成り立っている(写真1)。
人や資金の足りないスタートアップのフォローが主な仕事である。スタートアップには6~7年かかるといわれている。ゴールは株式上場や買収されることであり、またそのスタートアップはベンチャーキャピタル問う言う存在が支えている(全米に400社り、そのうち7~8割がシリコンバレーにある)。日本でいうと資金を援助する金融機関的なイメージがあるが、それよりもアメリカではしっかりのその会社に入り有能な人材を注入し、支援していくイメージである。
シリコンバレーでは土地柄、スタンフォード大学やUCバークレーの卒業生が企業に入らずそのまま起業するパターンも多い。
コーポレートベンチャーキャピタルという形態が2013年ころから増え、主流になりつつある。事業会社が設立したベンチャーキャピタル(GE、google、intel等)がスタートアップに投資するためのベンチャーキャピタルを社内に持っている。
シリコンバレーで年間2万社新しいスタートアップができるといわれている。CTCでは企業向けのITソリューションというフィルターにかけ、年間500社くらい新規の会社を調査し、200社程とお会いし、そのうち100社程を日本の本社やお客様へ紹介する。昨年は5件の会社と新たなパートナー契約をした。
デジタルトランスフォーメーションというキーワードが2013年、2014くらいから注目を集めている。資産をもたずに既存の事業を壊していく(uber、airbnb、netflix等)。
お客様の体験、経験を高めるのがデジタルフォーメーションのカギ。そのためには従業員が重要であり、従業員の満足度が高い程、お客様の満足度も高い。これから社会に出ていく人は新しい技術に慣れた人が社会に増えていく。また、新しい世代は働き甲斐や、働きやすさ、自分の生活とのバランスを重視する。働く環境、お客様にサービスする環境を改めて考えなければならない。シリコンバレーでは人材の採用合戦が激しく、採用できなければサービスもできない。新聞の記事にも、1日のうち約35%オフィスで過ごす中で、オフィスがどうあって欲しいかという問いに対し。面白い、やる気がわいてくる、繋がりがある、魅力がある、報いがあるという順になっている(写真2)。そのため、オフィス等に大規模な投資をする。また、家で仕事をする環境が整っている。会社でダラダラ残っている人は仕事ができない人と思われてしまう。
今後はソフトウェアを使える会社が世界を牛耳っていく。また、ソフトウェアをAIが食っていくといわれている。アメリカでは日本の約2倍AIに投資されている。特にAIを活用したアプリケーションに投資され、いろいろな分野に実載されている。
その人が見ている現場を他の人が見れるというデバイスの可視化が必要、例えば熟練の職人がパソコンの前で現場をみて、現場にいる若手に指導できる事により、時間の短縮や移動の短縮、生産性や安全性を高めることができる。
1) 2)

 

「LOCIX」のMatt Davidson氏にご説明頂いた。Locix Inc.は、スマートホーム向けの超省電力無線センサーシステム及びサービスを開発することをミッションに、2014年8月28日に設立されたベンチャー企業。創業者でCEOのVikram Pavate氏は、超省電力のマイクロLED技術のベンチャーの事業開発担当副社長を務めたのち、同社を創業。共同創業者のカリフォルニア大学バークレー校のVivek Subramanian教授とElad Alon准教授は、それぞれセンサー及び無線ネットワークの世界的権威。超低コストでかつ超長寿命のセンサー群による位置情報を含む取得データを活用したインタラクティブなスマートホーム・センサー・アプリケーションの実現を目指す。
倉庫関係、ロジスティクス関係のソリューション等に焦点を置き、特許を取っている技術を使って運営を助けたいという会社。その技術とは倉庫にある画像データ、位置情報データを集めて、クラウドに送ってこれからの倉庫運営を助けたいというのが目的。LOCIXの技術で物理的なスペースコストダウン、人員削減未来の倉庫運営を変えることができる。
Amazonの同日配達をはじめ、同日配達、翌日配達ができたことにより、物流のスピードが要求される。どうやってデータを集めるかというと、位置情報データ、画像データ、センサー情報を組み合わせて処理をする事が重要だが、倉庫に十分なセンサーを付ける事ができない。センサーが足りないことを分析し、いままでは配線しないといけなかったものをワイヤレスにして電池で動くようにした。
それが「ローカルポジショニングシステム」で、位置情報を取るシステム。携帯電話にもついているGPSを室内でどうとるかというシステム。正確な位置情報を知るにはお金がかかる。Bluetoothはポピュラーで安いが情報が正確ではない。LOCIXは1m以下の誤差で位置情報を取ることができ、色々な複雑なものがある室内でも情報を取ることができる。Wifiを利用し、消費電力は非常に低いが正確性は高いものを提供する。
さらに「超省電ネットワーク(900メガヘルツのネットワークで動く。標準のネットワークをカスタマイズし、消費電力は非常に低く、しかし待機幅は非常に高くできる)」を構築した。このネットワークを使うことにより。センサーが何年も使えるようにした。
いままでの通信網と我々の通信網を使う事により、余分な作業がいらない。wifiは大量のデータが送れないという事があったが。我々のネットワーク(ワイヤレスセンサーを作る→高画像のワイヤレスカメラをつくる→位置情報の正確なテクノロジーをつくる)をつかうことにより繊細な画像システムが構築され、結果倉庫内オペレーションの可視化が可能になる。他に、・画像だけでなく温度、湿度のデータもとれる・設置するのに時間がかからない・屋外用の設置も可能・バッテリーの寿命は数年という数々の利点がある。

2 説明を聞いて感じたこと
・アメリカの方が起業に対する意識が高く感じた。話にあったが、おそらく大学を卒業後、企業に入らずそのまま起業するという割合も、日本と比べるとだいぶ差があるのではと感じた。
・従業員の満足度が高い程、お客様の満足度も高いという言葉にハッとした。また、我々運送業界にも新しい技術に慣れた人が増えていくわけであり、また、新しい世代は働き甲斐や、働きやすさ、自分の生活とのバランスを重視するということで、ドライバー不足が叫ばれるなか、より一層働く環境を考えていかなければならない。また、そのための投資を行う必要性を感じた。
・LOCIX社の倉庫運営のサービスでいう、効率のアップとコストダウン、そしてデジタル化を強く意識しなければと感じました。

 

 

Dグループ報告(野村・坂本・穐山)

1 訪問先企業による説明概要(説明:松本様)
≪CTC (ITOCHU Techno-Solutions America,Inc)担当者:松本様≫
・1990年から伊藤忠テクノソリューションズアメリカでビジネスを始めた
・30名のスタッフで120社以上のスタートアップの日本展開を支援
・スタートアップとは会社の誕生から成功までとし、6〜7年かかる
・スタートアップを支えているのが、ベンチャーキャピタル400社あり、その7、8割がシリコンバレーにある
・始めた当初はハードウェアー中心だったが、10年ほど前からはソフトウィアークラウドサービスがビジネスの中心である
・現在では、9000社の顧客がいる
・シリコンバレーの日系企業数の推移は2016年770件の過去最高の企業数になった
・Customer Experience(顧客の体験を高めるためにどうするか)→Employee Engagement(従業員の仕事のしやすさ)=従業員の満足度が高ければ高い程、顧客の満足度が高い
・Today is AI. Make it visiable → 可視化(ITを最大限に活用するためには、可視化することが目的を実現するために必要)
・Iot(Internet of Things)→2020年までに500億のディバイスがインターネットにつながる
・Iotの現状→何をするかより繋がったら何かが出来るだろう Iotの踊場にきている
・今後はIotのセキュリティーにもっとお金をかけなければいけない
   
   
     
≪Locix社(Locix Inc.)説明:Matt Davidson様≫
・Local Positioning System(LPS)ロジスティクスの特許を利用して、画像で倉庫運営を助けたい
・倉庫内を10-15㎝の範囲でロケーション管理が出来る
・既存のプラットホームに繋げられる

2 説明を聞いて感じたこと
≪CTC≫・GoogleやApple、Uberなどのビジネスの成功の要因はプラットホーム型ビジネスといわれており、利用者間のマッチングがオープン化しても安全に利用できるセキュリティーが確立されれば、更にICT(情報通信技術)の活用が進むものと考える
≪Locix Inc.≫・例えばフォークリフトの稼働時間を考えた場合、開発中のカメラを使ってフォークリフトの動きに対して、適正台数を提供してもらえることができる
・フォークの使用頻度の管理をすることができる
・このカメラにより防犯機能のみならず、荷物の入出庫管理、フォークリフトの動態管理が従来より良くなる
・カメラがあることによって無駄の削減及び売上に貢献することができる
・カメラの脱着施工も簡略化できる

「SAP」

「デザイン・シンキング(思考)」の総本山、シリコンバレー「SAP」。
   
この社屋のイメージも、イノベーションを起こすプロセスのひとつです。
   
そこらじゅう発想を誘発するための掲示、プレッシャーにならないかな?。
   
日本人はもう堀田さんのみ、イノベーションマイノリティーなんですって。
   
   

デザイン・シンキングを企業文化に取り入れたドイツ企業のSAPは、シリコンバレーの 有名テクノロジー企業と肩を並べて戦う外国企業の成功例のひとつであり、多くの日 本企業が視察に訪れる施設を今回も訪問します。デザイン・シンキングは、「共感」を キーワードに潜在的なニーズを掘り起こし、さまざまなプロトタイピングを通じて課題と ソリューションを検証する手法です。働く環境も日本では考えられないような開放的、 アイデアが出やすい環境、どこでも打ち合わせができる環境などを意識しています。

先方からのプレゼン

・SAP社は、時価総額が14兆円前後とドイツで最大のデジタル企業である。
・ここはそのシリコンバレーのオフィスで、ドイツの古く堅く狭い価値観の元に仕事をしていた会社が、イノベーティブマインドを忘れないように意識して(内装等も)自分たちで作ったオフィスである。
・当社のキーワードは「デザイン思考」である。追って説明する。
・日本企業向けの事業開発を担当(現在在籍する日本人は本人ひとり)しており、毎年約2,000人日系企業から視察にくるが、シリコンバレーでは、日系企業のプライオリティは低い。
・当社の従業員の構成は、シリコンバレーで働く人種構成と似ており、一番多いインド人が3割、二番目は中国人2割、アメリカ国籍が1割強、ドイツが1割弱、日本は最もマイノリティーである。
・シリコンバレーのソフトウェア産業は、200兆円超のGDPを上げている(日本全体で500兆円)。
・シリコンバレーでは、給与水準が高く、年収2,500万円でも低所得者で、1000万円未満だと生活保護の対象となる。土地価格がこの30年間に年率7%で上がり続けているため家賃が極めて高い。
・現代ではデジタルが企業の競争力を大きく左右させている。例えばウーバーは、ダイナミック・プライシングといって需要と供給により同じ距離でも乗る度に値段が変わる。また、乗車履歴を見たうえで値段を決めている。つまりこれまではサービス価値の決定権は消費者側にあったが、ウーバーでは提供者側に移り変わっている。すでに貨物輸送の分野でもウーバーラッシュやウーバーイーツという個人向けの配送サービスを全米で展開し、これに打撃を受けたのがUPSである。
・UPSが今手掛けているのは運送業からの脱却で、UPSは世界で最も3Dプリンターを保有している企業となった、全米各地にあるUPSストアに図面を転送して、近くのUPSストアで3Dプリンターでその物を印刷代行するサービスというのを始め、製造業を脅かしはじめている。デジタル能力が問われる時代となっている。
・このような潮流は、日本でもいずれ起こるのではないか。それに対応できるように企業が生まれ変わらせられるかが非常に問われることになる。
・古い体質であったSAPが、生まれ変わることができた3つの要因を説明する。
・1つめは、「ピープル(人を変える)」ということ。シリコンバレーに進出した2010年頃は、9割が既存事業であったが、それを変えるには、ローカルで優秀な人材を年収1600万円保証で採用することとし、全米の就職人気ランキングの11位にランクインした。現在のCEOは、36歳で、高校2年生の時にSAPから内定をもらい、幹部候補生としてSAPからの支援で工科大学での勉強とインターンを経験するなど大きな投資を受けてきた。このような教育コストは、2010年頃の30億程度から現在は200億まで増やして投資している、その一方で結果が伴わない場合には、年間約1割の従業員が解雇されている。
・2つめは、「プレース(場所を変える)」という観点で、どこでイノベーションを起こすかの問題として、新規事業はイノベーティブなシリコンバレー、既存事業はドイツと場所を分けた。
・3つめは、プロセスとしての「デザイン思考」である。イノベーターが同じ方向を向いて同じステップで同じスピード感で仕事をしていく体系を保証することで、イノベーションを生み出していけるということ、共通言語やフレームワークということである。具体的には、安く早く簡単にプロトタイプを作成し、試してみてダメなら次、ダメなら次と回し続けていくというのがデザイン思考である。SAPでは全ての社員にこのデザイン思考を教え込み、イノベーションを起こしてきた。
・新規事業を起こしながら既存事業を守ることが必要で、そのコツは、既存事業を強力な担保とすることである。

 

視察団からの質問

Q.デザイン思考は、本質的な価値に迫るジョブ理論に近い感じか?
A.ジョブ理論はデザイン思考の一部。デザイン思考は、天才デザイナーの真似をすれば凡人でもかなりクリエイティブになれると気づいてまとめたもの。
Q.我々は物流業なのでUPSの3Dプリンターの件は非常に興味深い。消費者に近い小さい商品のデリバリーがUPSの本業だと思うが、大きい商品を運ぶ輸送において、第四次産業革命的なデジタル思考では、どのような変化が考えられるか。
A.運送業の変化は、小さいものをいかに効率的に運べるかから始まっている。例えばアマゾンは、外部の物流業を使わず自前で物流網を構えると宣言している。既に大型貨物機を自前で運用し始めている。アマゾンもウーバーと同じくダイナミック・プライシングの動きをみせており、アマゾンアプリのバーコードスキャナで商品のバーコードを読み取ると値段が表示されるが、その値段はログインした人とタイミングを判断して値段を変えることにチャレンジしようとしている。これらが驚異となるのではないか。
Q.32歳でCEOに昇格したのは、凄い才能の持ち主だからなのか?
A.彼一人の才能だけでなく、やはり育てる仕組みだと思う。
Q.4月にドイツの本社で講演を聞かせていただいたが、ここシリコンバレーにも、企業のコンサルティングをしてもらいながらソフトウェアの開発をサポートしてもらえる部署もあるのか?
A.ドイツとは異なり、ここでは多くの顧客と実証3カ月程度の共同プロジェクトを多数展開しているイメージ。ここは新しく当たるものを早く沢山試していく場所である。

 

Dグループ報告(野村・坂本・穐山)

1 訪問先企業による説明概要(説明者:坪田様)
・坪田さんは、シリコンバレー最大のアウトサイダーとして4000名の従業員を抱えるSAP Labsの一員。福井県出身でドイツの伝統的な会社でシリコンバレーに進出した企業唯一の日本人(インド30%、中国20%、アメリカ20%、ドイツ10%…日本人1人)で、シリコンバレーにて日本企業との新規事業共想を推進している
・伝統あるドイツの会社でありながら、それにとらわれることなく仕事を創造するオフィスである
・これから求められていくのは、デジタルエコノミーにおけるスタートアップ時代に破壊的イノベーションを起こすことである
・デザイン思考とは、※人が本当に必要としているものは何か?※普段自覚していなくても、改善することでより便利になるといった「潜在的な困りごと」を発見すること※その上で、新しい領域を作り出す「破壊的イノベーション」に繋がる※更に、より暮らしやすい世の中の実現を目指す。
   
   
     
         

2 説明を聞いて感じたこと
・オフィス自体が常に楽しく、チャレンジ出来る環境、会社全体がフレンドリー、社員が仕事に対して真剣に打ち込める環境にあるし、報酬としても見返りを受けられる
・お客さんの要望に対して、それをミッション化して、達成することを考えているようである
・自由には責任が伴う
・既存事業を守りながら、新規事業を作る

 

Eグループ報告(添野・篠崎・添野)

SAPはドイツを本社にするERPのリーダー企業であり、世界の大手企業をクライアントに抱えています。クライアント企業が創出する経済的付加価値は全世界のGDPの約8割を担うとされており、そうした企業の内部システムを提供する同社は国際社会に対して重要な役割を担っていると言えます。シリコンバレーにある同社オフィスでは、唯一の日本人駐在員である坪田様にお話を伺うことが出来ました。
同氏によると、シリコンバレーでは訪問する企業に対して価値貢献度が重要な評価指標となっているとの事でした。その観点では、日本企業は物見遊山の傾向があり、現地においては敬遠される存在であるとの事でした。坪田様自身、「嫌われている」という強い表現を用いており、現地に対して何ら価値貢献を行わない姿勢は問題視すべきであるとの意見でした。企業が価値を高めていくためには、イノベーション(技術革新)が不可欠であると同社は考えておりますが、日本企業においてはこれらの危機意識が欠如していると思われる点があるとの事です。こうした意識レベルの差が現地視察における日本企業の態度として表れており、日本企業の評判を低下させる本質的な原因ではないかとの話がありました。こうした状況を乗り越えるためには自社の変革が必要であり、そのためには「仕組みづくり」が大変重要であるとの事で、今回の話では同社の手法を事例にご説明頂きました。
SAPはシステム業界で約50年の社歴を持ち、業界内では比較的古い企業です。したがって、変革に対して動きの遅い部分があったと同氏は言います。しかし、同社では今後の企業成長のために新規事業を創り出す必要に迫られ、以下の「3つのP」に注力して自社の変革を実現しました。
第一のPはPeople(従業員)です。同社では、幹部候補生の早期選抜に力を入れており、高校2年生に対して内定を出す活動を約10年続けてきました。その結果、30代前半で同社の役員を輩出するなど、既に一定の成果を挙げています。また、新入社員研修には一人約3000万円の費用を投入し集中的に自社の考え方を教育します。驚くべきは、その新入社員のうち、下位10%が解雇になる仕組みがあるとのことで、非常に競争的であることがわかります。
第二のPはPlace(場所)です。同社では、新しいことを行うには既存の組織と物理的に完全に分断する必要があると考えています。よって、新規事業を検討する際は、部署も、責任者も、評価方法も全て新しいものを用意するとのことでした。
第三のPはProcess(手順)です。アイデア創出には定められた手順があるとの考えのもと、同社は「デザイン思考」を採用して社員にアイデア検討の手法を教えています。手法や手順を知らずにむやみやたらにアイデアを考えてもアイデアは出てこないという考えがあるとの事でした。

説明を聞いて第一に、日本とアメリカでの考え方の違いを感じました。社員を確保するために早期から採用活動を行うことや、自社を変革していこうという強いマインドはシリコンバレーに特有のものであると感じます。 また、こうしたマインドは日本企業にも必要であると感じました。そのような観点からも、今後も引き続き米国の先端企業の動向には注意を払っていく必要があると感じます。

 

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