「会長挨拶」

米国運輸産業並びに第4次産業革命等の視察について

一般社団法人埼玉県トラック協会
会  長   鳥 居 伸 雄

 日本国内では「一億総活躍社会」を実現するため、非正規雇用労働者や長時間労働の是正など、労働制限の抜本的な改革を目的とした「働き方改革関連法案」が成立し、「生産性革命」に沿った施策、取り組みが次々と展開されるなか、トラック業界としても積極的に対応している所でありますが、現状では解決すべき課題が山積している状況であります。

 当協会では、トラック業界における輸送の安全確保への対策、多様な人材確保・育成への対応など、時代に即応した様々な課題への取り組みを実施しております。

 こうした課題への対応において、グローバル化した産業構造のもとでの、諸外国に関する知識の集積や関係者との交流は、我が国運輸産業の今後の発展にとって重要な要素として捉えており、これに鑑み当協会では平成8年のアメリカ合衆国視察研修以降、時々の課題に対応した諸外国の視察研修を過去4回実施して参りました。

 今回、アメリカ合衆国視察から22年を経過した同国を再び訪問し、アメリカ合衆国の運輸産業の現状、取り巻く経済・労働環境の状況、並びに第4次産業革命といわれるAI(人工知能)やIoTに関するアメリカ合衆国の先進的な開発状況、先進事例等を視察してまいりました。

 現地では物流企業を訪れ、米国内の状況等を意見交換する事により日本国内で抱える労働時間、賃金並びに法律による企業での課題を日本の業界と比較する事ができました。

 更には在米国日本大使館の駐在員との意見交換を行い、直接米国のトラック運送業界の実態を視察する事により、次世代を担う参加者にとっては大変に貴重な体験となり、また、第4次産業革命においては、労働人口が減少する中で、生産性を上げるためには、デジタルイノベーションを推進する事が重要であり、今後の協会運営に大いに役立つものと確信しております。

 今般、参加者それぞれが感じた事や学んだ内容等の報告書がまとまりましたので、ご参考にしていただければ幸いです。

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