カテゴリー: 日通総研

「box」 視察内容

世界6万6千社以上の企業が業務用のファイル共有クラウドサービスとして採用する 「Box」の提供会社。「Box」はクラウド型のセキュアなファイル共有/コンテンツコラボレーションサービスとして、実質的なデファクトスタンダードと言われています。米国Fortune500社の60%が利用する、ビジネスユース実績No.1のコンテンツシェア(ファイル共有)とコラボレーションのためのクラウドサービスです。正式社名:Box,Inc. 創立:2005年 資本金:2億8000万ドル 本社:米国カリフォルニア州 従業員数:約 1400名

先方からのプレゼン

【BOX社の概要】
・BOX社のミッションは、世界中の人達を一緒に働かせるために、クラウドを利用したファイル管理やデータのシェア、可視化を進めながら変革していくためのサポートである。
・BOXでは、クラウド上のひとつのプラットフォームで、例えば、①導入した会社の社員、常にどこからどのようなデバイスからでも情報にアクセスできることが可能。②デジタル化が進むビジネスの世界で、サイバー上の脅威への対応(一貫したセキュリティ)とローコスト化が可能、③過去のシステムもイノベーションシステムの双方が使えるシステムの整備が可能、④ビジネスのコラボレーション(協業)に対応可能、など全ての対応を可能とするシステムを提供している。
・更にビジネスに必要なアプリケーションを統合し、エンドユーザーや開発者全てに使いやすいプラットフォームを提供している。さらに、サードパーティのソフトを結び付けるAPIも提供している。

【BOX社が提供するプロフェッショナルサービスの考え方】
・BOX社が提供するプロフェッショナルサービスの方針は、①イノベーションへの方向性へのサポート、②時間価値の創造(新たなビジネスを短時間で実現するサポート)である。
・そのためには、①プロジェクト管理のサポート、ベストプラクティスのアドバイス、②現行のシステムから当社システムへ移行のサポート、③既にあるアプリケーションのAPI(アプリケーションンインターチェンジ)のコンサルテーションを提供、当社のクラウドシステムでは、既に1,400本のアプリケーションと繋ぐことができる。そのセットアップもサポートする。④新しいソフトウェアの利用者のトレーニングのサポート、を行っている。
・物流業務に関連したAPIの例として、新規の配送データと旧来のデータをつなぐことなどが容易にできる。

視察団からの質問
Q.コンサルティングは、ファイル管理のコンサルティングをするのか、ファイル管理を通じて経営課題までアプローチをしていくのかどちらか?
A.経営課題の分析までではない。BOXという商品を会社に導入することの支援である。

【導入カスタマーの例】
・UPSの例。特にセキュリティを保持した上で、アメリカのみならず他国からどのようなデバイスからでも情報にアクセスできるようにしたプロジェクトである。UPSの社員のみならず、顧客とのファイルや情報をシェアするためのシステムとして使用した。また、例えばある情報をBOX上で必要なくなった場合に自動的に消去する機能を入れた。

視察団からの質問
Q.具体的な使い方を教えてほしい。
A.情報はwebのブラウザから見られるだけでなく、モバイル用のBOXドライブで自動的にデータをストリーミングし、どこからでも見ることができる。個人で見ることのできるファイルと他人とシェア(見ることのみ)できるファイル、コラボレーション(加工可能)できるファイルなど、アクセス可能な基準を定めている。
Q.ファイルに書き込む能力はあるか?
A.コラボレーションのファイルについては、一緒に働く人の間で書き込むことが可能である。シェアの場合もいくつかの基準の中で、ファイルの閲覧が可能。ただし、サーバー上でのアップデートは不可能。
Q.シェアする相手もBOXを使うことが条件か?
A.その通り、BOXのアカウントを持っていないと利用できない。
Q.業務用のAPIと繋がっている具体例を見せていただきたい。
A.現時点では用意していない。後ほど情報提供することは可能。
Q.UPSの使用状況をもう少し教えてほしい。
A.言葉での説明しかできないが、①モバイルからアクセスを可能とした、②IBMのキューレーダーというソフトとインテグレーションしてセキュリティの管理を行うようにした、③データの損失を防ぐシマンテックのソフトとの統合、⑤UPSのヘルプデスクで機能をユーザーに説明できるようにトレーニングを実施、などである。
Q.BOXを使うことでどんな問題が解決できたのか?
A.以前は、会社で必要な様々なファイルの内容、コンテンツがバラバラで管理されていたものが、BOXを入れたことで、データが一元管理されているため、データの共有が可能となった。
Q.BOXのサービスは、セキュリティのあるクラウドだと思えばいいのか?
A.その通りである。

委員会総括

 

APPLE VISTOR CENTER 視察内容

Visitor Centerは新しいキャンパスの建築と整合性のあるユニークなデザインの建物で 、階段や石の壁そして人造大理石の床など、新しいキャンパスと同様の美的特徴を持っています。Visitor Centerのカンチレバー式カーボンファイバーの屋根はまるで浮いてい るように見えますが、石で覆われた芯だけで支えられており、外側から支える柱は一切使っていません。世界最大規模で自然に換気される建物について学び、敷地内における、世界最大級の太陽エネルギー設備を見ることができます。さらに屋根をはずす操作 を選ぶと、建物の中の共同オフィスポッドのレイアウトを見ることもできる。

委員会総括

「SAP」 視察内容

デザイン・シンキングを企業文化に取り入れたドイツ企業のSAPは、シリコンバレーの 有名テクノロジー企業と肩を並べて戦う外国企業の成功例のひとつであり、多くの日 本企業が視察に訪れる施設を今回も訪問します。デザイン・シンキングは、「共感」を キーワードに潜在的なニーズを掘り起こし、さまざまなプロトタイピングを通じて課題と ソリューションを検証する手法です。働く環境も日本では考えられないような開放的、 アイデアが出やすい環境、どこでも打ち合わせができる環境などを意識しています。

先方からのプレゼン

・SAP社は、時価総額が14兆円前後とドイツで最大のデジタル企業である。
・ここはそのシリコンバレーのオフィスで、ドイツの古く堅く狭い価値観の元に仕事をしていた会社が、イノベーティブマインドを忘れないように意識して(内装等も)自分たちで作ったオフィスである。
・当社のキーワードは「デザイン思考」である。追って説明する。
・日本企業向けの事業開発を担当(現在在籍する日本人は本人ひとり)しており、毎年約2,000人日系企業から視察にくるが、シリコンバレーでは、日系企業のプライオリティは低い。
・当社の従業員の構成は、シリコンバレーで働く人種構成と似ており、一番多いインド人が3割、二番目は中国人2割、アメリカ国籍が1割強、ドイツが1割弱、日本は最もマイノリティーである。
・シリコンバレーのソフトウェア産業は、200兆円超のGDPを上げている(日本全体で500兆円)。
・シリコンバレーでは、給与水準が高く、年収2,500万円でも低所得者で、1000万円未満だと生活保護の対象となる。土地価格がこの30年間に年率7%で上がり続けているため家賃が極めて高い。
・現代ではデジタルが企業の競争力を大きく左右させている。例えばウーバーは、ダイナミック・プライシングといって需要と供給により同じ距離でも乗る度に値段が変わる。また、乗車履歴を見たうえで値段を決めている。つまりこれまではサービス価値の決定権は消費者側にあったが、ウーバーでは提供者側に移り変わっている。すでに貨物輸送の分野でもウーバーラッシュやウーバーイーツという個人向けの配送サービスを全米で展開し、これに打撃を受けたのがUPSである。
・UPSが今手掛けているのは運送業からの脱却で、UPSは世界で最も3Dプリンターを保有している企業となった、全米各地にあるUPSストアに図面を転送して、近くのUPSストアで3Dプリンターでその物を印刷代行するサービスというのを始め、製造業を脅かしはじめている。デジタル能力が問われる時代となっている。
・このような潮流は、日本でもいずれ起こるのではないか。それに対応できるように企業が生まれ変わらせられるかが非常に問われることになる。
・古い体質であったSAPが、生まれ変わることができた3つの要因を説明する。
・1つめは、「ピープル(人を変える)」ということ。シリコンバレーに進出した2010年頃は、9割が既存事業であったが、それを変えるには、ローカルで優秀な人材を年収1600万円保証で採用することとし、全米の就職人気ランキングの11位にランクインした。現在のCEOは、36歳で、高校2年生の時にSAPから内定をもらい、幹部候補生としてSAPからの支援で工科大学での勉強とインターンを経験するなど大きな投資を受けてきた。このような教育コストは、2010年頃の30億程度から現在は200億まで増やして投資している、その一方で結果が伴わない場合には、年間約1割の従業員が解雇されている。
・2つめは、「プレース(場所を変える)」という観点で、どこでイノベーションを起こすかの問題として、新規事業はイノベーティブなシリコンバレー、既存事業はドイツと場所を分けた。
・3つめは、プロセスとしての「デザイン思考」である。イノベーターが同じ方向を向いて同じステップで同じスピード感で仕事をしていく体系を保証することで、イノベーションを生み出していけるということ、共通言語やフレームワークということである。具体的には、安く早く簡単にプロトタイプを作成し、試してみてダメなら次、ダメなら次と回し続けていくというのがデザイン思考である。SAPでは全ての社員にこのデザイン思考を教え込み、イノベーションを起こしてきた。
・新規事業を起こしながら既存事業を守ることが必要で、そのコツは、既存事業を強力な担保とすることである。

 

視察団からの質問

Q.デザイン思考は、本質的な価値に迫るジョブ理論に近い感じか?
A.ジョブ理論はデザイン思考の一部。デザイン思考は、天才デザイナーの真似をすれば凡人でもかなりクリエイティブになれると気づいてまとめたもの。
Q.我々は物流業なのでUPSの3Dプリンターの件は非常に興味深い。消費者に近い小さい商品のデリバリーがUPSの本業だと思うが、大きい商品を運ぶ輸送において、第四次産業革命的なデジタル思考では、どのような変化が考えられるか。
A.運送業の変化は、小さいものをいかに効率的に運べるかから始まっている。例えばアマゾンは、外部の物流業を使わず自前で物流網を構えると宣言している。既に大型貨物機を自前で運用し始めている。アマゾンもウーバーと同じくダイナミック・プライシングの動きをみせており、アマゾンアプリのバーコードスキャナで商品のバーコードを読み取ると値段が表示されるが、その値段はログインした人とタイミングを判断して値段を変えることにチャレンジしようとしている。これらが驚異となるのではないか。
Q.32歳でCEOに昇格したのは、凄い才能の持ち主だからなのか?
A.彼一人の才能だけでなく、やはり育てる仕組みだと思う。
Q.4月にドイツの本社で講演を聞かせていただいたが、ここシリコンバレーにも、企業のコンサルティングをしてもらいながらソフトウェアの開発をサポートしてもらえる部署もあるのか?
A.ドイツとは異なり、ここでは多くの顧客と実証3カ月程度の共同プロジェクトを多数展開しているイメージ。ここは新しく当たるものを早く沢山試していく場所である。

委員会総括

イノベーション(物事の、・新結合・新機軸・新しい切り口・新しい捉え方・新しい活用法を創造する行為)は、それまでのモノ・仕組みなどに対して全く新しい技術や考え方を取り入れて新たな価値を生み出して社会的に大きな変化を起こすことで、常にそれを考えさらには急激な変化(新たな収益構造)を求めているように感じた。これは技術の発明や化学の進歩とは一線を隔する内容で、社会構造的に受け入れがたい感覚と、(既に米国のウーバーの進展状況からすると、やがてタクシーが無くなっていくであろうことは容易に想像ができることから)若干ではあるが恐怖感(乗遅れてはならない)を感じた。しかしながら体制を確保するためのイノベーションがあっても(法規制等でなく)いいのではないかとも感じた。
重要なのは急速に変化する先端を直視しながら、あるべきプラットホームを見定めて変化していけることだと思う。
例えば、15年ほど前から、ホテルやゴルフ場はネットでの予約件数が急増し、現在では予約の約8割が予約検索サイトからとなった。この状況に対応すべくホテルやゴルフ場が予約検索サイトからの予約形態を模索しており、現実には人気のあるゴルフ場は、予約検索サイトの枠数を減らしたりもしくは予約検索サイトを利用しなかったりしている。イノベーションによりできた収益構造を再度戻してい行為でもあり、それぞれのクラブによってあるべきプラットホームを模索している。現状の予約検索サイトによる予約行為は、結果ゴルフ場の価格競争であり、これを続けると運営そのものが成り立たなくなる(現実に毎年30ヶ所程閉鎖している)、・・・すると結果、やがては検索サイトがさほど必要でなくなる日も近いと感じている。また新たなイノベーションがあるかも知れないが・・・。

CTC AMERIKA 視察内容

日本のIT企業大手である伊藤忠テクノソリューション株式会社の現地法人で、シリコン バレーに拠点を構え米国におけるICT最新技術の研究、導入、日本への紹介などを 行っており、特にスタートアップ企業(ベンチャーIT企業)の発掘に力を入れている。

先方からのプレゼン

【CTCアメリカの概要とシリコンバレーの実情について】
・CTCアメリカは、1990年に拠点を構え、以降シリコンバレーの先端のスタートアップ企業(ベンチャーIT企業)の展開支援を行っている。これまでにワークステーションの会社、サーバーの会社、ネットワークのスイッチの会社とパートナーシップを広げ、2000年代半ばにソフトウェア、最近はクラウドサービス企業まで広がってきている。(スタートアップとは、既存会社の中や研究機関、大学などから出る新たな企業が水面下で新しいものを作り、山を登って頂上まで行く(成功する)ところまでを支援をすることで、シリコンバレーではこの仕組みが非常に発達している。特にシリコンバレーには全米トップクラスのスタンフォード大学やUCバークレーなど著名な大学があり、その卒業生が企業に入らずに最初から創業する。実際にアイディアが出来てから最終的には株式公開したり、どこかの企業に買収されるまで6~7年かかるといわれている。)
・これを支えているのがベンチャーキャピタルという存在で、アメリカで約400社あるといわれ、その7~8割がシリコンバレーに集まっている。このベンチャーキャピタルは、資金をスタートアップに注入するだけでなく、メンバーを会社に入れ、営業、法律、財務などの不足な知見を送り込み、その会社がいち早く成長できるように支援をする。日本のベンチャーキャピタルとはイメージが違う。
・CTCアメリカでは、シリコンバレーで年間約2万社の新しいスタートアップができるといわれている中で、企業向けのITソリューションを提供している会社を対象に年間約500社を調査している。このうち実際に面会して詳しい話を聞くのが約200社、また約100社は日本の本社あるいはお客様に直接紹介している。今期も5件の会社と新たにパートナーの契約をした。
・現在当社がフォーカスしている分野は、AI、IOT、ネットワーク、クラウド、セキュリティ、ITの運用、大きくこの6つからさらに細かく分野をみている。特に現在は、デジタルトランスフォーメーションがキーワードである。2013~14年から大きく注目を集めており、その背景にあるのはデジタル技術を活用したシェアリングエコノミーという表現もされる。タクシー業界のウーバー、デリ業界のエアビーアンドビー、放送分野のネットフリックスなどがクラウド、モバイル、様々なテクノロジーを活用して資産を持たずに既存の産業を壊していく。こういった流れは当初はタクシー業界あるいはホテル業界特有のものとみられていたが、今ではこれらの業界に限らず様々な業界でデジタルを活用して既存の事業者或いは新規に参入するデジタルトランスフォーメーションの必要性が叫ばれている。それを起こすのがシリコンバレーであり、ウーバーやエアビーアンドビーの本社やそれを支えるテクノロジー会社も全てシリコンバレーにある。
・デジタルトランスフォーメーションの定義は曖昧であるが、デジタルを使って顧客の体験を高めることがカギだと言われている。実は、従業員の働きやすさが高ければ高いほど、お客様の満足度も高いということが示されている。また、これからは新しい技術、例えばスマートフォンを知っている状態で入ってくる。ファイルの共有は、CD-ROMやUSBからドロップボックスやボックスのようなクラウドサービスを使って共有するのが当たり前となる。このような世代が入ってきた時に、働く環境やお客様にサービスをする環境は、改めて見直していかなければ、よいサービスは出来ない。人の仕事のしやすさということを考えた時には、新たな考えも取り入れていかないといけない。
・優秀な人材確保競争の中で、シリコンバレーでは新しいオフィスに莫大な費用をかけてる。アメリカの企業では、1日のうちの約35%の時間をオフィスで過ごしている。アップルの第二ヘッドクォーターとして作ったアップルパークは、総工費が5千億円である。同じようなことをアマゾンなどの他社もシフトしている。

視察団からの質問

Q.スタートアップには、1社当たり何人くらい送り込むのか。
A.ケースバイケースだが、多いパターンは、経営判断のポジションに1人、その人を核にして必要な財務担当や営業のプロ、国際展開のプロを送る。
Q.ワークスペースに居る時間を7~8時間とのことだが、実感としてもそれくらい早く帰るというイメージか。これだけの先進的企業が7~8時間の労働時間で完了する環境なのか?
A.日本と異なりはっきり分業されているため、社内の調整に掛かる時間が少ない。なお、家で仕事が出来る環境のため、会社では7~8時間仕事をし、自宅に帰り家族と食事をしたのちにまた3~4時間仕事をするようなことも多くトータルで見ると日本人よりも働いている。
Q.労働時間の管理の仕方は成果重視しか有り得ないということか?
A.そのとおり。むしろ会社でだらだらしている人は仕事が遅い人と見られる傾向がアメリカでは強い。

【AIについて】
・これからAIを取り入れないソフトウェアは世の中から駆逐をされていくといわれている。AIはスタートアップの投資においても今最もホットな領域である。AIのスタートアップに対する投資は、2012年頃は日本円で約600億円であったが、その後5年間ほどで5千億円までに膨れ上がっている。
・実際のAIは、様々な分野のソフトウェアに実装されている。人事関連ソフト、金融関連ソフト、ビジネスインテリジェンスという分析ソフト、製造業での故障予知や在庫管理のソフト、セキュリティの制御にもAIが多く活用されている。
・ソフトの一例を紹介すると、クイットという会社のソフトで、世の中のデータの8割を占めるテキスト情報を、クラスターで表現する。例えば新聞情報、お客様のアンケートの情報、営業マンやドライバーの日報など、これまで人の感覚で分類、集計していたものを、AIを使って正確に作業するようなソフトウェアである。またヘルプデスク、社外からの問い合わせ対応の自動化などにもAIを活用した多くのスタートアップが出て来ている。

視察団からの質問
Q.今後はAIが入ったソフトウェアがくるとのことだが、物流に関するAIが入ったソフトをご存知か?
A.配車計画には使われている。これまでは経験をもとに配車していたが、その会社のモデルを作り、誰が運転しても最適というルートで運行できるソリューションが出ている。また、クルマのテスラ社では、無人運転のトラックを開発している。労働力確保の観点からもトラックの主に幹線、長距離のところからそういう自動運転トラックが開発され、走行実験もされている。
Q.物流業界に投資をしているベンチャーキャピタルはあるか?
A.物流業界に特化しているところはあまりない。物流でのITが言われだしたのはアメリカもここ最近である。

【IOTについて】
・IOTもAIと同様に非常にホットなキーワードである。元々2020年頃までに500億台のデバイスがインターネットにつながるとしてスタートしてきたが、実はIOTは踊り場にきている。現在は、スマートシティや故障予知を活用したスマートファクトリーなどが話題であるが、世界のIOTプロジェクトの60%は概念の実証評価段階で、最終的に導入、運営に入ったものは全体の約4分の1で、成功としてみなされていない。IOTの導入による現実的な投資対効果が導き出せないといわれている。
・したがって、例えばアマゾンやマイクロソフト、シスコんまどこれまでIT業界を引っ張ってきた企業が参入しており、大手のプレーヤーを中心とした構造に変わりつつある。最近IOT関連でシステムダウンのようなセキュリティ事故が増えており、IOTのスタートアップとしてIOTに関するセキュリティ分野が注目されている。
・またドローン対策も。現在ドローンはアメリカ全体での月間約100万台が個人向け、企業向けに販売されており、将来は5,600万台まで増えるといわれている。しかし、ドローンの中には、通信を傍受するようなハッカーや盗撮、爆弾を搭載するなどのドローンがあるといわれており、企業においてリスクが高まっている。
・また、ウェアラブルの領域では、AR(オーギュメント・リアリティ)ろいうスマートグラス上に様々な情報を投影しての作業によって、現場に行かずとも熟練者がサポートするようなことで、作業の期間短縮を可能とし、満足度の高い働き方の提供が可能とすることなどである。
・クラウドの使用についても新しい課題が出てきている。例えば、アマゾンなどのパブリッククラウドは、セキュリティの機能が備わっているなど便利な一方で、データを個別のサーバーなどに移すほうが、パフォーマンスがよいとの流れがみえる。

視察団からの質問
Q.クラウドが一周してきて自社サーバーに戻ってくるというのは、その辺のレベルでのことなのか?日本でもそのようになるのか?
A.アメリカでのグラブやドロップボックスのような限られた業種でのこと。日本ではまだあまりない。
Q.クラウド利用の弊害とは、後々にデータをとりだせないことか?
A.その通り。あとはコスト面でも注意を要する。初期投資はほとんどないが、アイドル状態でも課金されたり、システムが膨らむと想定以上にコストがかかることがある。
Q.当社では、貴社からのご紹介でフィットビットという健康管理のシステムの導入を開始している。我々運送事業者は、安全管理や健康管理に大きな興味を持っている。労働力確保が大きなポイントになっており、若い世代の参入があまり望めない。例えばドライバーとかブルーカラーの体調を監視するような先進的な取り組みをしている企業はないか?
A.健康に関してはアメリカも積極的に取り組んでいる。日本と違って国民保険はなく、医療費がとても高く、保険に入れる人だけが病院にかかれる状況であるため、病気を未然に防ぐデジタルヘルスという領域がかなり注目されている。その中に利用可能なものがあるのではないかと思う。
Q.当社は中小企業だが、例えば経理システムなどについて、貴社では大規模な企業相手のビジネスが前提か?
A.特に企業規模は問わない。AIを使おうとするとまず学習の期間が必要になるが、今のソフトウェアは、予め学習させており、プロト段階から複数の企業に利用してもらい、標準的なロジックを用意し、それを最終的にユーザーが利用するようにしている。

【CTCアメリカが出資しているスタートアップのローシックス社が開発している無線カメラについて】
・弊社は倉庫やロジスティクス関係のソリューション等に焦点をおき、特許技術を使い運営をしている。当社の技術は倉庫内でのビジュアルデータや位置データをクラウドに集約し、倉庫運営を支援することを目的としている。
・eコマースにより、物流業界は変わっている。アマゾンの同日配達をはじめ、同日配達、翌日配達によって、工場から流通センター、流通センターから倉庫、お客様へという物流のスピードが要求されるようになる。倉庫業者などではネットワークへの負担は増えてコストが増加した例もある。そこで、当社では効率アップによりコストダウンの支援に向けた倉庫のデジタル化に向け、位置情報、画像データ、センサー情報を組み合わせた処理を志向している。ただし倉庫に十分な数のセンサーをつけられず、基盤コストや管理コストにもコストがかかるため、当社では、全て電池で稼働する多数のワイヤレスカメラで位置情報や画像情報を使える技術を開発することを目指している。
・弊社の技術のひとつのローカルポジショニングシステムは、wi-fi利用により省電力で非常に複雑なレイアウトの室内でも1m以下の誤差で位置情報を取る技術を提供するものである。このネットワークを使うことで、センサーの耐久年数を確保することができる。
・現在の実験では、10cm或いは15cm位の誤差で位置情報を取ることができることが確認できている。また、例えば壁によって位置情報が上手く取れないところは、当社が開発したアルゴリズムで位置情報を組み込むことができるような開発を行っている。
・当社ではこのシステムを大規模なロケーションでも使えるようにアップグレードし、当社が収集したデータを、第三者のAI技術、分析技術で利用できるようにしていく予定である。
・もう一つの弊社の技術の中心は、ワイヤレスハイデフニションカメラである。このカメラは、画像を撮るだけではなく、温度データ、湿度なども取ることができる。またバッテリーの寿命は数年もあるため、カメラの設置は、電気技師でなくても可能である。
・これら技術の使用事例を紹介する。倉庫での使用では、①トラックの入庫台数を計測し、ディスパッチャーがトラックが入るドックの指示が容易になる、②同時にトラックのドックの利用時間を計測し、倉庫の稼働状況を測ることが可能、③倉庫内のスペースの利用状況の把握が可能、④例えばフォークリフトな倉庫内での機器の利用状況の把握が可能などである。倉庫内の貨物の管理には、RFIDやバーコードを使った管理がされているが、当社のテクノロジーを使うことで、パレットの動きも把握できる。
・将来的にはスペースの利用状況や荷物の動きを総合的に分析し、人や機械を効率的に動かすかプランを提供し、効率的な倉庫利用を支援できると考えている。当社では、実際に、東京で安川電機と一緒に倉庫での運用実験も行っている。ある倉庫のトラックレーンにカメラを設置し、数分ごとの映像をAIシステムに回し、トラックの利用状況やドアの開閉状態を計測した。そのデータを安川電機のクラウドで分析した。また、アナログのデバイスの前にカメラを取り付けることで、温度や湿度などのデータを詳しく取ることができるなど遠隔からの監視を可能として、障害等を未然に感知することができる。
・当社では、インテリジェンスを加えることで、倉庫やロジスティクスが効率アップするシステムを提供していきたいと考えている。当社は、2015年3月に創設し、すでに東京大学、ジンベスチャー、ITベンチャー、日本の村田製作所、安川電機から支援を受けている。

視察団からの質問
Q.そのカメラは、電波を受けるのでICタグのよなものと考えていいのか。
A.似ていると思っていただいて結構。試作品のカメラは名刺よりやや大きく厚いサイズ感である。
Q.カメラ1台のコストはいくらか?
A.現時点では、カメラ1台が60~70ドル、ロケーションセンサーは30ドル程度。
Q.管理する商品が2万点あるとしたら、ロケーションセンサーは2万個必要なのか?
A.RFIDやバーコードを読み取るスキャナと当社のセンサーシステムをつなられれば、2万個は必要ないと思う。
Q.画像解析の精度について、倉庫は同じ形のフォークリフトでナンバーだけ違うというのがあるが、それを見分けることはできるのか?
A.1台1台を画像解析だけで見分けることは難しいが、例えばフォークリフトに大きく数字が書いてあるなどであれば可能となる。またロケーションタグをつければ、ビジュアルでなくても動態把握は可能である。

委員会総括(未完成)

デジタルトランスフォーメーション(Digital transformation)とは、「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」という2004年にスウェーデンのウメオ大学のエリック・ストルターマン教授が提唱したとされる概念である。デジタル化の第1フェーズはIT利用による業務プロセスの強化、第2フェーズはITによる業務の置き換え、そして第3フェーズは業務がITへ、ITが業務へとシームレスに変換される状態であると言われている。
今回ご説明頂いたデジタルトランスフォーメーションは・・・デジタルディスラプション・・・・

在アメリカ合衆国日本大使館 視察内容

日本大使館旧公邸は,昭和6年(1931年)10月に設立され,昭和53年まで大使公邸として使用されていました。当時流行していたネオ・ジョージアンスタイルの建物です。旧公邸は昭和16年(1941年)12月,戦争勃発後米国側に接収され,米国極東委員会の使用するところとなっていましたが,昭和27年(1952年)4月末日,日米交換公文の接受とともに我が方に返還されました。本建物は,昭和48年(1973年),米国内務省国立公園局よりワシントンDCにおける史跡保存建物の指定を受けています。

先方からのプレゼン

【アメリカの経済情勢等近況について】
・連邦経済は、非常に好調。米国月例経済報告では、3%程度の成長が継続しており、着実に景気回復が続いている。失業率は、リーマンショック時に約10%と高かったが、その後経済成長とともに順調に下がり、トランプ政権による減税等の効果もあり、5月時点で3.8%という歴史的な低さとなった。完全雇用に近く、人手不足の状況となっている。
・好調な経済と低失業率の背景には、企業部門も家計部門とも好調であること。製造業や工業の生産額は2016年までの低水準から2017年から確実に拡大している。設備の稼働率も右肩上がりである。さらに家計消費も右肩上がり。総じて米国経済は非常に活発であり、物流の需要も伸びている。
・1990年頃にはアメリカの貿易赤字の大半は日本であったが、2017年時点では約半分が対中国の赤字であり、次いでメキシコ、日本等となっている。したがって、日米関係では、日本との貿易赤字の解消が現政権の強い姿勢である。

視察団からの質問

Q.先に訪問した運送事業者では、潤滑油関係や製油の輸送が主業務であるが、1台当りの売上高や賃金が、日本と比べて1.6倍程度高いとのことであった。アメリカでは、ドライバーの社会的地位や給料水準はどのような位置づけか。
A.社会的地位は、日本とそれほど相違はないと思う。賃金は、荷主に転嫁できることや人手不足であるため、日本より多少良いのではないか。特にトラックドライバーが高給取りということではない。適切に収受した運賃を賃金に回せているという話を聞く。経済状況がよく、物流もそれに連動している。なお、アメリカの為替レートが日本と比べて高いが、一方でアメリカのほうが物価も高く、それに見合った賃金水準であるとみるべきである。
Q.日本と異なるCDL(コマーシャル・ドライバーズ・ライセンス)もあるドライバーのステイタスはどうか。
A.日本との違いを感じるとしたら、1人1車のオーナードライバーが認められており、輸送距離が長い事業形態のドライバーが存在することなどである。
Q.長距離運転の場合、1日の運転時間が8時間で30分の休憩、1日の上限時間が14.5時間。それで2週間運行し3日の休日後、また運行という実態があると聞いた。これがアメリカの就業規制なのか、日本では違反となる。
A.アメリカの労働規制は詳しくないが、規制はあると思う。電子ログ(運行記録)導入の可否について議論があり、正確に記録され管理されることへの懸念の意見もあると聞く。
Q.アマゾンでドローンを使って配送するトライアルを始めたと聞くが、進捗状況はどうか。
A.この実験の話題を2年前に聞いたが、その後実用化の話はまだ聞かない。米国運輸省でもドローン輸送はまだ実験段階である。
Q.スターシップ・テクノロジーズのデリバリーロボット(自動ロボットによる配達)が2017年7月にバージニア州で規制が認められたと聞いたが、他の州への普及は。
A.聞いたことがない。ただし、自動運転の公道実験の実施は各州が競っている。自動運転は、死亡事故の発生により一時動きが止まっているが、各州で交通ルールが異なるため、なるべく自分の州で実験をやってもらいたいとの動きである。
Q.自動運転による事故に対する世論の反応は?
A.死亡事故により自動運転を多少見直す必要があるのではという声はあるものの、それが社会的に大きな制約になって開発を中止するまでの話にはなっていない。
Q.交通事故は大きな騒ぎ、話題にあることがあるのか。
A.もちろん交通事故はあるが、車の事故では何十人もの死傷者にはならず、大きな騒ぎになることはあまりない。大きく報道されることも少ない。どちらかというと度々発生する鉄道事故のほうが話題になる。
Q.アメリカでもクルマ離れはあるのか。
A.若い人のクルマ離れは日本と同じような状況。日本よりもシェアリングエコノミーが進んでおり、ウーバーやリフトなどがタクシー代わりに使えるため、クルマを持たない志向は日本以上に進んでいる。ただし生活エリアによってはクルマがないと生活が出来ないため、都市部ではクルマ離れが、それ以外では1人に1台の社会である。
Q.アメリカでは少子高齢化であるのか。
A.出生率が低下していないことと移民の増加が主要因で人口はまだ増えており、先進国では珍しく今後も増え続けると予測される国の一つである。
トラックのドライバーをやれる人っていうのは移民じゃないでしょう。
Q.アメリカではトラック運送事業への監査はあるのか。違反した場合の罰則等はどうか。
A.まず許認可の事業である。全てのトラックにUSDOTの許認可番号が書かれている。監査については情報を持っていないが、あるとしたら州で実施しているかどうか。連邦政府にはそのような組織はない。
Q.トランプ政権による貿易摩擦対策により日本国内経済への影響はどうか。
A.総論としては。対日赤字をなんとかしたい、具体的には自動車の輸出などを何とかしたいという米側の思惑に対し、具体的な議論が必要に。日米関係の重要性は双方で維持しており、トヨタのように多額の投資で雇用を生んでいる事実のもと、経済関係が破たんしないよう話合いをしていこうとしている。
Q.アメリカの物流は進んでいるのか。あまり実感できず、中国の方が進んでいるようにも感じるが。
A.物流に限らず日常生活においてアメリカの方が凄いと感じることは殆どない。ただし日本よりも優れているのはシェアリングエコノミーやIT関連ではないか。例えば自動配車のようなIT投資には積極的なところは見るべきところであるが、そのシステムがスムーズに行かないことも多い。
Q.アメリカでも労働力不足が問題と聞いたが、ホワイトカラーには潤沢に人が入っていてブルーカラーには入らないとか、何か傾向値はあるか。
A.ブルーカラーには移民が沢山入っているが、それがトラック業界には入っていないのかも。移民のドライバーがいるとはあまりきかない。建設作業員などには簡単に移民が入っているが。実際にドライバー不足であるため、自動運転の導入が求められているのだと思う。
Q.日本では雇用延長や女性の雇用推進を進めているが、米国では女性や高齢者の活用は推進されているのか。
A.米国では日本よりはるかに女性の社会進出が進んでいる。ただし、女性のトラックドライバーは日本と同じくらい見ることが少ない。高齢者は定年はなく年齢での差別は憲法違反のため、本人辞めると言わない限り活用している。
Q.日本には商用ドライバーを育成する専門学校はほぼないが、米国ではどうか。
A.聞いたことはない。
Q.ウーバーの利用状況はどうか。
A.ワシントンはタクシーがまだ生き残っているが、大使館の職員100人で、タクシーを使っているのは自分一人。そのくらい普及している。ウーバーだから事故や犯罪が問題との認識はない。ウーバーイーツを使えば便利である。
Q.ウーバーの貨物版は出ているのか。
A.ウーバーイーツは物を運んでいるが、各州ごとに規制を考えることになっているのでそれ次第。個人的な経験だが、アマゾンの配送のUPSのことが多いが、一度普通のセダンのクルマで女性がアマゾンの荷物を届けにきたことがあった。安全性を考えると、ウーバーは、旅客より貨物の方が適しているのかもしれない。

委員会総括

 

全米トラック協会 視察内容

ワシントンにある全米トラック協会を表敬訪問。事業の適正な運営と健全な発展を促進し、公共の福祉に寄与している協会団体の活動内容や、業界の社会的・経済的地位の向上を目的としている団体の方針などを伺い、相互交流。

先方からのプレゼン

①ロビー活動、PR活動について
・全米トラック協会(ATA)の会員数は3,000社。
・主な役割は、議会に対するロビー活動。会員企業の利益を代表して業界に対するよりよい経営環境を目指し、運輸省や環境省等に対して働きかけを実施している。
・業界の現在の最大の課題は労働者の不足。ドライバーや技術者が不足していること。予測では、今後の10年間で10万人のドライバーを更が必要。ドライバーは平均58歳と高齢化が顕著。ドライバー以外にも75,000人の車両整備等の技術者が必要としている。
・ATAでは人材確保のために、トラック運送業界を「クールでかっこいい」業界としてPRを実施中。車線逸脱機能をはじめとする安全関係や自動化の技術の導入により以前とは異なる環境となりつつあることもPRしている。
・PR活動においては、プロのドライバーをスポークスマンとして活用し、例えばホワイトハウスにトラック2台を持ち込んでのPRなど、行政の政策決定者や議会関係者、メディアの意識を変えるべく取り組みを実施中である。
・今後影響が及ぶとみられる規制として、ドライバー不足に対応する法案が。アメリカの規制は、トラックの大きさだけではなく、州内輸送と州際輸送で連邦の年齢規制がある。例えば、現在は、18~21歳のドライバーは、州際輸送(州をまたがる輸送)はできず、高校卒業後すぐできるにドライバー業務が限られるため、他の産業で働いてからトラックドライバーにならざるを得ない。これをできるようにする法案があげられており、若いドライバーの活動範囲を広げることができるようにしようと。
・また、2016年に制定された規則として、ドライバー希望者に対して初期訓練を義務付けることとなったが、これも運転手の不足に影響を及ぼす規制とみている。また別の法案では、18~21歳のドライバーは、熟練ドライバーの添乗を義務付けたり、見習い期間には120時間の勤務時間をこなすこと、そのうちの80時間の添乗指導を行うなどを求めるものもある。

②トラックの自動化について
・米国では、貨物が増加傾向なのに対し、ドライバーが不足しているため、効率的な輸送に向け自動運転トラックの開発が進められている。ATAではトラック自動化委員会を設置し、伝統的なトラックメーカーのみならず新しい技術開発企業にも対応している。
・ただし、労働組合は、自動化によってドライバーの失業を懸念しているが、自動運転は、例えば西海岸と東海岸をつなぐ長距離運転をカバーするもので、短距離運転などは引き続きドライバーが行うとして説得している。
・トラックの自動運転は、まずは無人ではなく、乗り込むドライバーが自走式トラックのモニターを監視し、貨物の安全確保や貨物の積卸を確認する役割は果たすことになる。なお、自動運転トラックは購入費がかなりかかるが、一方でコスト削減になるというビジネスモデルを構築していかなければならない状況にある。
・また、プラツーニング(2両が連なっての走行)により、2両目の空気抵抗が削減されることのメリットを求め、1両目のブレーキングが2両目も働く技術を開発中である。

③燃料関係について
・過去30年間、トラックの排ガスに規制が実施されてきた。特に排ガス規制の中で対象となっているのが、微粒子とオゾン系。その規制に対応してきてほぼゼロに近くなったが、さらに厳しくするのは難しい状況に立たされている。
・温室規制ガスの排出を規制するための燃費規制も2014年に規定。段階的に21%の燃費アップを求めるもの。エンジンの効率アップ、その他の効率アップ(例、空気抵抗やタイヤ、オイルの改善など)に主に車両メーカーの対応内容であった。
・2018年に導入された燃費と温室効果ガスの規制は、2027年までの段階的導入。エンジンを中心とした規制で25%改善。運送会社では、新たな車両や適当なタイヤ等を企業で選択しながら導入することで対応することになる。
・ATAでは、燃料については、特定の燃料をプッシュすることはせず、トラック事業者の自由な選択に任せている。現在の中心はディーゼルの使用。ごみ回収車やバスなどは天然ガスの使用が増えている。今後新しい燃料が提供される見通しである。
・主な新しい燃料は、①電気自動車トラック(テスラが開発)、②水素燃料電池(ナイトラーが開発、2019年に本格実験、市場導入の見通し)。この2つの燃料技術はATAも支援しており、どちらが優れているか、その後の市場において決まると思われる。

 

視察団からの質問

(時間がなく質問はなし)

(追加の質問は、Eメールにてやりとりすることを了解いただいた)

委員会総括

CARBON EXPRESS INC 視察内容

1983年に設立した、ニュージャージ、ワートンに本社のある液体のバルク運輸を専門とした運輸会社。潤滑油基油や他の石油製品の運送では業界のリーダー的存在で、安全を一番のプライオリティーと位置付け、2009年には全ての車両から、寝室兼用運転台(SleeperCab)を排除。社内でも議論となったとのことだが、モーテルでドライバーに休息を取らせることにより、ドライバー、路上での一般への安全性が確保された。

先方からのプレゼン

・保有車両台数は65台(トレーラシャーシを除く)。米国の運送事業者の平均保有台数は約40台。
・当社の運行では、例えばアラスカまで片道4,000マイル以上、片道で10日間かかる長距離運行がある。
・1960~70年代には長距離運行のドライバーは、ほとんどモーテルに泊まっていたが、2010年に、ベッドスペースのあるスリーパートラックは全てベッドレスに代替えし、ドライバーはモーテルで宿泊するように変更した。理由は2つ。1つは積載量を増やすため、2つめはドライバーの労働条件改善のため。
・ドライバーの賃金は、平均6~7万ドル、長距離ドライバーで平均7~9万ドル程度。
・当社のドライバーの最高給は、9,200ドル。日本の2倍近い水準である。一運行が約2週間のドライバーのケースで、運行後2~3日休日をとるパターン。1日の労働時間が約14時間、うち約11時間が運転時間。休憩時間は8時間の後に30分。
・このような運行は、ドライバーの確保が難しい状況となっている。
・車検は、1年、2年、5年ごとにあり、通った証拠としてステッカーが貼られる。自社でのトラクタのメンテナンスは2万5千マイル毎に、トレーラは3ヵ月に1回実施している。
・車両は20~30年使用している。自社整備しており、適切に整備すれば長く使える。
・このタンクトレーラの積載容量は7,000ガロン。アメリカではタンク内は横に仕切っている。日本の場合は縦の仕切りと聞いている。日本のように縦のほうが横揺れと縦揺れの違いで安全だと思う。おそらく製造コスト優先とのことからと思われる。
・一般的なバン型トレーラの全長は53フィートだが、タンクトレーラは重量がかさむため全長は42フィートでこれが平均的な長さ。長さの規制は州による例外があると思うが、政府によって決められているはず。
・最大積載量は80,000ポンド(36,320㎏)とのこと。高速道路や州によって重量が異なるケースがある。
・当社のドライバーの一人は、ATA(全米トラック協会)のキャプテンを務めている。
・ATAでは、学校などに出向き免許取得前の人達に、安全運転の指導を行っている。例えば55マイルのスピードからの制動距離がどのくらい必要か、83,000ポンドの重量だと60フィートはかかるなど。またトラックの死角の指導も。
・当社は、2016年にトラックの安全性を非常に高めたということで表彰された。
・当社では、全車両をリアルタイムでトラッキング(追跡)している。
・配車は、コンピュータにて重量等を加味した計画を立てている。

視察団からの質問

Q.使用しているタイヤは。使用距離は?
A.日本と異なる雪道でもOKな溝の深いもの。35万マイル(約50万㎞)程度まで持つ。年間走行距離が約12万マイルなので3年程度持つ。最も持ちがよいのはブリジストンとミシュラン。また、スーパーシングルというワイドタイヤも使用しているが、これはそんなに持たない。
Q.トラクタの新車価格は?
A.約13万1千ドル(約1,400万円)。
Q.危険物輸送に必要な資格は?
A.全てのドライバーが危険物輸送の資格(試験で取得)と、港湾での積み降ろしに必要な身分証明の資格(申請のみで取得)を持っている。これらの資格は、一般的にはドライバー負担で取得するが、当社では会社負担で取得させている。
Q.ドライバーの定着は?
A.当社の場合は非常に長く働いてくれるドライバーが多く、ターンオーバーは少ない。
Q.初任ドライバーの教育研修と、その後のサポートは?
A.当社では約4年前から、21歳からの若いドライバーを雇うようにした。トレーニングは6か月程度。
Q.AIや自動運転についての考えは?
A.自動運転によってトラックドライバーが不要になる(リプレイする)ことまでんはならないと思う。
Q.ドライバーの平均年齢と離職率は?
A.当社では平均45歳。業界全体では57歳と聞く。高齢化は大きな問題である。大手のトラック会社では離職率はほぼ100%。当社は低い。

未来創造委員会の総括

 

 

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